日本一早いマラソンレポート「万里の長城マラソン2025」

RUNNING STREET 365スタッフが日本事務局をしている万里の長城マラソン。毎年5月1日と10月に開催しています。今年も例年通り5月1日に開催し、日本からは15人が参加、世界40ヵ国から、200人を超えるランナーが参加しました。

パンデミック以降、参加者が200人を超えたのは初めてのことで、ようやく万里の長城マラソンもかつての勢いを取り戻しつつあります。ただ、日本人の戻りがまだ足りていないので、今回は、本日開催された万里の長城マラソン2025について主催者視点で語らせていただきます。

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久しぶりの大人数を受付で捌ききれず

昨年までは100人前後の参加者が続いたこともあり、200人という人数を上手く把握しきれていませんでした。受付開始の9時少し前に中国本部と合流した時点で、すでに多くのランナーが並んでいました。ゼッケンもチップもまったく用意できていないのに。

いつもならそれで対応できていたのですが、参加者が倍になると流石にそうもいきませんでした。来年はさらに多くのランナーが集まることを考えると、1時間前から受付準備を始める必要があります。こういう失敗は久しくなかったのですが、久しぶりのトラブルに少し懐かしさを感じたのはここだけの話。

トラブルは起きないに越したことはありません。起こさないための準備も必要です。それでも何かが起きてしまっていたのが万里の長城マラソン。最近は上手く運営できていたことで、どこかに驕りがあったのかもしれません。かつてのように、また丁寧に積み重ねていきます。

日本人参加者に関しては、1人が寝坊で集合時間に間に合わなかったくらいで、その方もタクシーで会場に来ていただき、無事制限時間内に完走。万里の長城の絶景を楽しんでもらえました。そういうことが起きるというのを学べたのも、大きな教訓になりました。

万里の長城の空に2年連続で青空が広がる

中国は大気汚染がひどいというイメージがあるかもしれません。実際に汚染がひどくなる時期もありますが、パンデミック後は青空率が上がってきたような気がします。今回は前日の午後に強い風が吹いていたので、いろいろ飛ばされたのでしょう。

どこに何が飛ばされたのかは考えてはいけません。大事なのは万里の長城に青空が広がったという事実。それも2年連続で。少し冷たく強い風が吹いていましたが、体温を奪うほどではありません。むしろ、昼前からは気温も上がり、汗ばむほどの陽気でした。

そしていつも以上に万里の長城の上にランナーがいるわけで、コースのあちこちでランナー同士が声を掛け合います。もし国同士が仲違いしていても、ここでは関係ありません。声をかけ、ハイタッチをして、みんなで同じゴールを目指します。

そんな国際色豊かな大会には、青空がよく似合います。ただ、青空が保証されているわけではありません。天気を含めた天候のコンディションだけはマラソンの神様の気分次第。ただ、ここ数年は好天続き。春だけでなく秋も最高のコンディションが続いています。

自分のスタイルで楽しめる

万里の長城マラソン2025の良いところは、どんなレベルのランナーでも参加できるということです。普段はほとんど運動しない方には5kmがあります。5kmでも制限時間は10時間なので、今年の日本人参加者の中には5時間かけて5kmを楽しんだ方もいます。

フルマラソンで自分を試すのもいいでしょう。今回は現地の大学院に留学中の方が、初マラソンに万里の長城マラソンのフルマラソンを選びました。残念ながら完走はできませんでしたが、高低差のあるコースを38kmまで走り抜きました。

初マラソンは人生で1度きりですので、ありきたりのマラソン大会ではなく、記憶に残るような大会を選びたいということで、過去にも万里の長城マラソンを初マラソンにした方もいました。もちろんシリアスにタイムを狙うという選択肢もあります。

どんなランナーであっても受け入れることができる。それが万里の長城そのものの懐の深さ。世界遺産を駆け抜ける楽しさは唯一無二で、そこに広がる風景は、他には代え難いものがあります。万里の長城の区間はフルマラソンで6kmしかありませんが、十分に満足できる体験を提供できているつもりです。

失敗を次につなげてリピーターを増やす

万里の長城を走るなんて、人生に1度あるかないかと思うかもしれませんが、実は日本人も外国人もリピーターが多く、すでに10回以上走っている人もいます。そんな方は流石に少数派ですが、多くの人が戻ってきてくれています。だからこそ失敗を繰り返さないこと。

正直に白状すると、今日に至っては「完走メダルが間に合わない」なんてことも起きました。中国は労働節でお休みということもあって、道路が大渋滞し間に合わなかったとのこと。おかげで早く帰りたい方は、長く待たされることになりました。

受付もそうですが、失敗を繰り返さずに、ランナーにまた戻ってきてもらう。それが次への課題。しかも新しい参加者を巻き込んで戻ってきてもらいたいところ。万里の長城を走るという体験、そこからの絶景にはそれだけのポテンシャルがあります。

できていないのは運営の力不足。来年は30名の日本人を集めるのが目標です。それだけのランナーに喜んでもらうために、ここからやらなくてはいけないことは山積みです。そして今年の10月26日には秋大会も開催されます。そこでしっかり修正して、より良い大会になるよう日本事務局もベストを尽くします。

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