日本一早いマラソンレポート「北海道マラソン2019」

2019年の北海道マラソンは気温が20℃を下回る、18℃で9時の号砲を迎えることになりました。北海道マラソンは暑さとの戦いというイメージがありますが、この日は朝から小雨がパラつきます。

とはいえ、18℃というのはマラソンとしては決して低いものではなく、そして北海道マラソンは5時間の大会ですので、少しくらいコンディションが良くても、夏の走り込みをできたかどうかが、走りに影響します。

ただ、北海道マラソンの5時間制限は潔いなとは思います。むしろ、6時間や7時間制限というのは甘えなのではないかと感じてしまいます。しっかり準備ができれば、5時間は切れるというメッセージ。

走力がない人が可哀想ではないかという考え方もありますが、きちんとトレーニングを積んでサブ5を達成できない人は「来年こそは」の気持ちで1年を過ごすことができます。

6~7時間という制限時間に守られて、安易に完走させてもらったランナーは、きっと甘さを抱えたまま1年を過ごすことでしょう。「なんとかなるさ」と考えるようになるのは、自然の摂理。

それはともかく、2019年の北海道マラソンです。天気予報では曇りということでしたが、朝から小雨が降ったり止んだり。そして、9時にはしっかりと感じることのできる雨に。ほとんどのランナーにしてみれば想定外だったでしょう。

スタートから1時間したところで、本格的な雨になりました。結果的には数分間でしたが、先行きが不安になったランナーもいたかもしれません。このまま、雨が続くと後半に低体温症になる可能性もあります。

雨はすぐに止みましたが、それに合わせて風が吹き始めます。それも、立っている人が飛ばされそうになるくらいの強風です。25キロの折り返しまでは、まともな向かい風。

折り返せば追い風になるとわかっていても、粘れずに徐々にペースが落ちていく。ここで焦らずに粘れた人は、後半も余力を残して、一気にゴールを目指せましたが、向かい風に抗うランナーは体力をどんどんと削られていきます。

それでも沿道の声援が、多くのランナーを支えてくれます。私設エイドも年々増えていき、それぞれの方法で、ランナーをゴールへと導いてくれます。喉が枯れるのではないかと思うくらい声を絞り出す、ボランティアスタッフもいます。

その根底にあるのは、ランナーの真剣な眼差しです。やはりサブ5で走らなくてはいけない大会は、参加者の目の色が違います。苦しくても、きちんと前を向いて走る。

気温が低かったというのもありますが、今年は歩いているランナーも少なく、最後まで力強く地面を掴めているように感じます。むしろ、終盤に加速するランナーもいます。それでも、ベースにあるのは、やはりランナーのマラソンに取り組む真面目さが、好コンディションで発揮されたように感じます。

今回は初めて、自分でコースに立たずに、北海道マラソンを外から見ることができました。外から見ると、なぜ北海道マラソンに人が集まるのかが見えてきます。

マラソンとは自然と向き合うことなのだと思い出させてくれるコンディション。ボランティアスタッフさんの全力サポート。沿道で温かくランナーを見守る地元の人たち。

ここでは自己ベスト更新を狙うのは簡単ではありません。でも、自己最高の充実感を得ることはできます。もちろん、自分で自分を追い込める強さ、暴走しないようにコントロールする心を求められますが、自分を限界まで追い込める環境が、北の大地にはあります。

外から見ていて、ひとつだけ気になったのは、札幌市民や観光客にかなり迷惑をかけているということです。これは北海道マラソンだけの問題ではありませんが、今回はマラソン大会にストレスを感じている人と出くわすことが多く、もう一度、市民に対しての協力依頼が必要ではないかと感じました。

もう歴史があるのだから、マラソン大会で交通規制されることはみんなが知ってくれているという甘えがないか。「みんな理解を示してくれている」と傲慢になっていないか。マラソンに興味のない市民への負担をもっと減らせないか。

市街地は地下道が多く、迂回路が沢山ある札幌ですが、そこから少し離れると、地下道どころか陸橋もありません。100メートル先に行くのに、10キロ近く迂回をしなくてはいけない場所もあります。仕方ないことではありますが、これは応援の動線を悪くしているという問題も抱えています。

もっと良くなる大会だと思います。スポンジや紙コップをゴミ箱に入れるように徹底するようになっていましたし(実際にはまだまだ道半ばですが)、良い大会にしたいという意思が伝わってきます。様々なところで、ランナーに負担をかけずに質素倹約とするための工夫も感じます。

だからこその次の一手。

今年の天気が良かったことで、来年は今年よりも早くに参加枠が埋まるかもしれません。ただ、こんな気温の低い年がこれからも続くとはかぎりませんので、エントリーを考えている方は、その点に注意してください。

注意すると言っても、エントリーを回避するのではなく、しっかりと7月8月に走り込みを行って、札幌の夏の暑さにも対応できる準備を行うことをおすすめします。むしろ、夏の走り込み結果を確認する場と考えて、毎年申し込むというのが1番おすすめです。

後泊もすれば、札幌の美味しいものをたっぷりいただけますので、お盆明けで休みにくいかもしれませんが、これまで北海道マラソンを走ったことのない人も、久しく走っていない人も、ぜひ2020年は札幌の街を駆け抜けてみてください。

北海道マラソンを走れば、きっとこれまでとは違ったマラソンの楽しみ方に気付けるはずです。タイムを追うばかりがマラソンではない。夏の北海道を駆け抜ければ、それを頭ではなく体でわかってもらえるはずです。