雨ランで差をつけよう。濡れても快適に走るためのコツと注意点

天気予報が雨だった場合や、すでに雨が降っているとき、ランニングするか迷ってしまいますよね。でも、実は「雨の日でも走れる」ことが、継続力や実力アップにつながります。ただ、雨の中を走るにはちょっとした工夫や準備が必要です。

それでも雨の日に走れることは、周囲のランナーと差をつけるチャンスにもなります。この記事では、雨の日に安全かつ気持ちよく走るためのコツや服装選びのポイント、走り終わった後のケア方法まで、実践的な内容をわかりやすくご紹介していきます。

目次

雨の日に走る4つのメリット

「わざわざ雨の日に走らなくても…」と考えている方もいるかもしれませんが、雨ランには意外なメリットがたくさんあります。正しく準備すれば、雨の日こそ質の高いランニングができるチャンスにもなります。

具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

涼しくて走りやすい

春から秋にかけては、雨のおかげで気温が下がり、走りやすくなることがあります。蒸し暑い日の晴れランより、体への負担が少ないため、夏場でも高い負荷をかけてトレーニングできます。

ランナーが少なく集中できる

雨の日は走る人も散歩する人も少ないため、公園やランニングコースが空いています。人混みを気にせず、自分のペースで集中して走れるのは大きなメリットです。

精神的なタフさが身につく

雨という悪条件の中でも走る経験は、マラソン本番での天候不良への対応力やメンタルの強さにつながります。自信にもなり、他のランナーと差をつける一歩になります。

少なくともマラソン大会は雨でも開催されるわけで、普段から雨の中でも走っていれば、大会当日に雨が降っても憂鬱にならずに済みます。

雨音でリラックスできる

シトシトと降る雨の音には、心を落ち着けるリラクゼーション効果があります。イヤホンなしで自然の音を楽しみながら走れるのも、雨ランの魅力のひとつです。

雨の日ランニングの注意点

雨の日のランニングは、工夫次第で快適に楽しめますが、いくつかの注意点を知っておかないとケガや体調不良の原因になることもあります。事前にリスクを理解しておくことで、安全で気持ちよく走ることができるので、下記の注意点をしっかり頭に入れておきましょう。

  • 路面が滑りやすくなる
  • 体温が低下しやすくなる
  • 視界が悪くなりやすい
  • シューズやウェアの劣化が早まる

それぞれの注意点についてもう少し詳しく見ていきましょう。

路面が滑りやすくなる

雨で濡れたアスファルトやマンホール、横断歩道の白線は非常に滑りやすくなります。スリップによる転倒には十分注意が必要です。雨の日はソールが磨り減ってグリップ力が低下しているシューズは避け、下り坂やカーブではスピードを落として走りましょう。

体温が低下しやすくなる

濡れた状態で風に当たると、想像以上に体温が奪われます。走っているときは気づきにくくても、止まった瞬間に一気に冷えることもあるので、ウィンドブレーカーや速乾性ウェアの着用をおすすめします。また、ランニングを終えたらすぐにシャワーを浴びるなどして、体を温めてください。

視界が悪くなりやすい

雨や曇り空の影響で、周囲が暗く見えづらくなります。自分自身の視界だけでなく、車や自転車からの「見られにくさ」にも注意が必要です。白色や蛍光色などの明るめのウェアやリフレクター付きアイテムを身につけるように心がけてください。

また、雨の夜に走るなら公園など、車やバイクなどが通行しない場所を選んでください。

シューズやウェアの劣化が早まる

雨に濡れたまま放置すると、ランニングシューズやウェアにカビが生えたり、乾燥が不十分なまま次回使用してトラブルの元になることもあります。走り終わったら、シューズはすぐに乾かして、ウェアは放置せずにすぐに洗うようにしてください。

濡れても快適に走るための服装選び

雨の日のランニングを快適にするためには、「濡れにくく、冷えにくく、動きやすい」服装を選ぶ必要があります。通常のウェアではストレスを感じることになるので、雨専用のアイテムを取り入れるようにしてください。具体的にどのようなポイントを抑えておけばいいのか解説します。

撥水・防水機能付きのランニングウェアを選ぶ

最も大切なのは、軽量で通気性がありつつ、撥水性の高いウェアを着ることです。おすすめはGORE-TEXなどの防水透湿素材を使ったレインジャケットですが、完全防水ではなくても、多少の雨をはじいてくれる「撥水加工」でも十分効果があります。

