ランニング後のリカバリー方法はどうすればいい?早期の疲労回復とケガ予防のポイントまとめ

ランニングから戻ってきて、「そのままシャワーを浴びて休むだけ」となっていませんか?走ったあとの体には大きな負担が残っていて、何もケアをしないでトレーニングを積み重ねると、疲労が溜まって思わぬケガにつながることもあります。

そうならないためにも、日頃から「リカバリー(回復)」の意識を持つことが大切。リカバリーをきちんと行えば、疲労感を軽くするだけでなく、継続的に走力を伸ばすことにもつながります。この記事では、初心者でもすぐに実践できるランニング後のリカバリー方法を、わかりやすく解説していきます。

目次

ランニング後のリカバリーの基本となる考え方

まずはランニング後に行うリカバリーについて、基本となる考え方をご紹介します。具体的なリカバリー方法については後ほど詳しく解説していますので、まずはここでご紹介する5つの考え方をしっかり頭に入れておいてください。

ポイント1.水分補給を忘れない

走った直後は体の中の水分とミネラルが失われています。まずはスポーツドリンクなどで水分補給を行って、ランニングの状態に戻しましょう。ランニング前後で体重の変化を計測し、体重減少分の80〜90%くらいを水分補給によりすみやかに補ってください。

ポイント2.クールダウンを取り入れる

目標とする距離を走っても急に止まるのではなく、5〜10分ほどゆっくり歩いたり軽くストレッチをして心拍数を落ち着かせます。クールダウンをすることで血流がスムーズになり、筋肉にたまった疲労物質を早く流すことができます。

ポイント3.栄養補給を早めにする

走ったあとは筋肉がダメージを受けています。30分以内に炭水化物とタンパク質を摂取するように心がけてください。すぐに食事ができない場合、おにぎり+プロテインドリンクやバナナ+ヨーグルトなど、コンビニでも手に入るような食品を組み合わせて摂取するだけでもOKです。

ポイント4.睡眠で体を回復させる

リカバリーにとって一番大切なのは質の良い睡眠です。ランニング後は成長ホルモンが分泌されやすく、睡眠中に筋肉や疲労が回復します。特に長距離走や強度の高い練習をした日は、しっかり寝て体を休めることが走力アップにつながります。

ポイント5.翌朝に体調チェックを行う

走った翌日は筋肉の張りや疲労感を確認しましょう。強い疲れを感じたなら、無理して走るのではなく、リカバリージョグやウォーキングに切り替えることも大切です。体と対話する習慣をつけることで、ケガを未然に防ぎましょう。

一般的なリカバリー方法の疲労回復効果

リカバリーについての基本となる意識を頭に入れたところで、次に一般的なリカバリー方法について解説していきます。どれくらいの疲労回復効果があるのかチェックしていきましょう。

ストレッチ

ランニング後にストレッチをすること自体にはそれほど大きな効果はありません。ストレッチをするのも安静にしているのもリカバリー効果としてはほぼ変わらないという研究結果もあります。

ただし、ストレッチにはリラックス効果が期待でき、穏やかな気持ちで入眠できるようになるため、結果的にリカバリーを促すことになります。

マッサージやフォームローラー

マッサージやフォームローラーも疲労回復効果は薄いとされていますが、ストレッチと同じようにリラックス効果が期待できます。ただし、専門的な知識がない状態でセルフマッサージをすることで、余計に筋肉を損傷させることがあります。

アイスバスやアイシング

長時間走った後や強度の高い練習をした後は、アイスバスやアイシングで炎症を抑えるのが効果的とされていますが、残念ながら冷却による疲労回復効果はほとんどないことがわかっています。ただし、疲労感は軽減されるため、トレーニング後に仕事や作業がある場合などには有効です。

温冷交代浴

シャワーやお風呂で温冷交代浴をすると血流が活発になり、老廃物の排出を助けるとされていますが、こちらもやはり疲労回復効果はほとんどないことがわかっています。

リカバリーウェア(コンプレッションウェア)

着圧ソックスやタイツを着用することで、血流が促進されて脚のむくみや疲労感が軽減します。レース後や長距離練習後に取り入れることですみやかな疲労回復効果が期待できます。

最近では着圧がないタイプのリカバリーウェアも増えており、高いリラックス効果でリカバリーを促すことができます。

栄養補給

リカバリーのための基本は「炭水化物+タンパク質」ですが、鉄分やビタミンCを意識すると、酸素運搬能力の回復や貧血予防にもつながります。サプリメントや食事でバランスよく栄養成分を摂取することで、すみやかなリカバリーを期待できます。

リカバリーを遅らせてしまうNG行動

ストレッチやマッサージなどは疲労回復効果が薄く、疲労感は軽減されても疲労そのものは残ってしまいます。このため、リカバリーのためにランナーがやるべきことは限られているのですが、それについて説明する前に、もうひとつ重要なことを解説します。

それは、リカバリーを遅らせてしまうNG行動で、それらは「絶対に避けるべき」ポイントになります。どのような行動がNGになるのか詳しく見ていきましょう。

NG行動1.過度なアルコール摂取

走った後のビールは格別ですが、アルコールは回復を妨げ、利尿作用により脱水状態になってしまう可能性があります。走ったあとにラン仲間とお酒を飲むことはモチベーションアップにもつながるのでNGとはしませんが、過度なアルコール摂取になるのはNGです。

