夏場の練習の負荷はスピードではなく心拍数で決める

夏を制するものは秋マラソンを制する。というわけで、この暑い時期でもしっかり追い込んだ練習をしようとしているランナーさんも多いようですが、思った以上にスピードが出なくて苦しんでいる人も多いですよね。

でもこの時期はスピードが出なくて当然です。100mの短距離走ならともかく、5kmも10kmも走るランニングの場合は、気温の高さがダイレクトに走りのスピードの影響を与えます。

あまり語られることがないのですが、気温が1℃あがるとランニング中の心拍数は1回上がります。実際には個人差もありますので、かなり荒い計算方法ですが、大きくはズレていません。

冬場のマラソン大会なら5℃くらいで走ることもあり、この時期は路面温度も考えると、ランニング環境は40℃を超えることがあります。35℃も気温差があると、心拍数も35上がります。それだけ簡単に最大心拍数に到達しますので、すぐに息が上がります。

速く走りたくても走れないのが夏なんです。この気温と心拍数の関係について、もう少し詳しく説明をしながら、夏場に効率よく練習する方法についてご紹介します。

自分の最適な心拍数範囲を知る

気温と心拍数の関係について考える前に、まずは自分の最大心拍数を計算しましょう。計算方法はいくつかありますが、いずれも目安でしかありません。ですのでここでは次の計算式を利用します。

最大心拍数=206.9 −(0.67×年齢)

私の場合は42歳ですので、179回が最大心拍数ということになります。この最大心拍数に対する割合によってトレーニングの目的が変わってきます。

心拍数運動強度目的
90~100%最大強度瞬発力・運動能力向上
80~90%無酸素筋力・基礎代謝量向上
70~80%有酸素持久力向上
40~70%脂肪燃焼ダイエット
0%~40%ウォーミングアップウォーミングアップ

この表に当てはめてみると、持久力向上のトレーニングをしたい場合には、最大心拍数の70~80%ということで、私の場合は125〜143回が適切な心拍数ということになります。ただし、ここでの数値は気温が考慮されていません。

5℃の気温で心拍数が130回になるのと、35℃の環境で心拍数が130回になるのとでは、足にかかる負荷が全く違います。夏は軽く走っているだけで簡単に心拍数が130回に達してしまいます。

自分としては軽く走っているだけで、心肺機能にはかなりの高負荷がかかっています。無理にスピードを出そうとしても、トレーニング強度が上がりすぎて、無酸素運動状態になるため、そのスピードでは長く走れないというわけです。

スピードが下がって当たり前なのに、スピード基準で練習をしている人は自己ベストや冬の練習時と比較するから「スピードがでない」と悩むことになります。でも出なくて当然だということは、この考え方から分かってもらえるかと思います。

夏場の高負荷練習は涼しい時間・涼しい場所で行う

夏場はどうしても心拍数が上がってしまいます。これは人間の生理現象ですので、仕方のないことです。ただ、スピードを下げると筋力が下がりそうで不安になりますよね。通常よりもパワーを抑えなくてはいけないので実際に下がってしまうはずです。

これを防ぐには、練習での心拍数を上げない環境で練習するしかありません。その方法は2通り考えられます。

・涼しい時間に走る
・涼しい場所で走る

これ以外には方法はありません。朝の涼しい時間であれば暑くても25℃くらいです。35℃と比べれば心拍数で10回の余裕があります。冬場よりも高いということにはかわりありませんが、日中に走るよりはよっぽどマシです。

また涼しい場所で走るというのも効果的です。学生たちが夏場に避暑地で合宿していますが、決して遊び気分で行っているわけではなく、学校周りよりも筋肉に負荷をかけて鍛えられるためです。

とはいえ会社員は軽井沢や芦ノ湖から通勤というわけにはいきませんので、涼しい場所となるとトレーニングジムということになります。別に月会費の高いジムに行く必要はありません。多くの自治体が体育館などにトレッドミルなどを置いていますのでそれらを利用しましょう。

週末に涼しい場所でプチ合宿というのもおすすめです。

ロードを走りたい場合は心拍計付きGPSウォッチを使う

室内で走るのは退屈だから、ちゃんとロードを走りたいというのであれば、練習の負荷はスピードではなく心拍数で決めましょう。心肺機能を高めるためなら、最大心拍数の70〜80%。インターバルなら80〜90%くらいを目安に走りましょう。

夏場は決してランニング速度で決めてはいけません。その最適な心拍数をきちんと計算して、心拍計付きGPSウォッチでランニング中の心拍数をモニタリングしながら走りましょう。

心拍計付きGPSウォッチを持っていないという人は、夏のトレーニングを効率よくするために購入してください。購入するときに大事なのは心拍計センサーが3個ついているものを選ぶということです。

amazonなどで中華製の格安心拍計付きGPSウォッチが売られていますが、その多くがセンサーの数が2個で、測定精度がかなり低めです。いま購入するならエプソンかガーミンでOKです(もちろん他社でもOKですが)。

●エプソン WristableGPS J-50
●ガーミン ForeAthlete35J

安く購入したいなら、この2つから選んでおけば間違いありません。デザイン性や見た目を重視するならもうワンランク上もおすすめですが、心拍計という意味ではこの2種類くらいのクラスで十分です。

エプソンのセンサは1つに見えますが、実際には3種類がまとまっています。精度はかなり高めですので安心して利用してください。

決して安い買い物ではありませんが、これで効率よく練習できるなら買っておいたほうがいいかと思います。心拍数で管理すれば心肺機能は低下しませんので、あとは室内でのスクワットやジャンプなどの筋トレを組み合わせれば、夏場でも効率よく練習できます。

夏はスピードは出せないものだということを理解できたなら、これからは心拍計付きGPSランニングウォッチを使って、無理のない質の高い練習を目指しましょう。




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