日本一早いマラソンレポート「第42回 千葉マリンマラソン」

今年も昨年に続き快晴に恵まれた千葉マリンマラソンでしたが、今回はZOZO千葉マリンスタジアムの改修のため、いつもとはやや違ったコース設定で開催されました。

それだけではなく、次の2点に変更がありました。

・ナンバーカードとチップの事前送付
・記録証のWEB発行

ナンバーカードとチップの事前送付は、ランナーにとってとてもありがたい対応です。東京マラソンのEXPO規模でもない限り、ランナー側にわざわざ会場まで行って前日受付をするメリットはありません。

これからのマラソン大会では、事前郵送が主流になるのは間違いありません。せめて代理受付可能にしておかないと、リスク回避で参加者が減っていくだけです。大会前日受付が本人が絶対にしなくてはいけない。そういう大会はゆっくりと参加者が減っていくはずです。

反対に、記録証のWEB発行は賛否が分かれることになります。ランナーの中にもインターネットを使いこなせない人が一定数いますし、大会終了当日の21時になってもまだ記録証がダウンロードできません。

ランナーズアップデートにより速報タイムは分かりますが、正式なタイムが当日中に分からないというのは、ランナー側にしてみると満足度をかなり下げることになりかねません。

千葉マリンマラソンのコースは基本的にフラットですが、海沿いということもあって、人によってはタイムが出にくいかもしれません。フラットだからこそ小さなアップダウンが気になるという人も多いかもしれません。

21kmの間でなかなか1kmごとのタイムが、安定しにくいコース設定になっています。

ただ、これは人によっては飽きないコースということになり、好みの問題のレベルです。思ったように走れなかったけど自己ベストを更新した人もいるでしょうし、しっかり走りきったつもりが、タイムにつながっていない人もいます。

今年は昨年に続き、見事な快晴で上位ランナーは暑さに悩まされました。ハーフマラソンを2時間以上かけて走る人には、ちょうどいい気温だったかもしれませんが、スタート時の寒さ対策で着込んでいたランナーは1kmもしないうちに後悔したかもしれません。

エイドは5kmごとの3ヶ所用意されています。レースをしながらの確認でしたので、漏れていたかもしれませんが、基本は水のみで最終エイドのみスポーツドリンクが置かれていました。

残り5kmでスポーツドリンクというのがどれくらい効果があるのかは分かりません。これに関しては、10km地点にスポーツドリンクのほうがいいとは思うのですが、経験豊かな千葉マリンマラソンのスタッフが決めたのですから、なんらかの思惑があったのでしょう。

折り返しが2ヶ所ありますが、基本的にはまっすぐで走りやすいコースです。道幅も十分にあります。唯一の難所を挙げるとすれば、14〜17kmの稲毛海浜公園かもしれません。ここに入ると多くのランナーがスピードダウンします。

後半で筋力が残っていないところに、小さな曲がりが続くコース。しかも気づきにくいのですが、しっかりアップダウンがあります。

ここで心を折らないかどうかで、タイムに大きな影響が出ます。たかが公園と思いきや、3kmもありますので侮れない難所です。さらに公園で消耗した足に美浜大橋が待ち構えています。

往路では大したことのない橋が、復路ではなぜか壁のように見えてしまいます。この壁のような美浜大橋で、歩いてしまった人も多いかもしれません。でもここを乗り切ることが千葉マリンマラソンの面白さでもあります。

今年歩いてしまった人は、来年は走って美浜大橋を超えられるように、1年かけてしっかり鍛えてください。ここを歩くのか走るのかで、達成感がまったく変わってきます。一気に美浜大橋を超えてゴールまで駆け抜けましょう。

ここまでが、千葉マリンマラソンの魅力についてのレポートですが、今年は「大失敗の大会」と言われかねない、大きな問題がレース後半に発生しました。多くのランナーがゴールした後にそれは起こりました。

