日本を代表するトップトレイルランナーの鏑木毅さんの著書「日常をポジティブに変える 究極の持久力」が2018年2月25日に発売されます。
テーマは「年齢に負けない体を作る」です。すでに49歳とランナーとしてはピークを過ぎたように思える鏑木毅さんがなぜ世界で戦い続けられるのか、その秘密が詰まった1冊です。
発売前に手にすることができましたので、どのような内容の書籍なのか、どういう人に読んでもらいたいかなど、できるだけ書籍の中身に触れないようにしながらお伝えしようと思います。
手にするべきは年齢を超えて成長したい人たち
正直、この本を20代30代のランナーが手にしても、必要なことの半分くらいしか理解できないかと思います。以前と同じように練習しているのに、記録が伸びなかったり、回復の遅れを感じたりしている人たちは必読です。
ここに書かれているのは、疲れにくい体を作るために、どのようなことを鏑木毅さんが行ってきたかという具体的な内容です。若い人は、寝て起きればまた100%の状態で練習できますが、30代半ばくらいからそうはいかなくなります。
筋力や体力はそれほど変わらないはずなのに、負荷の高い練習をしたり、レースに出るとなかなかベストな状態に体が戻らない。分かりやすい言葉にするなら「老化」と直面することになります。
ここで「年齢にはかなわない」と思うか、「自分が衰えるわけがない」と反発するかのいずれかを選ぶ人が多いのですが、鏑木毅さんは自分の衰えを受け入れながら、過去の自分を超えていくという道を選びます。
これは、すべての中年ランナーにとって一筋の光明です。
年齢が高くなったからレースで結果を出せなくなるわけではなく、年齢に合ったトレーニングやレースとの向き合い方がある。そのためには何をすべきかということが書かれています。
ランナーとしてのメンタルのあり方
疲れない体を作るためのノウハウが詰まった1冊ですが、それだけでは世の中にある一般的なノウハウ本と変わりません。この本の素晴らしいところは、ランナーとしてのメンタルについても触れられていることにあります。
トレーニングとどのような気持ちで向き合うべきか、レース中の頭の中をどうすれば100マイルレースを最後まで走り抜くことができるのか。その考え方は42.195kmというフルマラソンにも応用できる内容になっています。
内容にはあまり触れないようにと伝えましたが、ひとつだけメンタルについて書かれている部分を引用します。鏑木毅さんは勝負に勝つ強いアスリートについて、次のような条件があてはまるとしています。
『全体の「3分の2から先」の世界を、リアルにイメージできる』
どんな距離のレースでも、きつくなるのは後半の3分の2です。フルマラソンでは30kmの壁と言われていますが、実際に体に異変を感じるのは3分の2の28km地点くらいからという人が多いはずです。
その後どのようになるのか、具体的にイメージできれば、最悪の状態になっても戸惑うことなく走りきることができます。もっとも鏑木毅さんの住む世界では、100マイルの話ですので、100kmを走ったあとの話ですが。
でも市民ランナーでも、この3分の2をイメージすることはとても重要です。「日常をポジティブに変える 究極の持久力」を手にした後に、2つのレースで後半の3分の2を意識しながら走りましたが、いずれのレースも大きな失敗なく上手にまとめることができました。
食事を改善することの重要性
鏑木毅さんは「抗酸化」「低糖」の食事を行っていることを知っているトレイルランナーの方は多いかと思います。その中で「無糖ではない」と何度も口にされています。そして、トレイルランナーとして何を食べるべきか、それはなぜなのかについて著書の中で具体的に示しています。
年齢に抗うランナーに注目してもらいたいのは「抗酸化」です。老化に関わるとても重要なキーワードですが、これを意識しているランナーは少数派です。鏑木毅さんはアスタリールというサプリメントを勧められたことで、抗酸化の重要性に気づきました。
アスタリールにはアスタキサンチンという成分が含まれています。アスタキサンチンは世界的にも注目されている抗酸化物質のひとつですが、このサプリメントとの出会いが鏑木毅さんを復活させたと言っても過言ではありません。
そのことについても、隠すことなく著書の中で語られています。アスタリールに関しては、2018年の東京マラソンEXPOにも出店していますので、これから様々なイベント会場で目にすることがあるかと思います。
もちろん、サプリメント以外の食事改善についても掲載されています。すべて鏑木毅さんが実際に行っていることです。その効果がすべての人に出てくるとは限りません。食事改善だけしても厳しいトレーニングをしなければ、強くはなれません。
でも厳しいトレーニングをできるだけの体を作るのに、食事改善は必須です。私たちの体は口にしたものだけで作られているのですから。
レビューまとめ
このレビューを書いた時点では発売前ですので、できるだけ直接内容に触れないようにしたため、まだ買うべきかどうかを悩んでいる人もいるかもしれません。でも「日常をポジティブに変える 究極の持久力」は中年ランナーにとってはバイブルとなる1冊です。
これだけははっきりと伝えておきます。
2月25日には本屋に並ぶと思いますので、ぜひ手にして数ページめくってみてください。きっと「これは読まなくてはいけない」という気持ちになるはずです。amazonでもすでに予約を受け付けていますので、忙しくて本屋に行けないという人は、ぜひそちらも利用してください。
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