
国立競技場近くで用事があり、午前中から夕方までの予定でいたところ、11時半になって「16時半まで自由行動」となりました。最初からわかっていればパソコンを持ってくるなり、ランニングウェアを持ってくるなりするのですが、この日は何も持っておらず。
どうしたものかと思って、とりあえず国立競技場周辺で昼寝でもしようかと思ったのですが、向かっている途中で、襷をかけた大勢のランナーが視界に入り、気になってないじゃとなっているであろう神宮球場へ。そこで開催されていたのが、神宮リレーマラソンでした。
6年ぶりの開催となった神宮球場リレーマラソン

神宮球場リレーマラソンは今回が「第4回」となっていますが、第3回は新型コロナウイルスの影響で開催されず、今回が3回目の開催となります。第2回大会神宮球場リレーマラソンが2019年開催ですので、実に6年ぶりの開催になります。
普段はプロ野球選手しか入ることができない神宮球場のグランドに入れるということで、6年前はかなり注目されていましたが、コロナ禍以降の開催がなく、申し訳ないのですが「そんな大会もあった」くらいの記憶に(ランニングの情報発信をしているのに恥ずかしい)。
6年前はみぞれ混じりの寒いコンディションだったそうですが、今年は打って変わって雲ひとつない青空。春の天気は変わりやすいものですが、6日前に荒川の河川敷で多くのランナーが低体温症になっていたことを思うと、暑さを感じるもののベストコンディション。
いや、実際には20℃近くになっているので暑いのですが、1周が約1.2kmですので、全力で走るなら身体が温まった状態で走れるので好タイムを期待できます。ポカポカ陽気なので応援する側もリラックスできていて、会場のあちこちで声援が聞こえます。
仲間と笑顔になるために襷をつなぐ

神宮球場リレーマラソンはシリアスに順位を狙うのではなく、仲間と楽しむファンランに近いランニングイベントになります。本気で走れないことはないのですが、野球の球場を上手く活用してコースレイアウトしていることもあって、折り返しが何箇所もあります。
このため、スピードに乗って走ることができません。急ブレーキをかけることになるので、足にも負担がかかるため、必然的にスピードは抑えられるというわけです。シリアスランナーにしてみれば「もっと折り返しを少なく」と思うかもしれませんが、この折り返しも含めて「神宮球場リレーマラソン」なわけです。
マラソン大会というよりは「神宮球場リレーマラソン」というランニングアトラクション。もちろん、走力の高いランナーほうが上位に入れますが、リレーマラソンの本質は「仲間と襷を繋ぐ」ことであり、仲間のために力を絞り出し、走り終えたときに笑顔になれればそれでOK。
実際に大会に参加したランナーは、みんないい感じに浮かれていて、ちょっと羨ましくなりました。こんな気持ちのいい春の日に、仲間や家族とランニングを楽しめる。しかもそのフィールドは神宮球場なわけです。ランナーとして、こんな楽しいことはありません。
ランナー同士が尊重し合う余裕があるから安全に楽しめる

前回大会の口コミをRUNNETでチェックしてみると、いろいろと改善の要望が出ていましたが、その多くが改善されているようでした。前回は1周1kmでしたが、今回は少し距離が伸びて約1.2kmに。距離が伸びたことよりも、気持ちよく走れる区間が増えたことが大きな変化です。
そして、前回は観客席とグランドの動線でゼッケンチェックがあり、スタートに間に合わなかったという声がありましたが、今回はそんなこともありません。グランド入り口にスタッフがいますが、動線を逆行しないように案内しているだけで、スムーズな往来ができます。
ただ気になったのは、外周の1部が折り返しになっていて、コースが狭くなっているということ。小さい子も走っていて、スピードを出すランナーもいることを考えると、そこはなくてもよさそうでしたが、距離を長くすることを優先したのでしょう。
そして大会の基本スタンスが「速く」ではなく「楽しく」だから、ランナーそれぞれの気持ちに余裕があり、譲り合いやお互いに対する配慮もあり、わたしが観戦していた範囲では、無理な追い抜きはほとんどありませんでした。そういうランナーの優しさも神宮球場リレーマラソンの魅力のひとつなのかもしれません。
こういうところから新しいランナーが生まれる

こうだっらいいのになと思うところはありますが、それは外から見ていて感じたことで、実際に走っているランナーにとって、それらは些細な問題なのかもしれません。それぞれが走ることに集中していて、マラソンを楽しんでいるように見えます。
この大会には会社枠というのもあり、おそらく周りに誘われて今回が初めてのマラソン大会になったという人もいるはずです。出場するということで、その過程で同僚と何度か走った方もいるはずです。ランニングシューズやウェアを買い揃えたという方も。
もし、今回の神宮球場リレーマラソンが初マラソンなら、その方は間違いなくランニングを継続することになります。速く走れなくても「来年はもっと速くなって参加したい」となりますし、そうでなくても仲間と走ることの虜になっり、ランナーとしての第1歩を踏み出すことになります。
こういう雰囲気の大会から新しいランナーが生まれていく。偶然ではありましたが、その現場に立ち会えたことをちょっと誇らしく思います。参加費も1人5,000円とお手頃。天候次第ということはありますが、ラン仲間がいるならぜひ誘って参加してもらいたい大会です。
神宮球場リレーマラソン:https://jingu-run.jp