吸水速乾性の高いインナーを使う

雨の日は肌に張りつく素材のTシャツではなく、吸汗速乾素材のインナーを選びましょう。汗や雨で濡れても体温を奪いにくく、快適な状態を保てます。

キャップやツバ付きの帽子で視界を確保

雨が顔に直接当たると視界が悪くなり、集中力も下がります。撥水性のあるキャップをかぶることで、雨粒を遮りながら前が見やすくなり、安全性も向上します。普段はメガネをかけて走っているなら、コンタクトレンズを使うのも有効です。

足元の冷えを防ぐソックス選び

雨の日に走ると靴下が濡れて、足にマメができてしまうことがあります。それを回避するために、itoixのソックスなど和紙で作られたソックスを選びましょう。和紙ソックスは水分を吸い取ってくれるので、足がサラサラの状態をキープでき、不快感なく走り続けることができます。

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シューズの選び方にも注意

雨の日は滑りやすい路面に対応するために、グリップ力の高いアウトソールを採用したシューズがおすすめです。雨の侵入を防ぎたいならGORE-TEXを使ったランニングシューズもおすすめです。ただし、GORE-TEXのランニングシューズは侵入してきた雨が溜まってしまうので、大雨の日には適していないのでご注意ください。

雨ランに役立つ便利グッズ

雨の日のランニングを快適に、そして安全に楽しむためには、服装だけでなく便利グッズも活用しましょう。ちょっとした装備の違いが、ストレスやトラブルを大きく減らしてくれます。

防水スマホケース・ポーチ

スマホを携帯するなら、防水機能のあるランニングポーチやアームバンド型の防水ケースを用意しましょう。最新のスマホは多少の雨で壊れることはありませんが、画面が濡れることで誤タッチすることがあります。

いざ、使いたいときになって画面が濡れていて使えないのでは困りますので、スマホが濡れないようにスマホケースやポーチに入れておきましょう。濡らしたくないだけならZIPロックでもOKです。

防水スプレー

ランニングウェアやシューズに撥水スプレーをかけておくと、水の侵入を大幅に防ぐことができます。事前に吹きかけておくだけで、雨をはじきやすくなり快適度がアップします。

タオル&着替え

ランニング場所まで車などで移動する場合には、雨に濡れたあとの冷え防止のために、吸水性の高いタオルと着替えを用意しておきましょう。走り終わったらすぐに着替えることで、体温低下や風邪の予防になります。

ジップロック・ビニール袋

自宅以外でランニングする場合には、濡れたアイテムを持ち帰るために、ジップロックや防水袋を持っていきましょう。濡れた靴下やタオルを入れるだけで、カバンの中を汚さずに済みます。

反射材付きアイテム(ライト・リフレクター)

雨天時は視界が悪く、車や自転車から見えにくくなります。事故防止のためにも、リフレクター付きのウェアやアームバンド、LEDライトを身に着けて、存在をしっかりアピールしましょう。

軽量折り畳み傘

あまり実践している人は少ないのですが、私は雨の日のランニングでは折り畳み傘をさして走っています。もちろん人がほとんどいない公園のランニングコースなどを走りますが、傘をさして走ることで、少なくとも上半身はほとんど濡れません。

また、傘を持つことで腕振りができなくなるので、体幹トレーニングにもなります。

安全に走るために知っておくべき雨の日の走り方のコツ

雨の日は普段と同じ感覚で走ると、滑ったり、体が冷えたりして思わぬトラブルにつながることも。ここでは、濡れても安全に・快適に走るための走り方のコツをご紹介します。

ペースは意識的に抑えめに

濡れた路面ではスリップのリスクがあるため、スピードを出しすぎると危険です。普段より少しゆっくりしたペースを意識して、安定した走りを心がけましょう。特に曲がり角やカーブは転倒だけでなく、対向車や通行人との接触リスクがあるため、できるだけスピードダウンしてください。

ストライドをやや狭めに調整する

雨で地面が滑りやすいにもかかわらず、大きなストライドで走るとバランスを崩して点灯しやすくなります。歩幅をやや小さめにして、安全重視の走り方に切り替えましょう。このとき接地時間が短くなるほど転倒リスクが下がりますが、それでフォームが崩れるのは避けたいところですので、可能であれば接地時間も意識してみましょう。

水たまりを無理に避けない

なるべく路面の状態を視界に入れて、水ハネするような深い水たまりを避けるルート取りを意識しましょう。どうしても避けられそうにない場合は、強引に方向転換するのではなく、足が濡れるのは覚悟しつつそのまま真っ直ぐ走り続けましょう。