1人のときはノンアルコールビールなどを選び、ラン仲間と一緒の場合も飲み放題などは避けて、2〜3杯くらいで引き上げるようにしてください。

NG行動2.疲労が残った状態での無理な追い込み練習

疲労が残っているのに翌日も強度の高い練習を行うと、オーバートレーニングやケガのリスクが一気に高まります。疲労を感じたら無理な追い込み練習(ポイント練習・筋トレ)を避けて、ジョグなどの軽いトレーニングに切り替えるか、思い切って休養日にしてしまいましょう。

NG行動3.ランニング後の夜更かし

ランニング後のリカバリーで最も重要なのが「睡眠」です。睡眠が90%と言っても過言でないほど睡眠は重要で、睡眠の質だけでなく睡眠時間も必要になります。ランニングした日は夜更かし厳禁で、むしろいつもよりも1〜2時間ほど早く就寝しましょう。

ランナーの中には睡眠時間を削って走っている方もいるようですが、百害あって一利なしです。まずは十分な睡眠時間を確保し、そのうえでトレーニングを行うように心がけてください。

リカバリーを効率化する生活習慣

ランニングによる疲労を回復させるには、ストレッチやマッサージをするのではなく、生活習慣を見直すほうが重要になります。どのような生活習慣によりリカバリーを効率化できるのか、そのために何を導入すべきかを解説していきます。

睡眠を最優先にする

すでにお伝えしましたように、リカバリーで最も重要なのが「睡眠」です。どれだけリカバリーに効果的なアイテムを使ったところで、睡眠が不足していたら疲労は回復しませんし走力も上がりません。しっかりリカバリーしたいなら、毎日7〜9時間の質の高い睡眠を心がけましょう。

マッサージやストレッチでリラックスする

ストレッチや温冷交代浴、アイスバスなどに疲労回復効果がほとんどないとお伝えしましたが、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、入浴後にストレッチしたりすることで、副交感神経優位になってリラックスできる効果が期待できます。

マッサージオイルを使ったケアもリラックス効果がありますので、rounのスポーツオイルなどを活用するなどして、就寝前にリラックスするための時間を確保しましょう。

バランスの取れた食事を心がける

炭水化物・タンパク質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることが、翌日のコンディションを左右します。とくにランニング後に鉄分やビタミンC、オメガ3脂肪酸を摂取することで、疲労回復や炎症軽減の効果的を期待できます。走ったあとにはしっかりと栄養補給を心がけてください。

また、体の材料となるタンパク質を補うためのプロテインも有効です。あまりたくさん食べられないという方は、プロテインを導入してみましょう。

リカバリーウェアの活用

リカバリーウェアを導入することで血流促進によるリカバリー効果が期待できます。トレーニング直後にはコンプレッションウェア、就寝時には締め付けないタイプのリカバリーウェアを着用しましょう。

よくある疑問 Q&A

ランニング後はすぐにストレッチをした方がいいですか?

ストレッチは体が温まった状態で行う必要があるため、ランニング後に行いたいところです。ただし、そもそもストレッチによるリカバリー効果は薄く、期待できるのはリラックス効果ですので、お風呂上がりに行うのがおすすめです。

リカバリーのためにプロテインは必須ですか?

必須ではありませんが、効率よくタンパク質を摂取できるのでおすすめです。食事から十分な量を取れていない自覚がある人は、ランニング後もしくは食事に合わせてプロテインを摂取しましょう。

走った翌日に強い筋肉痛がある場合はどうすればいいですか?

無理に走る必要はありません。ウォーキングや軽いストレッチなどで血流を促す「疲労抜きジョグ(アクティブリカバリー)」が効果的です。痛みが強い場合は休養を優先しましょう。

疲労抜きジョグについては別記事がありますので、そちらをご参照ください。

ちなみに、強い筋肉痛になるのはオーバートレーニングになっている証拠ですので、負荷の見直しをしてください。

睡眠はリカバリーにどのくらい影響しますか?

最も重要なリカバリー要素です。成長ホルモンが分泌される深い眠り(ノンレム睡眠)で筋肉の修復が進むため、7〜8時間以上の質の高い睡眠を意識しましょう。

冷水浴やアイシングはした方がいいですか?

疲労回復効果を期待できないので基本的には不要です。ただし、それらによって疲労感が抜けているなら実施しても構いません。

まとめ:ランニング後のリカバリーを習慣化してケガを防ごう

ランニング後のリカバリーは、単なる疲労回復のためだけでなく、次のトレーニングや大会で最高のパフォーマンスを発揮するための準備でもあります。しっかり休むことはサボりではなく、走力アップの大切なプロセスだと考えてください。

ただし、効果的だと思い込んでいるリカバリー方法が、実はそれほど効果がないというケースも多々あります。本質的なリカバリーのために必要なのは「睡眠・食事・生活習慣」です。ここでご紹介した内容を参考に、リカバリーを習慣化して、ケガを回避しつつ高いパフォーマンスを発揮できるランナーを目指しましょう。

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