東京マラソンが2017年からコース変更することが発表されました。実はこのコース変更は東京マラソン財団が第1回から希望していたものでした。誰かに話したくなる、東京マラソンのコース変更はの裏話を紹介します。
ビックサイトゴールは石原都知事の苦渋の選択
第1回の東京マラソンを開催するにあたって、東京都側が一歩も譲らなかったこと。それが7時間制限のフルマラソン大会にするということです。警備を行う警察は5時間制限を譲らなかったというので、水面下では非常に激しい攻防があったのでしょう。
その結果、コース設定を行うにあたって、東京マラソン財団に対して東京都の指定は「スタートを都庁にし、東京ビックサイトをゴールにすること」でした。これは朝の交通量の少ない時間に都心を走ることで交通への影響を少なくするためです。
東京ビックサイト周辺であれば、都心部に比べて交通量が多くないため、長時間の専有が可能になります。
東京マラソン財団の初代理事長である帖佐さんが、ゴール地点を当時の都知事である石原慎太郎さんを案内したときに、「ひどいゴールだ」というようなことを伝えたそうです。これには石原慎太郎さんも同意していたそうです。
ただし、10年前はマラソンブームの入り口。警察を納得させるためにはとにかくどんな形であれ開催させることが大切でした。石原慎太郎さんにしても苦渋の選択だったのだのでしょう。
この時点で、「東京マラソンのゴール地点をいつか変更する」は暗黙の了解だったとも言えます。
コース変更で東京マラソンの人気はまだまだ続く
東京マラソンの人気から、警察も協力的になっているため、東京マラソン初開催のときよりもコース設定が簡単になっています。各自治体も「自分の区を走って欲しい」という要望も強く出されています。
東京マラソンは定期的にコースを変える。そういう大会だと考えて間違いないでしょう。23区すべてに平等というわけにはいきませんが、可能な限りすべての区にチャンスは与えていくのでしょう。
コース変更をすることで、すでに東京マラソンを走ったことのある人も、「もう一度応募しようかな」という気持ちになります。
マラソンブームの終焉に対して、東京マラソン財団が危機感を持っているなと感じている場面がいくつもありました。東京マラソンであっても、対策をしなければ人気を維持することは出来ないと考えていたはずです。
このコース変更によって、来年の大会もまた10倍以上の倍率になることが予想されます。これまで以上にスポンサーがつきやすくなりそうです。マラソン大会を開催するためにはスポンサーの獲得が重要なのは言うまでもありません。
東京五輪後にコースがまた変わる?
現在の東京マラソン財団の名誉顧問になっている帖佐さんは「国立競技場をゴールにしたい」という希望を持っているそうです。東京五輪で使ったルートを東京マラソンのコースにすることができれば、東京マラソンはさらに人気が出ます。
ただ東京五輪の翌年、5年後では少し早すぎるかもしれません。どのタイミングで再度のコース変更が設定されるかはわかりませんが、東京マラソンの人気を維持するためにも、コースは必ずまた変わることになります。
少なくとも10回の開催でコースの見直しをするはずですので、新しいコースを走れるチャンスは多くても10回。東京五輪直後に変更するなら5回ということになります。
もちろんこれは推測ですが、こうして東京マラソンがまた注目されたことを考えると、永久に同じコースということはないはずです。1回でいいかなと思っていたランナーさんを振り向かせる。素晴らしいアイデアです。
さてさて東京五輪後にまたコースが変わるのか。それともまた10年間同じコースになるのか。東京マラソン財団と東京都がどう判断するか、楽しみです。
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