路肩やマンホール、対向車に注意

白線、マンホール、タイルなどの素材は滑りやすいので、できるだけ避けて走るのが理想です。アスファルトの黒い部分を意識して走りましょう。また、車が通過する際に盛大に水ハネされることがあります。車とすれ違う場合には、水たまりのない場所を選び、立ち止まって車を通過させてください。

走っている最中も体温を意識する

雨に濡れ続けることで、走行中でも体温が徐々に下がってしまいます。体が冷えてきたら、まずは立ち止まらないようにして(信号待ちの間も折り返すなどして体を動かし続ける)、それでも体温低下を止められそうにない場合には、無理せず短めに切り上げる判断も大切です。

雨ラン後のケアとメンテナンス

雨の日のランニング後は、走り終えた後の体のケアと装備のメンテナンスがとても重要です。放置すると体調を崩すだけでなく、シューズやウェアの劣化にもつながるため、走った後はいつも以上のケアを心がけましょう。

濡れた衣類はすぐに着替える

濡れたままの状態が続くと体温が奪われてしまいます。走り終わったらすぐに乾いたタオルで体を拭き、着替えを済ませてください。雨の日はサンダルに履き替えたくなりますが、体が冷えている場合にはメリノウール製など保温性の高いソックスを履いて、体が冷えるのを防ぎましょう。

温かい飲み物やシャワーで体を温める

体が冷えたままでいると免疫力も低下します。自宅に戻ったらぬるめのシャワーや湯船で体を温めましょう。すぐにシャワーや湯船で体を温められない場合は、ホットドリンクで内側から温めるのも効果的です。

シューズはしっかり乾燥させる

濡れたままのシューズは、カビや臭いの原因になります。走り終わったらすぐにインソールを取り外し、新聞紙や乾燥材を詰めて風通しの良い場所で陰干ししましょう。ドライヤーの熱風は素材を傷めるため、緊急時以外は避けるようにしてください。

ウェア類も風通しの良い場所で乾かす

速乾性素材のウェアでも、濡れた状態が続くと劣化の原因になります(ウェアにカビが発生する原因にもなります)。手洗いでもいいのですぐに洗濯し、室内であれば除湿機や扇風機を活用して早めに乾かしましょう。

防水グッズの状態も確認する

レインジャケットやスマホケースなどの防水アイテムは、使用後に水滴を拭き取り、しっかり乾燥させてから収納してください。繰り返し使うことで劣化しやすいため、乾かしたあとに防水スプレー・撥水スプレーを吹き付けておくのもおすすめです。

よくある質問:Q&A

雨の日に走っても風邪をひきませんか?

絶対に風邪を引かないとは断言できませんが、しっかりと装備を整え、走った後に速やかに着替えて体を温めれば、風邪をひくリスクは大きく下がります。走っている最中よりも、走り終えたあとの冷え対策が重要だということを頭に入れておきましょう。

防水のランニングシューズは必要ですか?

必須ではありません。メッシュの少ないモデルや撥水加工がされたシューズを選ぶと、雨水の侵入を抑えられますが、完全防水シューズは通気性が低く蒸れやすいなどのデメリットもあります。基本的には普段履いているシューズでOKです。

どのくらいの雨なら走っても大丈夫?

視界を確保できる程度の雨なら問題ありません。ただし、強風や雷が伴う悪天候、台風接近時などは小雨でもランニングは避けてください。事前に雨雲レーダーなどで1時間後までの雨量をチェックし、安全に走れることを確認したうえで走り出しましょう。

雨の日にモチベーションが上がりません。どうしたらいい?

モチベーションが上がらないのに屋外を走る必要はありません。ジムのトレッドミルを走ってもいいですし、筋トレに切り替えてもOKです。雨の中を楽しく走れるかどうかは個人差が大きいので、苦手だという意識があり、克服したいわけでなければ無理に走らなくても構いません。

雨ランを避けるべき期間はありますか?

気温が10℃を切るような日の雨ランは避けましょう。風邪を引くリスクが高まるだけでなく、低体温症になるリスクもあります。気温ではなく、走り出すときに「寒い」と感じたら中止しても構いません。

まとめ|雨ランで差をつけよう

雨の日のランニングには、「滑りやすい」「濡れて不快」などのイメージがありますが、しっかりと対策すれば、快適かつ安全、そして充実感を持って走ることができます。反対に対策なしで走るのはリスクが高くおすすめできません。

雨の日のランニングを楽しみたいという方は、ここでご紹介した内容を参考にして、しっかり対策を行ったうえで走りましょう。雨の日も走るようになれば、天候に左右されることなく走行距離を伸ばすことができ、間違いなく走力が上がります。自己ベスト更新を狙うランナーは、ぜひ雨の日のランニングを試してみてください。

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