学生時代に部活を真面目にやってきた人ほど、「ランニングは毎日するべき」と思い込んでいる人もいるようですが、ランニングの場合は、必ずしも毎日トレーニングをするのが正しいとは限りません。むしろ毎日走ることで走力が落ちてしまうこともあります。
また、何のためにランニングをするのか、その目的が違えば1週間で走る最適な回数も違いますし、トレーニングの強度も変わってきます。ここでは、そんなランニングを1週間にどれくらい走るのが最適なのかを、目的に合わせてご紹介していきます。
ランニングをする理由によって走る回数が異なる
ランニングをする理由は人それぞれかと思いますが、まずはどのような理由で走るのかについて簡単にまとめておきましょう。アールビーズのランナー世論調査2023によるとランナーが走り続けるモチベーションとして下記のような内容が挙げられています。
- 大会出場のため(67%)
- 健康維持のため(57%)
- 走ること自体が楽しいから(41%)
- 記録を更新したいため(38%)
- ストレス解消のため(36%)
同じランニングでもマラソン大会に主軸がある人と、日々の健康が維持が主軸の人にわかれているようで、しかもマラソン大会に出場する人の中でも、自己ベスト更新やサブ3といった高いレベルを目指している人と、大会を楽しみたい人にわかれます。
このようにランナーごとに走る目的がことなり、そして走る目的が異なると走る回数も変わってきます。ただどのような理由で走るにしても、休養がとても重要になります。なぜ休養が必要になるのか次章以降で詳しく解説していきます。
▼目的別の練習回数について知りたい人は下記記事をご参照ください
走力はリカバリーすることで向上する
まずトレーニングをするときの基本となる考え方ですが、トレーニング理論の基本となる考え方が「超回復理論」になります。学校でも習ったかと思いますが、筋肉というものは軽い損傷状態を作り、そこから回復させることで元よりも強い状態になります。
トレーニングは筋肉を破壊することを目的に行うわけで、これに回復(リカバリー)が組み合わさってはじめてトレーニング効果が得られます。ところが多くの人がこの「回復」を無視して練習を続けます。ずっと走っていないと不安になるからです。
日本人ランナーの多くが、大なり小なりスポ根アニメの影響を受けており、頑張れば頑張るほどスキルがあがると思っていますが、本当はその頑張りに見合うだけの回復がなければ成長しないどころか、ケガを負って走れなくなってしまいます。
速くなりたいなら、きちんとリカバリーを意識してください。そのためには毎日走るのではなく、どこかで体を休ませてあげることが大事になります。もちろんそれに合わせて睡眠なども大事になりますが、睡眠の重要性については別記事がありますので、そちらをご参照ください。
どれくらい休めばいいかはランニングスキルによって異なる
毎日走ってはいけないのだとすると、どれくらい休めばいいのか気になりますよね。これはそれぞれの走力によって異なります。たとえば初心者の場合には、まだ走れる筋肉ができていません。このため無理して走ると筋肉系のトラブルを抱えてしまいます。
反対にシリアスランナーになってくると、1日20km走ってもきちんとリカバリーできます。それだと自分がどれくらい休むべきかわからないという人もいますよね。基本的には感覚で構いません。走り出してみて体が重いなと感じたら1〜2kmで引き返すというので構いません。
もしくはランニングウォッチを使って、身体の回復具合を確認するという方法もあります。最近のランニングウォッチは回復までにかかる時間を自動で計算してくれる機能が搭載されており、どれくらい休めばいいのかひと目でわかります。
Garminなら入門モデルの「Forerunner165」でもリカバリータイム機能が搭載されていますので、自分で判断するのが難しいという人は、このようなデバイスを活用して、しっかり回復させたうえでトレーニングを行ってください。
毎日走ったほうがいいケースもある
ランニングは毎日しないほうがいいとお伝えしましたが、実は毎日走ったほうがいいというケースもあります。それが「健康のために走る」というケースです。マラソン大会に出場するのではなく、日々の健康を維持するために走りたい場合には、休養は必要ありません。
休養が必要ないというのは、休養日をもうけなくてはいけないほど走らないためです。健康のために走るなら1日5kmというのが理想ですので、基本的にはひと晩眠れば回復できてしまいます。むしろ、休養日を入れてしまうと習慣化が難しくなり、継続できなくなってしまいます。
健康のために走りたいのであれば、できるだけ毎日決まった時間に5kmを走ると覚えておきましょう。もちろん雨の日まで走る必要はありませんが、そんなときはジムに行って走るくらいの気持ちが欲しいところです。いずれにしても、健康のために走るなら毎日走るのだと覚えておきましょう。
▼ランニング回数についてもっと詳しく知りたい人は下記記事をご参照ください