日本のランナーさんは記録にこだわるあまりにできるだけフラットなコースを好む傾向にあります。ちょっと変わった一部のランナーさん以外はコースがフラットであることが大会選びの基準になっています。
でもちょっと待って下さい。マラソンの楽しみってそんなに浅いんでしょうか。テクニカルなアップダウンのあるコースを力でねじ伏せたい。そんなこと考えたことありませんか?力でねじ伏せなくてもなんとかして攻略したくなるマラソン大会が香港にあります。
香港マラソンはとにかくテクニカル
香港マラソンのコースのほとんどがハイウェイを走ることになると聞いて正直がっかりしていました。沿道の声援もありませんし、とにかく退屈なコース設定なんだろうなと感じたわけです。本当に申し訳ないです。全然退屈ではありませんでした。
今年の香港マラソンは雨だったのもあり素晴らしい景色がほとんど見れないどころか、目を開けているのも辛いぐらいの強い雨になった瞬間もあります。それでもこれほどまでに景色の素晴らしいハイウェイコースが世界にあるのだろうかと思うほど景色が変わっていきます。
その最大の理由は常にアップ・ダウンしているコース設定にあります。島と島をつなぐための橋であったりトンネル、そしてそもそも平地の少ない香港なのでハイウェイもその地形に合わせて上下動するのです。多くのランナーが走り切るだけの足を残せないで終盤に入ります。
何もないけど難コースがある
香港マラソンは受付会場にEXPOがあるどころか講演にポツンと受付テントが立っているだけ。ゴールした後に何かを食べるようなブースもありません。大都市マラソンとは思えないほど何にもない大会です。
エイドも基本的には水とスポーツドリンク、そしてスポンジ。何箇所かにバナナとチョコレート、プチトマトがあるだけです。でもリピーターが多い大会なのには理由があります。まずはその無駄を省いてたことで「わかりやすい」動線です。
受付もそこに行けばいい。スタートも駅を降りれば荷物預けもスタート位置もすぐわかるシンプルさ。こういうことの積み重ねがランナーを走ることだけに集中させてくれるのです。そうなるとランナーは無駄なエネルギーを使わずに走ることができます。
そしてこの難コースです。一度走って打ちのめされると「絶対に次はうまく走ってみせる」と思うようなコースがそこにあります。そしてうまく走れたランナーさんも「次はもっとうまく走ってみせる」そんな気持ちにさせてくれる大会はそれほど多くはありません。
香港マラソンに挑戦すべき
日本のフラットなコースで満足して「フルマラソンなんて簡単」と思っている人は一度香港マラソンを走ってみてください。今まで走っていたコースではいかに過保護にされていたかがわかるはずです。そしてそんなフラットなコースを走っている自分が嫌になるでしょう。
香港マラソンをきちんと走りきれるだけの走力がほしい。もっと練習して1年後また戻ってこよう。フルマラソンが簡単だなんて言うのは香港マラソンを走り切ることができるようになって初めて口にしていい言葉です。
日本から香港はフライトを選べば2万円以下の航空券がたくさんあります。そして男性ランナーで大部屋を気にしなければ1泊2000円以下で宿泊できます。2泊3日なら食事も合わせて3万円の旅費で観光もできてマラソンにも挑戦できます。
あたり前に完走できるマラソンに飽きた人はぜひ、来年の香港マラソンにエントリーしてみましょう。気軽に挑戦できる海外マラソンでありながら、これほどまでに挑戦心を煽られる大会はそうそうありません。
雨がふらなければ気温との戦いにもなるでしょう。ぜひ香港マラソンに自分の実力をぶつけてみてください。これまでに見たことのない自分と向き合うことになるはずです。
香港マラソン公式サイト:http://www.hkmarathon.com
香港マラソン日本事務局:http://www.hkmarathon.jp