スタンプラリーアプリ「日本三霊山巡り」を使って旅ランをしてきた

フルマラソン前に30kmを走っておきたいけど、公園などをグルグル回るのは苦手。そんな人におすすめなのがスタンプラリーを使った距離走です。スタンプラリーなら目的地を決めやすく、コースも比較的簡単に決められます。ただ、普通のスタンプラリーでは30kmもあることは稀で、距離層に向いていません。

ではどうすればいいか?その答えのひとつが「バイクのスタンプラリーを活用する」ということ。現在開催中の「日本三霊山巡り」はバイクで富士山、立山、白山周辺をツーリングするためのスタンプラリーなのですが、ポイントごとの距離が程よく離れており、30kmの距離走をするのにピッタリです。

今回は実際に「日本三霊山巡り」アプリを使って、御殿場スタートで約30kmを走ってみましたので、その内容についてレポートしていきます。

日本三霊山巡りアプリ:Android / iOS

目次

日本三霊山巡りについて

日本には古来から山岳信仰があり、気高く美しい山をときには崇め、ときには畏怖の対象としてきました。そんな山の中でも富士山、立山、白山は「日本三霊山」と呼ばれており、周辺の地域にさまざまな風景を作り出しています。

日本三霊山巡りは、そんな三霊山にまつわるスポットを巡る、デジタススタンプラリーです。

ただし、バイクのツーリングイベント「日本三霊山チェックインラリー」のために開発されたアプリで、一般的なスタンプラリーと比べると、対象となるフィールドは広大。それゆえにロング走に活用しやすいということで、今回静岡の御殿場にやってきたというわけです。

日本三霊山チェックインラリーは静岡県、富山県、石川県の3県が合同で開催しているイベントで、開催期間は7月1日から11月30日まで。富士山、立山、白山それぞれに100のスポットがあり、獲得したポイントによって豪華賞品が当たる抽選に申し込みできます。

日本三霊山チェックインラリー
https://www.pref.toyama.jp/140111/20240624sanreizan.html

タイムリミットは4時間

今回は自宅から1時間ちょっとで行ける御殿場を選んだのですが、その理由は午後から別の取材があって走れる時間が限られていたためです。本当は富山に行きたかったのですが、スケジュールが合わず……。

それでも御殿場駅に降り立ったのが午前7時。11時過ぎの電車に乗らないと、取材先に到着するのが1時間遅れるという、御殿場線あるあるのせいで、時間は厳守。何があっても11時過ぎに戻ってくる必要がありました。

そうなると、適当に走っていたのでは間に合わないということで、軽く下調べをしてルートを決めました。

すでにお伝えしましたように、チェックポイント間が広いので、おすすめは始発出発、日没終了がおすすめです。そうしないと私のようにドタバタすることになるので。

それはともかくスタートです。天候は曇りで、何度か小雨がぱらつきかけましたが、富士山は完全には隠れておらず、絶好のラン日和です。写真映え的には青空が広がってほしかったのですが、なんせ時間がないので、今回はこれでOKです。

細かい下調べは必須

御殿場駅から最初に向かったのは駒門風穴。チェックポイントはアプリで確認でき、どのようなスポットなのかは「地点一覧」に記載されています。駒門風穴は富士山の溶岩洞窟のひとつとのこと。

走り出して少しして、道が下り始めているのに気づきます。ここでようやく気づきました。「今日は高低差がすごいことになる」と。

御殿場は富士山と箱根に挟まれたエリアで、線路沿いを少し離れると、起伏の多い地形になります。そういうことを自分の足で確認できるのが旅ランの魅力ですが、「下ったら上る」が旅ラン。このあと待ち構えている上りに少し憂鬱な気分に。

なんせ10日前にフルマラソンを走ったばかり。ようやくジョグを再開したばかりというコンディション。

そんな憂鬱な気分に追い打ちをかけたのが、駒門風穴が営業開始前だったということ。到着したのが8時で、営業開始は9時。幸いスタンプラリーは反応してくれたのでチェックインはできましたが、風穴を見ることはできず。

やっぱり下調べはきちんとしないといけませんね。これから日本三霊山巡りをするという人は、走るにしてもツーリングするにしても、施設の営業日と時間を確認しておきましょう。特に月曜日や午前中の早い時間、夕方などは営業していない可能性があるので気をつけましょう。