千葉マリンマラソンは、ハーフマラソンで2時間45分以内に完走できることが参加条件です。制限時間は設けられておらず、下記の関門時間だけ決められています。

5km:35分
10km:1時間10分
15km:1時間55分
20km:2時間35分

これらに加えて、交通規制の関係から車道ではなく歩道走行を指示されることもあります。これは昨年までと変わりません。何時に歩道走行に切り替えられるかは現場判断なのかもしれません。

それでも単純に考えれば、20kmの関門を超えれば残り約1kmです。すべて歩きでもない限り、10分あれば完走できます。ところが、なぜか歩道走行になったランナーがゴールに向かう道が用意されていません。

写真の時刻は12時25分です。スタートが9時50分でしたので、2時間35分が経過したところです。この写真をみてレース中だと思える人はどれくらいいますか?この写真には20kmの関門を超えて歩道を使ってゴールを目指している人と、すでにゴールをして参加賞をもらってチップを回収しているランナーが入り混じっています。

マラソン経験のある人は、何を言っているのか理解できないかもしれません。指示により歩道を走ってきた選手のための、走行コースがなかったため、走り終えた選手と交差しています。

そして誘導がないので、ランナーはそれぞれにゴールを目指します。

さらに驚くことに、まだ2時間45分になっていないにも関わらず、ゴールが閉鎖されます。ゴールまで数百メートルのところで、レース完了(ゴールには入れません)のプラカードが出されました。写真の時間は12時33分です。プラカードはこれよりも前に出されています。

決められた時間内に帰ってきたにも関わらず、ゴールまで走らせてもらえないランナーが続出しました。戻ってきた人たちは何が起きたのか理解できずにいました。

日本一早いマラソンレポートでは、基本的にマラソン大会を批判するようなことは書きませんが、これに対しては大きな問題だと考えています。お金をもらって大会を開催しているのに、約束した時間内に帰ってきた選手をゴールさせない。

そのまえに、歩道を走らせたランナーのゴールへの誘導が一切ない状態(あったのかもしれませんが誰も分からない状態)。こんなことは今年で42回目の開催となったマラソン大会の運営とはとても思えません。

大会全体ではかなりしっかりしたイメージがありましたが、レースの最後で大きなケチがついてしまいました。

ただ、この状況をなんとかしようと動いた人が1人だけいました。それがゲストのQちゃんこと高橋尚子さんです。

彼女はゴール閉鎖を聞いて、納得はできない思いを持ちながらも、ゴールに向かってくるランナーを閉鎖場所で待っていました。「ごめんさいゴールがなくなってしまいました。わたしがゴールです」と言って、すべてのランナーにハイタッチをしていました。

それだけではなく「この状態ではレースが終わったことを認識できないし、報われない」ということで、大会関係者にゴールテープを持ってきてくれるようにお願いしていました。そしてそこに簡易ゴールが作られました。

それを見た周りの人たちが集まってきて、そこは本当のゴールよりも温かい拍手と声援に満たされた空間になりました。

高橋尚子さんは誰かの指示を受けてそうしたのではありません。自分がそうあるべきだと思って行動しました。そしてそこにいる人たちはみんな、その行動に心を動かされ、最後の1人がたどり着くまで耐えることのない拍手を送り続けました。

ほとんどのランナーが気づかない。そんなところで高橋尚子さんが奮闘していたことを、1人でも多くのランナーに知ってもらわなくてはいけない。今年の千葉マリンマラソンを救ったのは、まぎれもなく高橋尚子さんです。

今年千葉マリンマラソンに参加したランナーさんは、見えないところでそんなドラマがあったことを知っておいてもらえればと思います。

来年はまたZOZO千葉マリンスタジアムを使えることになると思います。今年のような終盤の混乱も起きないはずです。

ですので、来年は不安なく参加してもらえればと思いますが、来年も高橋尚子さんがコース上で、ランナーを応援していたら「ありがとう」と言ってハイタッチをしてもらえれば、高橋尚子さんの奮闘も報われるのではないかと思います。

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