日本一早いマラソンレポート「第4回東西対抗東海道ウルトラマラソン」

RUNNING STREET 365で主催しているウルトラマラソンイベント、東西対抗東海道ウルトラマラソンがこの年末年始に開催されました(東軍と西軍が各1人ずつの出場になりました)。

このレースは東は東京日本橋、西は京都三条大橋からそれぞれスタートして、中間地点に当たる天竜川までどちらが速いかを競います。距離はそれぞれ250キロですが、正確な数字はわかりません。

レギュレーションは宿場町を通過することと、走行可能時間は4日間で5時から23時までということ(初日は7時スタート)。あとは、宿は各自で確保する必要があるので、その日にどこまで走るのかを自分で決めなくてはいけません。

宿場間のルートも自由です。自由だからこそ、それぞれの戦略が重要になってきます。1日目にどこまで走るのか、何日で走り切るつもりなのか。宿はどこに確保するのかなど、走力以外に求められるものは沢山あります。

ただ西軍は4年連続4回目の参加となる日本代表経験者の出口選手。東軍は2018年にランでの五街道制覇を達成し、地図も見ずに東海道の宿場町を繋げる重松選手(私のことです)。東海道に対する経験値は2人とも高めです。

西軍の出口選手は今年こそは2日でのゴールを目指し、東軍の私は、過去に誰も成し遂げていない、初日での箱根越えを狙います。高みを目指すからこそ、得られるものがランナーにはあります。

ただ、今回は出口選手の仕事の都合で、西軍は1日遅れでのスタートになりました。これくらいのハンディがあったほうがいいレースになると判断しての開催でしたが、誤算がひとつ。私が思いのほか走れたということでした。

実は他の選手の代走という形でしたが、初日に箱根越えを達成でき。残り3日で135キロという状態になります。

うまくいけば2日でのゴールも見えそうでしたが、実際にはここで足を使いきり、そこからはほぼ歩きでした。ただ、西軍の出口選手にプレッシャーを与えることはできました。東軍の結果から、1日遅れでスタートした出口選手は初日に160キロを目指すと宣言。

このレースの難しいところは、相手選手の状態が分からないという点にあります。このため、ちょっとした心理戦の要素も含まれます。

そもそも250キロを走り切るには、自分のペースを見つけて、そのペースを維持することが重要ですが、お互いの心理戦により自分らしさを失います。とはいえ、今回で4回目の参加になる出口選手は簡単には揺らぎませんでした。

160キロを目標としながらも、冷静に前回と同じ120キロの桑名宿でストップしました。ただ、前回よりは圧倒的に速いタイムで、十分余力を残す作戦に出ます。翌日18時間で130キロを走れば2日間でのゴールになります。

これに対して東軍の私は、初日で箱根越えを成功させたものの、そこで足を使い切ってしまいます。初日のような走りがそこから戻ることはありませんでした。とはいえチャレンジしての失敗は後を引くことはありません。

コツコツ積み重ね、2日目に82キロを走り(歩き)、トータル195キロまで到達します。

ちなみに私は100キロのウルトラマラソンをなんとか完走できるレベルの選手です。超長距離は旅ランで楽しむというスタンスで、2018年に中山道560キロを9日で走っていますが、特に優れたランナーではありません。

ただ距離に恐怖はないありません。

そんな私が2日目にまったく走れない状態にまで追い込まれました。しかも相手の出口選手にまだ余裕があるのが伝わってきます。もちろんそれはお互い様であり、出口選手は、東軍が3日目に残り55キロになったことをプレッシャーに感じていました。

東軍3日目の朝は前日以上に走れない状態で始まりました。

55キロなんて6時間もあればと思いますが、足はまったく動きません。西軍はやや疲労はあっても、前日に余力を残しています。最初はゆっくり入っていたところ、徐々にペースアップ。

これは本当に2日での完走が見えてきましたが、東軍には力が一切残っていません。振り絞るエネルギーもなく、足を引きずるように前に進みます。それでも日没直後、なんとか46時間58分(走行可能時間内)でゴールの六所神社に到達しました。

一方の西軍出口選手は吉田宿(豊橋)に18時に到着したのもあり、そこから先に進む決断。ただそれが裏目に出ました。豊橋から浜松までは宿泊施設がほとんどありません。そこにきての疲労ということもあり、途中で前に進むのを断念しました。

結果的には西軍も3日間、合計タイム44時間21分で完走となりました。1日遅れでのスタートでしたので、東軍よりも遅いゴールでしたが、タイムでは東軍を圧倒しています。

このため、今回は東西ともに順位なしてまのノーサイドということになりました。

レース後にお互いを讃え、普段以上に多弁になる2人。それだけでいかに厳しいレースだったのかわかります。ただ、2人が思うのは「次はどう走ろう」といえことだけでした。

厳しいからこそ、やりがいがあるのが東西対抗東海道ウルトラマラソンです。

今回のように東西からスタートする形は今回が一旦終了です。次回からは東もしくは西からの一斉スタートを考えています。もちろん2日間での250キロ越えも可能ですし、もっと緩い気持ちで参加もできるスタイルに変更予定です。

興味があったけど年末は無理というランナーさんも、距離に自信はないけどチャレンジしたいというランナーさんは、新規レギュレーションの発表をしばらくお待ちください。

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