4月26日にスタートしたUTMF2019。すでに多くの人が知っていることかと思いますが、4月27日(土)15時、杓子岳付近の夜の降雪・凍結・低温によるリスク増大によりレース短縮が決定されました。
TwitterやFacebookなどのSNSで、当日の景色を見られた方も多いかと思いますが、写真では伝わりきらない厳しい状況を、STRAVAのオフィシャルフォトグラファーとして大会を追ったロイド・ベイチャー氏が映像として公開しました。
まずは下記の動画をご覧ください。
レースの早い段階から悪天候の中でのレースとなり、そして時間の経過とともに厳しさが増していくのが分かっていただけたかと思います。最終的には4月とは思えないような積雪があり、レース途中での中止・短縮となりました。
UTMFは常に天候に悩まされる大会で、2016年には大雨による短縮、2015年は中止にはならなかったものの、雨の影響で大渋滞が発生し多くのランナーがリタイアとなっています。
「自然の厳しさ」という言葉だけで済むことなのか、それともそもそも富士山の周りという特殊環境でのレースが無謀なことなのか。これは誰にも判断がつかないことかもしれませんが、大会事務局は雨の多い秋大会を回避して、春大会への移行(復帰)を決断しました。
そして、順調に開催された2018年から一転しての今回の積雪。
ただし、この映像を見ていただければ「中止・短縮」という判断が賢明だったことが分かってもらえるかと思います。トレランの選手は必要最低限のウェアしか持っておらず、この雪山で低体温症になった場合には命の危険さえあります。
そのような状況で、大きなトラブルもなく終了できたことが全てです。
ただ今回のことにより、「UTMF=悪天候」というイメージが定着してしまったかもしれません。多くのトレイルランナーにとってのあこがれの大会でありながら、直近4回の開催で3回の悪天候は、多くのランナーにとって二の足を踏む結果にならないか。
もし、降雪が1日早かったら今年は開催すらできなかった可能性すらあります。
そして、そのリスクはこれからも続くわけです。それがトレイルランニングなのだとすれば、なんと厳しい世界なのでしょう。山と向き合う難しさ、自然の中を駆け抜けられるのはあたり前ではないという事実。
私はこの映像を見るまでは、雪によるレース短縮という事態をいまいち飲み込めずにいましたが、この映像によってあの日に何が起きたのか、はっきりと認識することができました。
UTMFに出場することのないランナーでも、トレイルを走ることがあるなら、こういうことがあるということを覚えておいてください。日帰りのトレランでも最悪の想定をしてアイテムを用意しておくこと。
もちろん里山を走るくらいで重装備をする必要はありませんが、いきなり雪が積もり走れない状態になることは、どんな山でも起こりうることです。それを認識してもらためにも、1人でも多くの人にこの映像を見てもらいたいとコラムという形にしてご紹介いたしました。
今回撮影された作品はStravaの公式クラブ や Instagramなどからご覧いただけます。
Stravaとは
STRAVAは、195カ国以上から3,800万人のアスリートが集まるSNSサービスです。自分のトレーニングログを公開したり、他の人のトレーニングログを見たり、応援することができます。
毎週1,500万件のアクティビティが投稿されていて、1秒に20件が投稿されています。2009年にサービスが始まり、2018年12月時点で投稿件数は20億件を超えている世界最大級のアスリート専用のSNSになります。
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Strava:https://www.strava.com