来シーズンに結果を出すためにオフシーズンをどう過ごすべきか

マラソンシーズンも残りわずか。すでにシーズンオフに入っているランナーもいるかと思います。残りのレースで結果を出すために、追い込みをかけているというランナーさんもいることでしょう。

そういうランナーさんにとっては気が早いかもしれませんが、来シーズンに結果を残すためのオフシーズンの過ごし方について、お伝えしようと思います。

オフシーズンにどれだけの準備を行えるか。マラソンにおいてはとても重要なポイントになります。充実したオフシーズンを過ごすことができれば、結果は勝手についてくるのがマラソンです。

ベテランランナーさんにとっては「いまさら」な内容かと思いますが、まだマラソン歴が少ない人は、ぜひ参考にしてください。

目次

まずはしっかり休むこと

2019−2020シーズンが終わったら、とにかくまず休むことです。積み重ねてきたものが崩れてしまうのがこわいと思う真面目なランナーもいるかと思いますが、むしろ崩すために1ヶ月程度の休みを入れてください。

マラソンシーズンを走ってきた身体は、思った以上に消耗しています。疲労が溜まった状態でいいトレーニングはできません。休むも練習というのは、シーズンオフにも言えることです。

その間に太ってしまっても構いません。好きなものを好きなだけ食べてください。それが許されるのも、シーズンが終わった1ヶ月だけです。1年間頑張ってきたご褒美期間だと割り切りましょう。

ただ、走ってないと不安という人は、走っても構いません。ただし、すべてジョグペースで1日1時間以上は走らないようにしましょう。距離ではなく、時間で区切るようにしてください。距離で設定するとどうしてもスピードを出したくなります。

休養明けの1ヶ月は徹底してカラダづくり

1ヶ月の休養が明けて、まずすることはカラダづくりです。この時期から距離を積み重ねても意味がありません。もし1週間で150km走れるなら、カラダづくりはいりません。それ自体がトレーニングになりますので。

そこまで走れないという場合には、走れる身体を目指してトレーニングを行ってください。ポイントは2つあります。

・筋力アップ
・筋肉の柔軟性のアップ

まず、速く走るには筋力が必要です。マラソンに筋力は必要ないと思われていますが、必要ないのは重たい筋肉であって、筋力は絶対に必要です。筋力があれば、1歩にかかる負担が小さくなります。

100の力を出して走るのと、同じスピードでも90の力でいいなら、圧倒的に後者のほうがいいタイムではしれます。トップランナーの世界になると、また話が変わってきますが、市民ランナーレベルでは筋力が重要なのは間違いありません。

そして、もうひとつ重要なのが柔軟性です。

走る上では柔軟性というのはあまり必要ありません。場合によっては走りを阻害する可能性もあります。ただ、柔軟性があればケガをしにくくなります。回復も早くなります。そうなると、質の高い練習を継続して行うことができるわけです。

タイムを出すために柔軟性を高めるのではなく、質のいい練習をするために柔軟性を意識して1ヶ月トレーニングを行いましょう。ピラティスやヨガなどを行うのもおすすめです。

最強のトレーニングはスクワット

筋力を上げつつも柔軟性を得られるトレーニングの代表的がスクワットです。両足を肩幅に開いて行うスクワットではなく、下記のようなものを行ってください。

・ステップアップスクワット
・ランジスクワット
・スプリットスクワット

それぞれの方法については動画を貼っておきますので参考にしてください。基本的にはそれぞれ片足10〜20回を3セット行います。ただし、最初から3セットはまず無理です。1ヶ月も休んでいますし、そうでなくても高負荷です。

1ヶ月かけて3種類片足10〜20回3セットができるようになるのを目指しましょう。基本的には、中2日で回復できる範囲で行ってください。頑張りすぎて1週間筋肉痛を引きずったのではトレーニング効果が上がりません。

また、スクワットを行うときは体幹を意識して行ってください。腹筋に力を入れるのではなく、おへそを肩甲骨の方に軽く引き上げる意識で行えば、体幹トレーニングにもなります。

