これから冬マラソンのシーズンに入っていきますが、そうなると注意しなくてはいけないのが低体温症です。特にスタート時には寒い日陰で30分以上待機させられることもありますので、そうなると体温はどんどん奪われていきます。
体が冷えるとトイレにも行きたくなってしまいますよね。スタート直後のトイレに行列ができているのはそのせいもあります。
マラソンはなぜか、半袖短パンが理想的というイメージが定着していますが、冬マラソンでそれが適しているのは3時間半以内に走るランナーだけです。他のランナーはもれなく防寒対策が必要になります。
ここではそんな冬マラソンのスタート時に、低体温症にならないようにするためのポイントについてご紹介します。
4時間台なら長袖、5時間台なら上着
まずランニングウェアですが、4時間台で走るというのであれば長袖がおすすめです。腕を出しているから冷えてしまいます。その状態で走れば走るほど体は冷えていきます。1kmを6分以上かけて走る場合は、長袖のシャツで走りましょう。
それよりも早いランナーはアームカバーを使いましょう。スタート前は寒いので腕をカバーしておいて、スタートしてから体温と心拍数があがったらアームカバーを外すようにしましょう。
5時間以上かかるという場合は、しっかりとウェアを着込んでおきましょう。普段の練習でもウインドブレーカーなどを着ているはずです。それと同じような格好が理想です。華やかさがなくなるという欠点がありますが、体を冷やさないにはそれが理想です。
どうしてもオシャレに走りたいのであれば、上下ともに保温効果を期待できるタイツを着用しましょう。なおかつ、できるだけ汗を外に逃がしてくれる高機能素材のタイツを選んでください。
スタート前はビニール袋で防寒対策をする
一番気をつけたいのはスタート時の防寒対策です。とくに4時間以内で走ろうというランナーは、薄着をする傾向にありますので、待っている間に熱を奪われてしまいます。自覚していないと思いますが、この時間で体力を削られています。
体は冷えないように、するために一生懸命エネルギーを燃焼させています。本来なら走るために使うエネルギーを、体温の維持に使ってしまうわけです。その結果、後半失速するのは目に見えています。
スタートまでに体を冷やさないようにするために、ビニールでできた使い捨てポンチョを着て待機しておきましょう。スポーツショップなどで販売していますので、1枚持っておくと安心です。
ポイントはスタート前には捨てないということです。30分も待機していたのでは、体は冷え切っています。その状態でスピードを上げると、さらに体を冷やしてしまいます。気温が10℃以下なら1〜3kmくらいまでは着ておきましょう。
捨てるのは最初のエイド、もしくは沿道にいるスタッフに手渡ししてください。間違ってもコース上に捨てないようにしてください。後方からやってくるランナーが踏んでケガをする恐れがあります。
ホットジェルは効果があるのか?
体を冷やさないために、ホットジェルを塗るという方法もあります。これはサーフィンなどで使われているアイテムで、冬の海でも寒さを感じずにいられるという魔法のようなジェルです。
もちろん、ホットジェルは効果があります。少なくとも何もしないよりも体温の低下を防ぐことが出来ます。
ただし、走り出して体が温まってくると、反対に熱さを感じることもあります。塗りすぎている場合には、それが痛みになります。当然走りには悪い影響を与えます。このデメリットをどう考えるかで使うかどうかを決めればいいかと思います。
とはいえ、適切な量を欲張らずに薄っすらと塗る程度なら、熱さは感じても痛みにまではなりません。何度も練習で試しながら使ってみましょう。
冷えだけを防ぎたいのであれば、ホットジェルでなくてワセリンを使うという方法もあります。お腹や足などにワセリンを塗って冷たい風から体を守りましょう。こちらも事前に練習で試しておきましょう。
お腹と肩甲骨周りにホッカイロを貼っておく
体の冷やしたくない場所周辺に貼るホッカイロを使って、冷えを防ぐようにしてください。特に肩甲骨周りから首にかけては神経が集中していますので、そこを温めておくと、体全体が温まりやすくなります。
それにくわえて、トイレ対策としてお腹とにもホッカイロを貼っておきましょう。それだけでトイレに行きたくなるのを防ぐことができます。完全に防げるわけではありませんが、何度もトイレに行きたくなる人は試してください。
カイロが悩ましいのは、使った後の処理です。基本的には使用途中でもそのまま捨てても大丈夫なのですが、熱を持っているから不安という人もいますよね。そういうひとは、ウェアの体に触れない部分などに貼り直しておきましょう。
上着の裾の部分であれば、走りに影響することはないかと思います。ゴミの分別もありますので、エイドのゴミ箱には入れないようにしましょう。どうしても捨てたい場合は、スタッフに手渡しで捨ててもらってください。
まとめ
スタート前の待機時間。冬マラソンですと5℃前後の気温になることも珍しくありません。そんな中、肌を出して待っていたのでは、とてもじゃないですがいい結果を出すことはできません。
みっともなくても、とにかく体を冷やさないようにしてください。
アップをしてもその熱はすべて奪われてしまいます。このため、アップで意識するのは足の可動域を広げることと、心拍数を一度あげておくことだけです。速く走らないランナーさんは心拍数はあげなくてもかまいません。
可動域を広げるには動的ストレッチをしてください。ただし、ストレッチの前には少し体温を上げておく必要があります。1kmくらいジョギングしてから、動的ストレッチで可動域を上げておきましょう。
サブ3.5よりも早いタイムを狙うランナーさんは、そこから数本流しをいれておきましょう。これをしておくだけで、心肺機能がレースでさっと速いペースに対応してくれます。
それらのアップをしたうえで、体が冷えないように徹底して、スタートラインに立つようにしてください。号砲がなればあとはいつもどおり走るだけです。
スポンサーリンク