サブ3を狙うならスピード練習用ランニングシューズを用意する

最近はレース用、トレーニング用、リカバリー用とシューズを使い分ける人が増えてきました。それぞれの用途に合ったシューズを履くことで、トレーニングではしっかりと負荷をかけ、レースではシューズのサポートを受けることができます。

でも、そういうランナーでもスピード練習用のランニングシューズを用意しているという人はあまりいません。スピード練習用のシューズなんて、レース用と同じでいいじゃないかと思っている人もいますよね。

そこで、ここではスピード練習用のランニングシューズを用意する意味について解説していきます。

目次

ランニングシューズはすべて目的に合わせて設計されている

ランニングシューズなんてどれも同じだと思っているランナーもいるかもしれませんが、ランニングシューズはすべてコンセプトがあり、どのような走りをターゲットにするかを決めます。

そして、そのコンセプトに合わせて細部を作り込んでいきます。どこに衝撃吸収機能を持たせるかを解析によって決定し、ターゲットとしたランナーがベストの結果を出せるように開発を進めていきます。

ナイキのヴェイパーは2時間を切ることを前提に設計されていますので、キロ6分で走るようなことは想定されていません。逆にペガサスはキロ4分くらいまでしか想定していないので、キロ3分台前半で走るようには作られていません。

もちろんヴェイパーを履いてキロ6分で走れないかというとそうではなく、走ることは問題なくできます。ただ、シューズのポテンシャルが発揮されないというだけのことです。

これはナイキに限ったことではなく、どのメーカーでも同じようにコンセプトを決めて、それに最適なシューズを開発します。だから、ランニングシューズは目的に合わせて選ぶ必要があります。

シューズは踵を着けるかどうかで使い分ける

シューズメーカーによって多少の考え方の違いはありますが、スピードを出して走る場合には「フォアフット」、それほどスピードを出さない場合には「ミッドフット」もしくは「踵着地」で設計されています。

これは100m走をイメージしてもらえれば分かると思いますが、100mを走る場合には踵を着ける余裕がありません。回転数を上げていくためには前足部で着地してそのまま蹴り出します(最近はフラット着地をする人もいるようですが)。

フルマラソンでも、キロ3分台で走る場合にはそれに近い状態になり、踵をべったりと着けるのではなく、軽く触れる程度になります。少なくともナイキやアディダスのシューズを履いているトップランナーの多くはフォアフットになっています。

100mを18秒で走る計算になりますので、踵をつけて地面を蹴る余裕がありません。このレベルになると、スピード練習のシューズとレース用のシューズが同じでも問題ありません。

でも、サブ3〜3.5を狙うくらいのランナーの場合、レースはキロ4分15〜30秒ですのでしっかりと踵を付けて走ります。そういうランナーがスピード練習をするときにはキロ3分台になりますので、踵が付きません。

トップアスリートの場合はレース用シューズとスピード練習用シューズは同じですが、リカバリーやジョグ用のシューズは別に用意します。ナイキのシューズを使っている場合には、トップランナーは次のような使い分けをします。

ヴェイパー:スピード練習・レース
ペガサスターボ:リカバリー・ジョグ

ところが、サブ3〜3.5レベルの市民ランナーの場合には、レースでは踵を着けることになるので次のような使い分けになります。

ズームフライ:スピード練習
ペガサス:レース・リカバリー・ジョグ

これはナイキのシューズでの例ですが、他のメーカーでも同様です。シューズは踵を着けるかどうかで使い分ける必要があり、スピード練習をする場合には踵をほとんど着けない前提で設計されたシューズが必要になります。

※メーカーによってはキロ3分でも、フラットもしくは踵からの着地を想定してシューズ開発をしていることもあります。

レース用シューズでスピード練習をするとどうなるか

レース用シューズでも、レースよりも速いスピードを出すことは可能です。レースをキロ4分で走る人なら、レース用シューズでキロ3分40秒くらいまでは対応できるかと思います。

でも、その先の領域に入ったときに都合が悪くなります。キロ4分で走る用に作られたランニングシューズは踵部にクッションがあり、しかも厚みをもたせているため、前足部で着地して走りたいのに、踵が先に地面に当たってしまいます。

そのときにクッションが効いてしまうので、足裏の感覚が狂ってしまいます。しっかりとバネを効かせて走りたいのに、クッションが邪魔をしてスピードを上げきれないでトレーニングが終わります。

キロ3分15秒まで追い込みたいのに、レース用シューズだとキロ3分30秒までしか出せないなんてことが起きます。そうなると、心肺も筋肉も本来望んでいるレベルの負荷をかけられませんので、トレーニング効果が薄れてしまいます。

しっかりと質の高いスピード練習をしたいなら、そのスピードを出すために設計されたシューズを履くことが大切です。スピード練習はそれほど長い距離を走るわけでないので、足が耐えられるかを心配する必要もありません。

本気で追い込むスピード練習をしたいのであれば、普段のレース用シューズよりもワンランク上のシューズを買って、インターバルやペース走などに使うようにしましょう。5kmや10kmのレースで使うのもいいでしょう。

まとめ

ランニングシューズは消耗品ですので、用途に合ったシューズが必要だと分かっていても、どうしても1〜2足程度でなんとかやりくりしたくなります。でも、用途に合ったシューズを選ばないと、せっかくのトレーニングの効率が落ちてしまいます。

サブ3を狙うレベルになってくると、このようなちょっとした差の積み重ねが、結果を左右しますので、もしスピード練習用のシューズを持っていないなら、1足用意しておきましょう。

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