フルマラソン前に30km走がいいと言われますが、30kmも走ろうとするとあちこちで信号に引っかかります。だからといって、1周1kmの公園を30周も走るのは精神力が求められます。皇居ランでも6周も走らなくてはいけません。
できれば、ワンウェイでできるだけ信号が少ないコースを走りたい。そういう人に玉川上水をおすすめします。関東のランナー限定になってしまいますが、信号が少なく、かなり気持ちよく30kmを走ることができます。
実際に走ったのは今年の春。桜が咲いている時期でしたが、コースそのものが変わるわけではないので、ぜひ参考にしてみてください。
玉川上水ってどこからどこまで?
玉川上水は多摩の羽村から四谷までの約43kmにわたる溝渠です。羽村で多摩川から取水して江戸の町まで引っ張ったわけですから、かなり大掛かりな工事が行われたのが想像できます。
実はこの玉川上水、上流部はいまだに使われている水道施設です。このため上流部では上水に入れないようにフェンスが立てられている場所もあります。
そして、この玉川上水沿いに緑道が作られているため、道沿いに走るとちょうど玉川上水駅近くで30kmになります。もちろん羽村の取水場まで走ってもいいのですが、それはまた目的が変わってきますし、羽村まで行くと信号が多くなります。
そういう意味では30km走には四谷から、交通の便のいい玉川上水までがおすすめです。コースそのものは明確な目印があるわけではありませんが、緑道が続いているので、ときどきGoogle Mapで確認すれば迷子になることはありません。
少し粗いのですがおおよそのルートを載せておきます。
スタートは四谷大木戸跡碑
スタートは新宿駅でもいいのですが、せっかくなら区切りのいいところから始めましょう。玉川上水ランのスタートは新宿駅から歩いて20分のところにある、四谷大木戸跡碑です。
ここから新宿御苑の大木戸門を目指してください。あまり知られていませんが、新宿御苑の北側には玉川上水が流れています。新宿御苑の開門時間が9時ですので、四谷をスタートする時間は9時以降がおすすめです。
実際に新宿御苑の中に入るのではないので入園料はいりません。
新宿から高井戸までは玉川上水にこだわらなくてOK
新宿から高井戸までは、玉川上水が地下あるため、道が分かりにくいかもしれません。その場合には、無理に玉川上水にこだわる必要はありません。首都高に沿ってそのまま西に向かえば、ほぼ玉川上水の上を走ることになります。
地元の人でも「分かりづらい」場所ですので、とにかく下記地図にあるポイントを目指してください。
場所によっては緑道よりも脇道がおすすめ
せっかく走るなら、玉川上水緑道を走りたいところですが、住宅地の真ん中にあるということで緑道そのものが道路で何度も分断されています。そのたびに階段を上がったり下りたりするのは効率がよくありません。
緑道の脇道のほうが走りやすい場合にはそちらを走るようにしましょう。ただし、住宅地とはいえ車が走っていますので、安全確認だけはしっかり行ってください。
余力があるならプラス6km走って昭島温泉湯楽の里へ
玉川上水駅近くには入浴施設がありませんので、走り終わって汗を流したいなら、少し移動しなくてはいけません。
富士見湯健康セントー:1.5km
梅の湯:3.5km
昭島温泉湯楽の里:6km
もし足に余力があるなら、36km走として玉川上水をそのまま遡上して、拝島にある昭島温泉湯楽の里がおすすめです。
スタート位置をずらして、30km走にするという方法もあります。スタートを明大前駅にすれば、おおよそ30kmになるはずです。それぞれの走力や30km走の目的、天候に合わせて自由に設定してください。
気をつけたいのはコンビニがないということ
玉川上水は住宅地の間を流れているので、経路上にコンビニがほとんどありません。もちろん、少しコースから外れたらいくらでもあるのですが、少し不便に感じるかもしれません。
私が走ったときには買いそびれてしまい、かなり進んだところで危険を感じて自動販売機で給水しました。「後でいいや」と思っていると、自動販売機すらなかなか見つからなかったりしますので、注意してください。
30km走をするときの注意点
これから30km走をするというランナーさんが増えるかと思いますが、玉川上水を走るにしても、他の場所を走るにしても「頑張りすぎない」ように注意してください。
30kmですので頑張らずに走るのが難しいかもしれませんが、例えば膝に違和感があって、走っていても消えないというのであれば、そこでストップしてください。そこで無理をしてもケガをするだけです。
途中で疲れてしまって走れなくなった場合は、反対にできるだけ30kmまで歩くようにしてください。おそらく走れなくなるのは25km過ぎかと思います。体に異変がないなら、30kmを知るという意味でも歩ききってしまいましょう。
また、走るのはレースの3〜4週間前にしてください。それよりもレース本番に近づくと、疲労が残ってしまいます。予定していたタイミングで天候が崩れることもありますので、4週間前に予定しておき、その日にできなかったら1週間遅らせて行いましょう。