日本一早いマラソンレポート「TOKYO ROKUTAI FES 2024 2日目」

東京マラソンを主催する東京マラソン財団は、東京マラソンや東京レガシーハーフマラソンなどの本格的なマラソン大会だけでなく、ランニング文化を根付かせ、より多くの人たちが健康的な生活を送れるように、さまざまなイベントを開催しています。

TOKYO ROKUTAI FESもそのイベントのひとつで、メインとなる種目は「ROKUTAI RELAY(6時間リレー)」ですが、1マイルレースや10kmレースなど、誰でも気軽に参加できる種目を2日間かけて行っています。今年は9月28日と29日に開催されましたが、2日目の会場に遊びに行くことができましたので、どのようなイベントなのかレポートしていきます。

目次

TOKYO ROKUTAI FES 2024はランニングのハードルを下げるイベント

「TOKYO ROKUTAI FES 2024」は東京マラソンと同じ東京マラソン財団が主催しているイベントですが、少なくとも現時点でランナーの間でもそれほど存在を知られていません。本来なら東京マラソンや東京レガシーハーフマラソンに並ぶ、3本の柱のひとつに位置するべき大会ですが、正直なところそれだけの知名度がありません。

実際にメインイベントである「ROKUTAI RELAY(6時間リレー)」は500チームを募集しましたが、当日の参加チーム数は146チームになっています。コロナ禍によりランナーの意識が変わったことや、ランニングコミュニティがいくつも消えていったことが影響しているでしょうが、まだまだ発展途上のイベントというのが現在地になります。

「TOKYO ROKUTAI FES 2024」の面白いのは、リレーマラソンにありがちな多種目と同時開催をしていない点にあります。実際のタイムスケジュールを見てみましょう。

9月28日(土)
09:00〜09:30 オープニング
09:40〜09:55 TOKYO 1MILE(ファミリー)
10:00〜11:30 TOKYO WOMEN’S RUN(5K)
11:30〜13:00 TOKYO 10K
13:30〜17:30 MARATHON RELAY(42.195kmリレー)

9月29日(日)
09:00〜10:30 TOKYO 1MILE
10:30〜17:00 ROKUTAI RELAY(6時間リレー)

このように競技種目だけでも6種目もあり、チームで走ることもできれば1人で走ることもできます。リレーマラソンは小さな子どもも走っていて、まさに老若男女が楽しめるイベントになっています。走力に自信がないという人も、マラソン大会に出たこともないという人も楽しめるのが、「TOKYO ROKUTAI FES 2024」です。

ただし、あくまでもメインは「ROKUTAI RELAY」です。実はこれが1番の注目ポイントなのですが、「ROKUTAI RELAY」に出場したチームの中から、抽選で6チーム(5チーム+女性のみ1チーム)に東京マラソン2025の出走権が当たります。

初日に開催される「MARATHON RELAY」も抽選で2チームに東京マラソン2025の出走権が与えられますが、その割振りからも「ROKUTAI RELAY」がメインであることはわかってもらえるかと思います。

そして勘のいい人は気づいてしまったかもしれません。まだ注目度が低いことも影響して、なんと「ROKUTAI RELAY」の参加した146チームのうち6チームも東京マラソンに出場できます(チーム全員)。単純計算で24チームに1チームに当たるというのはかなり魅力的ではないですか。

倍率が高くてなかなか当選しないことで有名な東京マラソンですが、もう10回以上連続で外れている人は、もしかしたら「ROKUTAI RELAY」に出場したほうが東京マラソンへの近道かもしれません。

とはいえ、「TOKYO ROKUTAI FES 2024」にとって東京マラソンの出走権はおまけのようなもので、イベントの本質は「誰でも気軽に参加できる」ことにあります。1マイルレースはファミリーや小学生でも参加でき、リレーも小学生以上であれば出場できます。

それでいて1マイルの公認レースを行うなど、日本を代表するレベルのトップランナーもやってきます。ただ「マラソン大会」となるとハードルが高くなりますが、「フェス」としたことでランニングを心から楽しめるようになっていて、ここがランナーとしてのスタート地点になる人もいたはずです。

「TOKYO ROKUTAI FES 2024」には本気で走る楽しさがある

気軽な気持ちで参加できるのが「TOKYO ROKUTAI FES 2024」だとお伝えしましたが、スタートラインに並ぶと、負けたくない気持ちが湧いてくるのが人間というもの。不思議なもので、ランニングを楽しむためのイベントなのに、2日目に開催された1マイルレースもリレーも、誰1人として手を抜くことがありません。

誰かが前にいれば抜いてやろうという気持ちが溢れていて、引き離されても気持ちを切らさずにゴールを目指す。追い抜かれたら悔しさから力強い走りを取り戻す。それでいて、多くのランナーが笑顔で前を向いています。それはまるで子どもの頃にやったかけっこのようにに見えます。

