ランニング前の準備運動にストレッチは必要?不要?

冬が近づいてくると、ランニングのための外に出るのが億劫になる人いますよね。寒いので、準備運動をしている間にどんどん体が冷えていく。でもちょっと待ってください。その準備運動は本当に必要なのでしょうか?実はムダなことをしている可能性はありませんか?

実は運動前にストレッチをすることでパフォーマンスが上がるというエビデンスはほとんどなく、むしろパフォーマンスが下がることが最近の研究でわかっています。そこで今回はランニング前の準備運動にストレッチが必要なのかについてわかりやすく解説していきます。

目次

ウォーミングアップはなぜ必要なのか

そもそもウォーミングアップはなぜ必要なのでしょう?ウォーミングアップをしないとどのような問題があるのでしょう?

ウォーミングアップの目的

  • 筋肉を温める
  • 可動域を広げる
  • 心拍数を高める
  • 神経系の準備をする
  • 気持ちを高める

基本的にはこの5点がウォーミングアップの目的ですが、最も大事なのは筋肉を温めることです。体温が上がると、脳からの信号が筋肉に伝わるスピードがアップします。また、パワーも上がるという研究結果もあります。ウォーミングアップをすることで、体を温めることができ、トレーニングをより効果的に行えるというわけです。

ランニング前のウォーミングアップはランニング

ウォーミングアップの役割を把握できたところで、ランニングのウォーミングアップに何をすればいいのかを説明します。目的は体温を上げることにありますので、まずやるべきことはストレッチではなくランニングです。意味がわからないと思うかもしれませんが、そもそもストレッチは体が温まっていない段階で行っても効果がありません。

ランニングのためのウォーミングアップとして「走る」というのは、決しておかしなことではありません。ただ、インターバルやペース走のような速いペースでウォーミングアップをするわけではありません。関節や筋肉に高い負荷がかからないレベルのランニング。すなわちジョグがランニングのウォーミングアップになります。

ということは、その日の練習がジョグだけだと、そもそもウォーミングアップなんて不要ということになります。ゆっくりと走り始めて、そのまま走りきれば練習終了。そのあとにクールダウンのためのストレッチをしても構いませんが、回復を促すためのストレッチなら、その時間だけ睡眠時間を増やすほうが有効です。

ストレッチの前には必ずランニングを入れる

繰り返しになりますが、ストレッチの前には必ず体を温めておいてください。どれくらい走るかは、人それぞれですし季節によっても違います。体がしっかりと温まったなと感じるまでジョギングをしてからストレッチに入ります。

練習前に行うストレッチは、基本的に動的ストレッチと呼ばれるものを行いましょう。YouTubeなどで「動的ストレッチ」と検索すれば、いくつかそのフォームが出てきますので、参考にしてください。いまいちやり方がわからないなら、ラジオ体操でも構いません。

その場にじっと留まって行う静的ストレッチは、可動域を広げることができるためケガの予防になりますが、運動パフォーマンスを低下させるという研究結果も多く、最近ではウォーミングアップでは行わず、クールダウンにしか使われなくなっています。

また、その場で何度かジャンプするというのも筋肉に刺激を入れるという意味では効果的です。ただし、こちらもきちんと筋肉が温まっている状態で行う必要があります。

冬の寒い日はストレッチはおすすめしない

練習を行うとき、正しく行うには次の手順で行うのが理想です。

1.ジョギング
2.動的ストレッチ
3.ポイント練習(インターバル・ペース走)
4.ジョギング
5.静的ストレッチ

この順番に従って行えば、ケガのリスクを大幅に軽減できます。リカバリー効果も期待できます。でも、冬場の本格的に寒さが厳しいときには、2番の動的ストレッチが逆効果になることがあります。動的ストレッチをしている間に、どんどんと体が冷えてしまうリスクがあるためです。

それでは何のためにジョギングを行ったのか分かりません。ここで体を冷やしてしまうくらいなら、そのままポイント練習に入りましょう。いきなり負荷を高めるのがこわい場合は、90%くらいの負荷で100mを4〜5本流してください。それで心拍数も体温もしっかり上がり切るはずです。

そのあとポイント練習を行えば、動的ストレッチはしなくても構いません。

臨機応変にウォーミングアップを行う

静的ストレッチは不要で、冬場は動的ストレッチもしなくていいとお伝えしましたが、勘違いしてはいけないのはウォーミングアップが不要だと言っているわけではありません。ウォーミングアップは必要です。ただ、その状況に合わせて臨機応変に行う必要があります。

たとえば夏と冬ではウォーミングアップにかかる時間が違います。筋肉痛があるときとないときとでも違います。効果的な練習を行うためには、ポイント練習前にしっかりと準備をする必要があります。そのために必要なのは、ストレッチではなく体を温めるということです。

もちろん可動域を広げるということも重要ですが、それによって体が冷えたのでは意味がありません

よくわからないけど人から教わったからストレッチをしている。これが一番良くない状態です。ストレッチを教えてくれた人が、きちんとした知識を持っているとは限りません。ただ「そういうものだから」とストレッチを続けているランニングコーチもいるので注意してください。

いずれにしてもウォーミングアップで大事なのは、体を温めるということです。そして静的ストレッチは体を温めるのには不向きで、パフォーマンスが下がる可能性もあるので、トレーニング前に実施するのはやめておきましょう。

ちなみにオムロンの低周波治療器「HV-F6012」などを使って体を温めておくことも可能です。練習時間があまりなくて、ウォーミングアップの時間を短縮させたい人は、このようなアイテムも活用しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次