鉄(フェリチン)と亜鉛の量が多い人ほど速く走れる?体内の栄養状態を整えよう

スキンケアやサプリでおなじみのファンケルは、最適な栄養素をサプリメントとしてお届けするサービスとして「パーソナルワン」を提供していますが、そのサービスを活用して、慶應義塾体育会競走部長距離ブロック選手の栄養状態と競技パフォーマンスの関連性を調査しました。

その結果わかったのは、10000メートル走の記録が速い選手ほど、尿中の鉄(フェリチン)と亜鉛の量が他の選手に比べて多い傾向にあるということ。そこでここでは、鉄や亜鉛がランナーにとってどのような影響を与えるのか、なぜ競技力に影響するのかについてわかりやすく解説していきます。

目次

速い選手ほど尿中の鉄(フェリチン)と亜鉛の量が多い

ファンケルが行ったのは慶應義塾体育会競走部長距離ブロック選手28人に対し、食習慣・生活習慣に関するWebアンケートと、尿検査による微量栄養素(ビタミンB1、ビタミンB2、鉄(フェリチン)、亜鉛、マグネシウム)の測定です。

Webアンケートと尿検査の双方の分析結果から推定した各栄養素の充足状態を、定期的に選手へフィードバックし、不足している栄養素をサプリメントとして提供する栄養のサポートを行った結果、尿中栄養素に上のグラフのような変化が見られました。

栄養サポートを実施した後に、尿中のビタミンB1、ビタミンB2、鉄(フェリチン)、亜鉛量が、有意に増加していることが分かります。これは選手にとって不足している栄養素をサプリメントとして補うことで、体内の栄養バランスが改善することを意味します。

さらに、ファンケルは10000メートル走の自己ベスト記録上位11人において、記録と尿中栄養素の関連性を調査しました。その結果、10000メートル走記録が速い選手では尿中の鉄(フェリチン)と亜鉛の量が多い傾向にあることがわかりました。

特に尿中の鉄(フェリチン)の量は、10000メートル走記録と有意に相関することが上のグラフから読み取れます。この調査により、体内の栄養状態が競技パフォーマンスと関連すると考えられ、不足している栄養素を適切に補うことが重要であることがわかります。

ちなみに栄養状態を血液ではなく尿で分析しているのは、採血は侵襲性が高く、体の負担が大きいためです。このためファンケルのパーソナルワンでは、非侵襲的で手軽に検査できる尿検査を活用した栄養サポートを実施しています。

ファンケル パーソナルワン
https://www.fancl.co.jp/healthy/personalone/index.html

ランナーに鉄と亜鉛が必要な理由

ファンケルの調査により、鉄と亜鉛がランナーにとって重要な栄養素であることが分かってもらえたかと思いますが、そうなるとそれぞれの栄養素がランニングにどのような影響を与えているのか、なぜ走力に関係するのか気になりますよね。

そこでここでは、鉄や亜鉛がランナーにどのような影響を与えるのかについて解説していきます。

鉄がランナーにとって重要な理由

女性のランナーさんは貧血になると走力が低下するというのを、実感している人も多いのではないでしょうか。いつもと同じように走っているのに、簡単に息が上がってしまって、ランニングを途中で切り上げたことのある人もいますよね。

貧血というのは血液中のヘモグロビン濃度が下がった状態にあるのですが、ヘモグロビンというのは酸素を細胞に届ける役割があり、ヘモグロビンが不足すると体に酸素を届けられなくなって、簡単に息が上がるというわけです。

そして、そのヘモグロビンの材料となるのが「鉄」なわけです。体内の鉄が不足しているとヘモグロビンが少なくなり、酸素不足になるからペースを上げられなくなります。そのヘモグロビンは赤血球の構成要素のひとつでもあるのですが、ランナーは何度も足裏を地面に叩きつけるため、走れば走るほど赤血球が壊れて「貧血」になります。

さらに汗にも鉄が含まれており、走れば走るほど体内の鉄が足りなくなります。このためトレーニングをがんばりすぎる人ほど鉄不足になりやすく、食事などから積極的に鉄分を摂取する必要があります。逆に体内に十分な量の鉄があれば、より多くの酸素を細胞に送れることになり、より速いペースで走れるというわけです。

亜鉛がランナーにとって重要な理由

亜鉛はタンパク質合成に必要な栄養素ですが、こちらも鉄と同様にランニングによって失われてしまう栄養素であることがわかっています。さらに赤血球を正しく作ったり、機能を維持維持する機能を備えており、血液中の亜鉛が不足すると貧血になってしまいます。

貧血には鉄が重要だということは理解していても、亜鉛も重要であることを把握していない人も多く「鉄分を摂っているのに貧血が改善されない」ということが起きてしまいがちです。このためランナーは鉄だけでなく、亜鉛も積極的に摂取しなくてはいけません。

実際にトップアスリートでも、鉄剤の投与だけで改善されなかった貧血が、亜鉛を追加投与したことで改善されたという例もあります。以前よりも息が上がりやすいと感じている場合には、お医者さんに相談して、亜鉛が不足していないか調べてもらいましょう。

鉄と亜鉛を摂取するための食事

鉄と亜鉛がランナーにとっていかに重要であるか理解してもらえたかと思いますが、まずはこれらの不足しがちな栄養素は食事で摂ることを意識しましょう。鉄と亜鉛それぞれが多く含まれている食材をリストアップしますので、チェックしてください。

食材亜鉛
豚レバー(生)13.0mg6.9mg
鶏レバー(生)9.0mg3.3mg
赤貝(生)5.0mg1.5mg
牛レバー(生)4.0mg3.8mg
牛肉(生・もも赤身)2.8mg4.4mg
牡蠣1.9mg13.2mg
カシューナッツ4.8mg5.4mg
納豆3.3mg1.9mg
1.8mg1.3mg
玄米ごはん0.6mg0.8mg

※100gあたりの鉄と亜鉛の含有量

鉄も亜鉛もまとめて摂取したいなら、豚レバーや牡蠣を選びましょう。ただ、毎日の食事と考えると飽きてしまうかもしれませんので、自炊派の人なら「玄米ごはん+納豆+卵」という組み合わせがおすすめです。食事で大事なのは継続できるということなので、無理なく続けられる食材を選びましょう。

食事で摂れない栄養素はサプリメントで補おう

まずは食事で積極的に鉄分や亜鉛を摂ることが重要で、国の推奨摂取量は下記のようになっています。

●鉄の推奨摂取量
 男性(18〜49歳):7.5mg
 女性(18〜49歳):10.5mg

●亜鉛の推奨摂取量
 男性(18〜49歳):11mg
 女性(18〜49歳):8mg

気をつけなくてはいけないのが、この数値は一般人の値であり、ランニングを頻繁に行っている場合には、これよりも多い量の鉄分や亜鉛が必要になります。ただし、それだけの量を食事で摂取するのは困難で、しかもすでに鉄欠乏症や亜鉛欠乏症になっている場合には、さらに多くの鉄や亜鉛が必要になります。

そうなると食事だけで摂取するのは難しくなりますよね。そういうときにサプリメントを活用します。サプリメントはドラッグストアて入手できますし、Amazonや楽天市場でも購入できるので、食事で摂るのが難しい人はサプリメントも使ってみましょう。

ただし、サプリメントもどれくらい摂取すればいいのかわからないという人もいるかと思います。その場合にはファンケルの「パーソナルワン」を利用してアドバイスしてもらうか、もしくは主治医に相談して適切な摂取量を教えてもらいましょう。

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