日本一早いマラソンレポート「万里の長城マラソン2024秋」

いま中国に行くには観光ビザが必要というのもあって、万里の長城マラソン2024秋の日本人参加者は事務局の私を含め5人。人数としては寂しいのですが、秋大会はそもそも小規模開催で、参加者全体が交流しやすいというタイプの大会なので、4人もビザを取ってまで参加してくれただけで満足しています。

スタート前から強い風が吹いていて、どうなることかと思いましたが、これまでにないくらいスムーズに進み(運営ミスはありましたが)、いま安堵しながら北京市街地に向けてバスで移動しています。そして何よりも参加者に喜んでもらえたことが何よりも嬉しい限りです。

目次

変化する北京を体感してもらう

今回の日本からの参加者はみんなビザを取得しており、人によっては仕事を2日も休んだ上でエントリーしてくれました。しかも早めに北京入りして。最新の北京を満喫していたようで、それだけで万里の長城マラソン日本事務局の役割の半分は終えたようなものです。

万里の長城マラソン日本事務局の役割は、日本人が参加しやすくなるためのフォローだと考えていますが、目指しているのは「北京って面白い」「中国って楽しいかも」と思ってもらうことなのですが、今の北京は外国人観光客にとっては何かと不便で、つい先月まで地下鉄の切符を買うのも大変でした。

ところが地下鉄はクレジットカードのタッチ決済に対応したり、Suicaのような交通系カードを新規サービスとして始めるなど、この数ヶ月で外国人が旅行しやすくなっています。もちろんWeChat PayやAlipayも外国人でも使えるようになり、基本的には現金を持たずに観光できるようになっています。

万里の長城マラソン日本事務局としては、空に加えてタクシーの使い方や、自転車の借り方などもレクチャーしており、参加者が北京滞在中のサポートもしています。それもこれも、最新の北京をさまざまな角度から楽しんでもらうためです。

北京に来て万里の長城マラソンを走ることだけで帰るのではなく、有名な観光名所を回るだけでなく、北京のいまを体感してもらうために万里の長城マラソン日本事務局かあります。そういう意味では、それぞれが北京を楽しめたところで、すでに大成功とも言えます。

ちなみに、前日受付の後に懇親会をしましたが日本人参加者は全員参加で、大会事務局のボランティアスタッフさんたちも合流して北京ダックのお店へ。北京ダックよりも日本で見たことのない中華料理を「美味しい」と喜んでくれて、事務局をやっててよかったなとそこでもう大満足でした。

冷たい風が吹き荒れるスタート地点

北京にはいくつもの万里の長城がありますが、今年の会場も北京の人すら存在を知らない永恒長城です。北京市街地から1時間半のところにあるのですが、フルマラソンの制限時間が10時間ということもあり、早めに現地入りしなくてはいけないので、バスの出発は5:30。

毎年この時間だけは、ちゃんと日本人が揃っているか不安になるのですが、今年も問題なく集合していました。むしろ集合場所のホテルに泊まっていた私は余裕を持ちすぎで、ロビーに降りた頃にはみんなすでにバスに乗り込んでいました。これは個人的な反省点。

今年は渋滞もなく、スムーズに会場まで着いたので、万里の長城マラソンとしては珍しく、定刻スタートとなりました。ただ、会場は半袖では耐えられないくらいの冷たい風が吹いていて、スタートを待っているだけで体力を削られます。ただ、この風が過去最高の景色を作り出しました。

それについては後ほどレポートしますが、少なくとも私が参加し始めてから初めて定刻通りにスタートした万里の長城マラソン。このまますべてが上手くいくと思ったのですが、そう簡単にはいきませんでした。前日にコースを聞いたときに「絶対ミスになる」と懸念したことが的中してしまいました。

コースガイド不足でミスが発生

今回使った万里の長城マラソンのコースはスタートして約2.5kmほどロードを走り、そこから万里の長城に向けてトレイルを1km上ります。そこから万里の長城を走るのですが、これまではトレイルから梯子を使って万里の長城に登り、そこから右手に進んでいました。

フルマラソンは万里の長城を2回走るのですが、同じコースを2回だともったいないということで、今回は1周目だけ梯子を上がって左に進んで折り返してくるコースになっていました。受付時に説明はしていますが、初見では分かりづらく、しかもハーフマラソンの選手と一緒に走っているので、先頭の5人が間違って右側に。

2周目を左側に行って折り返してもらい帳尻合わせしましたが、コース変更の段階で指摘しておくべきでした。そもそもコースがわかりにくいというのもあったのですが、それがさらに複雑になったので、当然起こりうるトラブルだったのにフォローしきれず。ここも大きな反省点のひとつです。

ただ、大きなミスはそれくらいで、あとはミスではないのですが、トレイルの下りで野生化した豚の群れに2回遭遇してしまい、危険を感じて進めなくなったくらいでしょうか。これは運営側ではどうしようもないことですが、他の人が被害に遭わなかったことだけが救いでした。

万里の長城マラソンは走力に関係なく誰でも参加できる大会

北京というと、空気が悪いという印象があるかもしれません。確かにPM2.5やPM10の数値は今でも良くありません。大会前日に至っては曇り空と霧と空気の汚れによって、かなりどんよりしていました。でも、それもこれも強い風が吹けば飛んでいってしまいます。

どこに飛んでいくかは、考えない方が幸せかと思いますので気にしないでください。とにかく待望の強い風が朝から吹いていて、スタート時には曇り空だったのに、どんどん青空が広がっていきます。そして空気の汚れも飛ばされて、驚くほど空気の透明度がアップしました。

いつもならモヤかかかって見えないような場所まではっきりと見ることができ、遠くの山々や、そこまで続く万里の長城の姿をはっきりと見ることができます。これまで何度となくいろいろな万里の長城を見てきましたが、その中でも飛び抜けて美しい永恒長城がさらにクリアになって視界に飛び込んできます。

今回、初めて万里の長城を訪れたという参加者の1人は、その美しさ感動し、走らずに歩いてゆっくり見てまわったそうです。制限時間はどの種目でも10時間ですので、楽しみかたはそれぞれでいいんです。自分の限界に手をかけるために全力を尽くしても、風景を楽しむために長城でお菓子やお茶を楽しんでも。

万里の長城なんてハードすぎて自分には無理と思うかもしれませんが、種目を選べば子どもでも走れるのが万里の長城マラソンです。大事なのは自分のスタイルでレースを楽しみ、そして最新の北京に触れること。万里の長城マラソン日本事務局では全力でそのサポートをしています。

次回は2025年5月1日に開催されるので、気になるという人はホームページやSNSをチェックしておいてください。

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