周りの人に勝ちたい。誰にも負けたくない。だから全力を尽くす。これはファンランにはない感情であり、ランニングをもっと好きになるために必要となる感情のひとつです。多くの人がランニングにハマっていくその理由は、悔しさにあります。

初レースを終えたとき、何キロ走ったにしても達成感に包まれます。練習を含めてよくやったと自分を褒めたくもなります。実際にその日はチートデイにして、ラン仲間と夜遅くまで飲み明かすという人もいるはずです。でも、多くのランナーが、1日もしないうちに「もっとできたかも」と思い始めます。

これはランニングと真剣に向き合った証拠であり、そして「もっとできたはずなのに実力を出しきれなかった」という悔しさが根底にあるから生まれる感情です。「TOKYO ROKUTAI FES 2024」はかなりレベルの高いランナーもいて、その人たちと競い合うことになるので、余計に悔しさが生まれやすく、その感情が次の一歩へとつながります。

自分もあんなに美しく走れるようになりたい。来年はリレーで仲間の足を引っ張らないようになりたい。そういう気持ちに包まれたなら、もうランニングの魅力から抜け出すことはできません。きっと数年後には東京レガシーハーフマラソンを走り、そしてその数年後には東京マラソンを走っているかもしれません。

バトンが自分のポテンシャルを引き出してくれる

マラソンはメンタルのスポーツだと言われていますが、リレーマラソンや駅伝を走ったことがある人なら、その言葉の意味がよくわかるのではないでしょうか。同じ1マイル1.6kmを走るにしても、単独走よりも集団走、集団走よりも襷やバトンを持って走るほうが速く走れます。

リレーマラソンは、そのバトンを渡してくれる仲間がいて、そして繋ぐべき仲間がいます。1人だったら苦しくて歩きたくなるような状態にまで追い込んでも、仲間がいると思うだけで乗り切れてしまいます。「TOKYO ROKUTAI FES 2024」でも限界の向こう側の領域まで追い込んでいるランナーが何人もいました。

そこまで追い込めるのはリレーマラソンだからというのもあるのですが、実は「TOKYO ROKUTAI FES 2024」のコースにも関係しています。「TOKYO ROKUTAI FES 2024」では1周1.6kmの周回コースを使って走るのですが、応援があるエリアは味の素スタジアム内の約400mだけで、残りの1.2kmは応援のないスタジアムの外を走ります。

応援がないと頑張れないと思うかもしれませんが、実際にはその反対の現象が発生します。チームメイトの顔を見ることもできず、声も聞こえないこの区間は自分と向き合うことになります。そうなると不思議なもので、頭の中は仲間のことでいっぱいになります。

少しでも早くバトンを渡したい。顔が見えないからその気持ちが強くなり、自分のポテンシャルをいつも以上に引き出せてしまいます。仲間と一緒に過ごした時間が長くて密度が濃いほど、その気持ちが強くなり、自分でも信じられないようなスピードで走れます。

ただ、自分のポテンシャルを越えて走るので、バトンを渡したあとの達成感は大きく、安堵感も重なっていい顔になれます。バトンを手渡す瞬間を何枚も撮影しましたが、いずれも素晴らしい表情ばかりでした。せっかくですので、いい表情をしている写真をまとめて見てください。

マラソンシーズンに向けての刺激入れにおすすめ

「TOKYO ROKUTAI FES 2024」の目的は、多く人たちがもっと健康的な生活を送れるようにするためであり、そしてランニングを始めるきっかけにしてもらうことにあります。でも、それは運営側の想いであり、参加者はもっと自由に頼んでOKです。

東京マラソンの出走権が当たることを期待して出場するのもいいですし、レベルの高い競い合いを求めて出場するのもいいでしょう。個人的には秋からスタートするマラソンシーズンに向けて、気持ちを切り替えるために使うのがおすすめです。

夏はどうしても練習量が落ちてしまいがちですが、大事なのはそれをいつまでも引き摺らないことです。涼しくなってきたわけですから、ここからしっかり走り込みを行う。マラソン中心の生活に切り替えていく。そのために体に刺激を入れるために活用するのがおすすめです。

コースは競技場の出入り口でアップダウンがありますが、基本的にはフラットなのでスピードを出して心肺機能に刺激を与えやすくなっています。秋レースがメインなら10Kに参加し、夏にほとんど走っていなかったなら、体を慣らすために5kやリレーマラソンがおすすめ。

6時間リレーは2人から出場できるので、ラン仲間と2人で走れば3時間走になって、レース前のいいトレーニングにもなります。そして、このイベントには本当にさまざまな走力のランナーが集まり、トップクラスのランナーの走りを間近で見ることができます。

東京マラソンの出走権に関係なく、走力向上につなげやすいイベントですので、ぜひ来年は出場しやすい種目にエントリーしてみましょう。でもやっぱりおすすめは東京マラソンが当たりやすい「ROKUTAI RELAY」。開催時間が違うので、それに加えて個人種目も出るというのも面白いかもしれません。

TOKYO ROKUTAI FES:https://tokyo-rokutai-fes.jp

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