先日のさいたま国際マラソンで気温の上昇にともなって、多くのランナーが熱中症になってしまいました。さいたま国際マラソンは制限時間が4時間でハードルが高い大会のひとつですが、そこに出るような人たちはかなりのマラソン経験があるはずなのですが、そういう人たちですら熱中症になることがあります。
熱中症になりやすいのは夏ですが、そもそも夏のマラソンというのは少ないですし、夏は危険ということが頭にあるので熱中症で倒れる人が少なかったりもします。
逆に本来涼しい時期で、その日に限って気温が上がってしまったというときに熱中症が発生しやすくなります。さいたま国際マラソンがまさにそれにあたります。スタート直前まで小雨がぱらついた状態だったのが、時間とともに気温が一気に上昇してしまったので、突然の高い湿度と気温に体が適応できなかったのかもしれません。
これを避けるには前半からこまめな給水が必要です。フルマラソンを走ったことのない人はすべてのエイドで給水をするように心がけましょう。コップの水やスポーツドリンクを全部飲む必要はありません。一口だけでもいいので必ず水分補給しておきましょう。
基本的にはエイドにはスポーツドリンク、水の順番で置いてあります。スポーツドリンクはそのままだと濃いすぎるので、スポーツドリンクを一口飲んでその後に水も一口飲むようにしてください。これだけで熱中症のリスクはかなり下げられます。
エイドに塩などの塩分がある場合は必ず補給してください。汗と一緒に流れだした塩分の影響で足をつることもあります。塩飴などを最初から持って走るのもよいでしょう。
気温が高いと感じたときは足や腕に水をかけるのも有効です。ただし、これはシューズまで濡れてしまう可能性があるので、好き嫌いがあります。ただ体が暑すぎるなと思ったときはとにかく冷やすために何をするかを考えてください。
一分一秒を争うのであればエイドはロスにしかなりませんが、完走が目的ならエイドをしっかり活用して走り切ることを目指しましょう。
連載「フルマラソンを初めて走る人へ」
第1回 走るよりも歩くことから始めよう
第2回 ラン仲間を見つけよう
第3回 ハーフマラソンのエントリーをしよう
第4回 ランニングシューズの選び方
第5回 大会中の服装について
第6回 レース中の給水はこまめにしよう