見たこともない風景の中を走れる

距離走をするときに、公園などをグルグル回るという人が多いようですが、シリアスランナーでないと、同じ景色の繰り返しに飽きてしまうことがよくあります。

私も24時間マラソンに出ていたこともあり、同じ場所を繰り返し走ることは苦手ではありません。ただ、スタンプラリーを使って、知らない道を走る爽快さのほうが、何百倍も楽しいことも知っています。

しかも三霊山はそれぞれ、個性的な地形を作り出しています。キロ6分くらいのペースであれば、小さな風景を見落とすこともありませんし、御殿場エリアは顔を上げれば常に富士山がそこにあります。

駒門風穴から次に目指したのは「須山浅間神社」。もちろん上り坂で200m以上の高低差があります。ただ、須山浅間神社は、以前から行きたかった場所のひとつ。

途中でコスモス畑に立ち寄って、富士山の方角へ向かってひたすら駆け上がります。

それなりに長くなってきたランニング人生において、富士山に向かって走るというのはなかなかない経験。それも御殿場からじっくりと眺めることはあまりないので、同じ富士山でもまったく違った表情を見ることができます。

4ヶ所目に向かうかどうかのせめぎ合い

須山浅間神社は想像していたよりも、はるかに素敵な場所でした。山の中にあんな神社があるのは本当に不思議です。樹齢500年を超える杉の木に囲まれていて、現実世界とは思えない美しさと厳かさの共演。

ただ、ゆっくりしていたら、持ち時間があまりないことが発覚。残り1時間半で御殿場駅まで戻らなくてはいけません。でも、流石に2ヶ所しか巡らないのはあり得ないので、御殿場駅に近づけるスポットということで、富士山樹空の森に狙いを定めます。

6kmちょっとの距離ですが、ここからはやや下り気味ということでペースアップ。途中でコンビニに寄りましたが、地域によっては名物を買い食いしたりするのも楽しいかもしれません。

今回はもちろんそんな時間もなく、コンビニで手軽に補給してリスタート。日本の素晴らしいところは、大抵どこにでもコンビニがあるということ。旅ランをしてて、食べ物に困ったことはこれまでに1度もありません。

走りながら左手に富士山、右手に箱根が視界に飛び込んでくるのですが、上部が雲で覆われた箱根を見ていると、きっとあれは富士山のような火山だったんだろうなとか想像したり。これまで何度も見ているはずなのに、違った気付きがあるのも旅ランの魅力です。

そんなことを考えながら3ヶ所目の富士山樹空の森に到着したのですが、ここで残された時間がかなり少なく、淡々と走れても乗りたい電車にギリギリ間に合うくらい。でも4ヶ所目はかなり近いところにあり、その気になれば行けないこともありません。

私の中で葛藤が起こるのですが、「旅はやり残しがあるほうがいい」というのが、これまでのマラソン遠征で学んだ哲学。その考えに従って、4ヶ所目を断念し御殿場駅に戻ってきました。出発まで15分くらいの余裕がありましたので、もう1ヶ所にスムーズに行けていれば間に合った計算になりますが、それは結果論。

「日本三霊山巡り」はいいトレーニングになる

実際に走った距離は4時間で約30kmでした。写真を撮ったり、休憩したりしたことを思えば上出来で、いいトレーニングになりました。3ヶ所しか行けてないのが残念ですが、場所を選べばもっと巡れたはずですし、初めての風景にも触れられたので大満足です。

フルマラソンの前に30kmを走るという人も多いかと思いますが、30kmを淡々と走るのは簡単ではありません。だからこそこまめに目標地点を設定できる「日本三霊山巡り」のスタンプラリーはかなり有効だと感じました。たくさん巡ればプレゼントをもらえるかもしれませんし。

個人的には白山や立山のほうも巡ってみたいところ。どちらも新幹線で簡単に行けますし、体力に自信があるなら、夜行バスを使って0泊3日の弾丸旅ランもできてしまいます。

今回は4時間制限でしたが、時間が許す限り、体力の限界まで走るというのも面白いかもしれません。せっかく長い距離を走るなら、ぜひ「日本三霊山巡り」を使ってみてください。もちろん、バイクや自転車で巡るのもOK。まずはアプリをダウンロードしてみましょう。

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