「走れない!でも太りたくない!」は無理難題?

全国で外出自粛要請が出て、ランニングを控えている人もいると思います。ランニングそのものはまだ禁止というレベルではありませんが、少しでも被害拡大を抑えるという意味では「落ち着くまで走らない」と決めた人は素敵だなと思います。走るのはまたいつでもできますしね。

それはいいのですが、2〜3日走らないでいると体重計に乗るのがこわいという人もいますよね。私も見事に1kg増えてました。これが1ヶ月近く続いたら……ランニングをしているときと同じ感覚で食べればそりゃ太りますが、これって何とかならない?と思いますよね。

そこで、今回は走れなくても体重を維持するにはどうすればいいか考えていきましょう。

目次

ランニングでどれくらいのカロリーを消費しているか

体重は基本的にカロリー収支で増減が決まります。世の中に様々なダイエット方法がありますが、このカロリー収支の原則は変わりません。

摂取カロリー > 消費カロリー:太る
摂取カロリー = 消費カロリー:現状維持
摂取カロリー < 消費カロリー:痩せる

とてもシンプルですね。ランニングをしなくなったときは消費カロリーが減少します。これがどれくらいのカロリーなのか見ていきましょう。少し面倒ですが、カロリー計算式は次のようになります。

消費カロリー(kcal)= METS × 体重 × 運動時間 × 1.05

METSというのは運動強度です。国立健康・栄養研究所の栄養・代謝研究部のホームページで調べることができますが、見に行くのも面倒でしょうから、ここにまとめておきます。

METSランニング速度ペース換算
88.0km/h7分30秒/km
98.4km/h7分6秒/km
109.7km/h6分11秒/km
1110.8km/h5分33秒/km
11.511.3km/h5分18秒/km
12.512.1km/h4分57秒/km
13.512.9km/h4分39秒/km
1413.8km/h4分20秒/km
1514.5km/h4分8秒/km
1616.1km/h3分44秒/km
1817.5km/h3分25秒/km

例えば体重60kgの人が5分33秒/kmペースで1時間走ったとしましょう。このときのMETSは11ですので計算は次のようになります。

11×60(kg)×1(h)×1.05 = 693kcal

思ったよりも多いでしょうか?それとも少ない?いずれにしても、走らないことでこれだけの消費カロリーがなくなります。速度や体重によって違いはあるとは思いますが、毎日1時間走ってた人の場合は500〜700kcalくらい消費カロリーが下がります。

摂取カロリーを減らすコツ

500〜700kcalと言われてもピンとこないかもしれません。そこで「これを食べたら何キロカロリー」というのが分かるように例を出しておきましょう。

種類カロリー
ごはん(1膳140g)235kcal
あんぱん280kcal
ポテトチップス554kcal
ポッキー180kcal
フルーツタルト360kcal
シュークリーム250kcal
マックフライポテト(M)410kcal

現在の食生活とランニングで体重の増減がない場合には、お茶碗2膳分の食事を減らさないと体重の維持ができないことがわかります。これって、かなりきついですよね。基本的には間食が一切できないレベルです。

「走らないから摂取カロリーを減らそう」この考え方は決して間違っていませんが、1〜2日は耐えられても、それを1ヶ月も続けられる人なんてそうはいません。とはいえ無理と諦めるのはまだ早い。単純に摂取カロリーを減らせばいいのですから、食生活を切り替えればなんとかなります。

  • 野菜中心の和食に切り替える
  • ジャンクフードをやめる
  • スナック菓子をやめる
  • ジュースをやめる

これだけでも、摂取カロリーをかなり減らすことができます。マクドナルドなどのジャンクフードが好きな人もいるかと思いますが、それをやめて野菜中心の食事に切り替えるだけでも数百kcalをカットできます。

ちなみに糖質制限というような、特定の栄養素を制限するダイエット方法はおすすめしません。制限が長く続くとストレスになり、免疫力が下がってしまいますので。丁寧に作られた食事を腹八分目にしておけば、太るのを防ぐことは十分に可能です。

室内でできる運動を継続して消費カロリーを増やそう

摂取カロリーを減らすにしても、ランニング分の消費カロリーを補うのは並大抵のことではありません。これまで食べていた量を減らすにしても、頭がそれに慣れるのには時間がかかります。そうなるとやはり消費カロリーも減らしたいところ。

では室内トレーニングでどれくらいのカロリーを消費できるのか見ていきましょう。

種目METS
ヨガ2.3
ピラティス3.0
腹筋・腕立て伏せ2.8〜8.0
スクワット5.0
拭き掃除2.3〜3.8
重い荷物を持っての移動8.0

ランニングと比べると、どれもあまり大きなカロリー消費にはなりません。ヨガやピラティスなどはランニングの20〜30%くらいの負荷にしかなりませんので、消費カロリーもたかが知れています。でもスクワットならランニングの半分くらいの消費カロリーになります。

スクワットは筋力アップになるので、外に出られない時期のトレーニングとしてはかなり優秀です。スピードアップにもつながりますので、3日に1回のペースで行いましょう。ただ、最初は足がパンパンになって、30分もできないかもしれません。

同じく取り組んでもらいたいのが、荷物を持っての昇降運動です。階段があれば階段、階段がないなら階段程度の段差でも構いません。10〜20kgの荷物を手に抱えるか、背負って踏み台昇降の要領で昇降運動を行いましょう。

気をつけてもらいたいのは、きれいな姿勢を維持するということです。腰を曲げたりすると負担がかかりすぎるので、頭頂を高くして背筋を伸ばして昇降運動を行いましょう。METSも高く、さらに筋トレにもなるのでかなりおすすめです。

少しくらい太ってもいいじゃないかという心構え

身も蓋もないことを言えば、こういう状況でランナーが体重を維持するのはかなり無理があります。どうしたって走らないと太ってしまいます。食生活を切り替えて、室内でスクワットや昇降運動をしても限度があります。

そこまでして太ったら、それはそれで仕方のないこと。また走れるようになってから時間をかけて落としていけばいいんです。「間食をちょっと控えようかな」くらいの心構えていればOKです。もしくは低カロリーなものを選ぶのでもいいでしょう。

トップランナーでもなければ、この時期に体重に対して神経質になる必要はありません。シーズン・インする前に節制して落とせばいいので、今はストレスにならない程度にカロリーコントロールをして、できる範囲内で室内トレーニングを行いましょう。

こういう状況において、すべてのことを手に入れることはできません。自分にとって何が大切なのかの優先順位を明確にして、優先順位が低いもの(例えば体重増の悩み)は手放してしまいましょう。

また、人ごみを避けて早朝に軽く走るというのも、現時点では良いかと思います。この判断はそれぞれがしなくてはいけませんが、走ることで運動不足解消になり、ストレスも減るなら朝のうちに走ってしまいましょう。もちろん帰宅してからの手洗いうがいは忘れずに。

そしてランニングが禁止になったら、すみやかにその指示に従いましょう。

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