2ヶ月目以降は1週間に1〜2回のペースにして構いません。マラソンシーズンに入るまで継続してください。

ステップアップスクワット

ランジスクワット

スプリットスクワット

6月からは徐々に距離を積み重ねていく

6月〜8月は走りながら距離を積み重ねていきます。筋力をつけるトレーニングをしているので、疲労感があるかもしれませんが、ここで大事なのは長い距離を走って走れる身体に移行させていくことです。

この時点でスピードを意識する必要はありません。サブ3やサブ3.5を狙うのであれば、1週間に60〜100kmを意識しましょう。ただ、筋トレも並行して行っていますので、筋トレを週2回行うなら距離は短くなっても構いません。

スクワットは、単純に1分行えば1km走ったのと同等の負荷だと考えてください。少し乱暴な計算ですが、休憩時間を省いて20分行えば20km走ったくらいの負荷にはなります。これと実走行距離を合わせて60〜100kmを目指してください。

サブ4が目標なら、走行距離はもっと短くても構いません。ただし、スクワットも入れて、週4日はトレーニングしましょう。週1回のスクワットと、1時間のランニングを週3回くらいでOKです。

走るときは、できるだけアスファルトは走らないようにしてください。ウレタン舗装のランニングコースや、トレイルなどの柔らかい地面で走るようにして、膝などの関節に負担がかからないようにしましょう。

ここでの積み重ねた距離が、後半に失速しない身体を作ってくれます。

週1回は完全休養日を入れる

エリートランナーなら休養日でも少し走りますが、市民ランナーがそこまで追い込む必要はありません。週1回は完全休養日を入れるようにしましょう。タイミングはいつでも構いません。

それとは別に、身体が重いと感じたときも思い切って休むようにしましょう。大事なのは休むことに罪悪感を感じないということです。身体の出す不調のシグナルを見逃さないようにしてください。

どうしても休めないという人は、ランニングの代わりにストレッチをしてください。ゆっくり時間をかけて、身体をほぐしていきましょう。もちろん。ここでも頑張らないことが重要です。

インターバルなどのポイント練習は9月からでOK

8月まではひたすら距離を積み重ねていくと、9月には負荷の高いトレーニングにも耐えられる身体ができています。スピードを付ける練習はここからです。インターバルや距離走、ペース走などのポイント練習を始めましょう。

ポイント練習を行うときも意識するのは回復です。中2日で回復できる範囲で負荷をかけるようにしましょう。理想は中2日でギリギリ回復できる負荷です。軽すぎても重すぎてもいけません。

ただ、市民ランナーが自分でそこまで判断するのは難しいので、重すぎるよりは軽すぎるほうがよいと考えてください。どこまで追い込めば回復できるのか、自分で意識しながらトレーニング量の調整を行ってください。

ここまでくれば、筋トレはしなくても構いません。筋トレをするとポイント練習の頻度を下げなくてはいけなくなります。雨で練習できない日などに、負荷がかかりすぎない程度に行ってください。

大事なのは継続していくこと

ここでご紹介したトレーニング内容はとてもシンプルです。でも、多くの人が継続できません。仕事で忙しいと練習時間の確保ができませんし、地道なトレーニングほど退屈なものはありません。

ただ、結果を出すにはその退屈さと向き合い、スキマ時間でも使って距離を積み重ねるしかありません。マラソンは練習がすべてのスポーツです。他の競技のように運の要素はほとんどありません。少なくとも不運はあっても幸運はありません。

地道にトレーニングを積み重ねていくこと。

本当に大切なのはそれだけです。トレーニング方法はここでご紹介したものでなくても構いません。とにかく継続すること。そして適正な休養を入れること。これで強くならないランナーはいません。

来シーズンに結果を出したいのであれば、とにかく継続です。ただし、多少サボっても自分を責めないようにしましょう。人間ですから、モチベーションが下がることはあります。そういう自分を受け入れながらも前に進んでください。

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