夏の練習をすると疲労が溜まりやすく感じませんか?しっかり水分補給をしているつもりでも、体内のミネラルが不足して筋肉が正常に動作していないということがあります。夏の練習でどれくらい塩分が失われているのでしょう?
ここでは、夏の塩分補給の大切さと、効果的な補給方法について紹介します。
「塩分を摂取しすぎ」はランナーには当てはまらない
よく日本人は塩分を摂取しすぎと言われます。厚生労働省が提示している18歳以上の男女が摂取するナトリウム(食塩相当量)の目標値は次のようになります。
男性:1日8.0g未満
女性:1日7.0g未満
WHOの基準は5g未満ですので、日本の基準は世界的に見ても高めです。日本人は味噌や醤油などの文化がありますので、それを考慮するとそれなりに順当な値かもしれませんが、これが当てはまるのはあくまでも一般の人だけです。
ランナーは汗をかきます。汗をかくと体内の塩分が失われます。塩分が失われると細胞間の電気信号がきちんと伝わらなくなり疲労を感じてしまいます。思うように体が動かない。これは体の塩分が不足しているから発生します。
ランナーは通常摂取分だけでなく、さらに失われた塩分を補わないと、体を正常な状態に保つことができません。これが夏場の練習で水分補給が重要だと言われる理由のひとつです。
1回の練習でどれくらいの塩分が失われているのか
それでは1回の練習で、どれくらいの塩分が失われているのでしょう。練習の強度によって人によってその値は違いますが、簡単に計測できる方法があります。練習前後でどれくらいの体重が減ったかをチェックしてください。
体脂肪の燃焼による体重減もありますが、それは本当に微々たるものですのでここでは無視して考えてください。仮に練習前後で1kgの体重減があったとします。このときの発汗量は1kgと考えましょう。
一般的に汗に含まれる塩分濃度は0.4%と言われています。
1kg × 0.004 = 4g
このときに失われた塩分は4gです。体を元に戻すには4gの塩分を補給しなくてはいけません。小さじ1杯で6gの塩分ですので、こさじ2/3もの食塩を補給しないと、体は塩分不足を起こします。
体重が2kgも減っている場合は、8gの塩分補給です。こうなってくるとちょっと「塩を舐めておけばいい」という次元ではなくなります。
いずれにしても失われた塩分をきちんと補給しないと、体からどんどんミネラルが減っていき、ベストコンディションで練習ができなくなってしまいます。それではどうやって補給すべきなのかについて次に説明します。
ランナーの適切な塩分補給方法
ランナーが適切な塩分補給をする方法は3つあります。
・ランニング中に塩分補給をする
・練習前後に塩分補給をする
・食事で塩分補給をする
理想は走りながら、経口補水液やポカリスエットのような体液と同じ濃度の水分を補給することです。かいた汗の分だけ補給しながら走りましょう。熱中症対策にもこれが最適です。
ただし、1度にたくさん飲むのではなく、1kmごとにひと口飲むというような方法がおすすめです。失われた分を常に補給し続ければ、体は疲労感を感じることなく、いつまでも走り続けられます。
ちょっと長い時間走るような場合は、ORSのタブレットを持っておくと、コンビニなどで購入した水を簡単に経口補水液にすることができます。Amazonで購入できますので、熱中症対策にも1つ持っておきましょう。
ただし、1時間くらいの練習にペットボトルや水筒を持つのは面倒ですよね。その場合は、練習前後に塩を舐めておくようにしましょう。普通の食塩で構いません。手軽に補給したい場合は岩塩タブレットがおすすめです。
ラムネのようになっている塩タブレットは、塩分の含有量がかなり少なく、気休め程度にしかなりませんので、できるだけ塩の状態で摂取しましょう。
そして、食事でもできるだけ塩分補給を意識するようにしてください。お味噌汁1杯で2g程度の塩分を補給できます。一般人ですと毎食味噌汁を飲んでいると塩分オーバーですが、ランナーなら問題ありません。むしろ積極的に飲んでください。
わざわざ作るのが面倒だという人は、レトルトの味噌汁でもかまいません。夏にしっかりと走り込みたいのであれば、常に体内の塩分量を意識して、万全のコンディションを保つようにしましょう。
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