ランニングシューズの寿命は500km?距離に関係なく毎年買い替えたほうがいい理由

ランニングはシューズさえあれば楽しめるスポーツと言われていますが、悩ましいのは、そのランニングシューズをどのタイミングで買い替えるべきかということです。

一般的には500〜1000kmとされていますが、これは根拠があるようなないような数字で、そもそも500kmと1000kmでは倍も違いますので、まったくあてになりませんよね。

そこで、ここではランニングシューズの寿命について考えてみようかと思います。

ランニングシューズの寿命とする目安

まず、基本的な考えとして、ランニングシューズがどのようになったら寿命を迎えたとすべきなのかについて説明します。

● アッパーに穴が空いた
● アウトソールが削れてミッドソールが見えている
● ランニングシューズが目に見えて変形している
● ソール材のクッション性がなくなった

一般的な考え方としては、このいずれかの現象が見られたら寿命を迎えたとして、買い替えをします。このような状態になってもまだ履き続けている人もいるようですが、はっきり言っておすすめしません。

上から3つは目で見て分かるので、ほとんどのランナーが「そろそろ買い換えようかな」となるかと思います。でも、実際にシューズを買い替えるべきタイミングは4番目の、ソール材のクッション性がなくなったときです。

アッパーはまだキレイで、アウトソールの削れも許容範囲内、シューズも変形しているように見えない。でもソール材がすでに機能していないということがよくあります。まずはソール材の劣化が要注意ポイントであることを頭に入れておいてください。

シューズによって寿命が違うのはソール材が違うため

ランニングシューズのミッドソールには、EVAと呼ばれる素材がよく使われています。耐候性がよく、軽量で反発力もあり、接着性にも優れています。そして何よりもコストが安いという点でランニングシューズに採用されています。

ところが最近はランニングシューズメーカーが競って、クッション性が高く反発力のある超軽量なソール材を開発しています。アディダスのBOOSTやナイキのZOOM Xなどがそれにあたります。

これらの独自開発のソール材がどのような特性があるかは公表されていませんが、当然それぞれに特性が違い、寿命も変わってきます。ZOOM Xを使ったヴェイパーフライ4%は160km程度が寿命とされていますが、同じナイキのリアクトフォームは800km走れます。

耐久性に優れるリアクトフォームでも800km程度が寿命ですから、EVAソールの場合はそれ以下で寿命を迎えます。

ソール材が160kmで寿命を迎えるなら、当然そのランニングシューズは160kmが寿命となります。800kmで寿命を迎えるなら、アウトソールの削れが先にやってくるかもしれません。

ここから分かるのは、シューズの寿命はソール材の種類によって大きく変わるということと、ソール材の寿命は長くても800km程度がいいところだということです。ということは、ランニングシューズの寿命も長くて800kmということになります。

アウトソールの減り方はランナーごとに違う

ソール材はランニングシューズの寿命に大きく影響しますが、もうひとつシューズの寿命に大きく影響するのが、アウトソールの削れです。アウトソールにはゴムを採用しているシューズがほとんどですが、理屈の上ではアウトソールがソール材よりも早くダメになることはありません。

でも、実際にはアウトソールが削れてしまい、ランニングシューズがダメになることがよくあります。アウトソールに使われるゴムは圧縮には強い素材ですが、摩耗性はそれほど高くありません。

例えば足裏全体で着地して、地面を押し出すようにして足をリリースすればアウトソールはほとんど摩耗しません。でも、実際には地面を蹴り出すように走る人がほとんどですし、前に進んでいる以上、どうしてもアウトソールとアスファルトの表面で擦れて摩耗します。

ただ、どれくらい削れるのかはランナーごとに違います。体重が重い人や地面を強く蹴り出す人ほど削れやすく、体重が軽い人や、地面を蹴り出さずに押し出す人はアウトソールが長持ちします。

それはソール材にもいえることですが、ソール材は変形するだけで、物理的に減ってしまうわけではありません。アウトソールは削れてなくなるので、ランナーの特性がシューズの寿命に影響するというわけです。

アウトソールが削れたランニングシューズを履き続けるとどうなるのか

アウトソールのゴムが削れてもシューズに穴が開くわけではなく、ミッドソールが見えてくるだけです。このため、アウトソールが削れてボロボロになっているのに履き続ける人もいますが、これはもちろんNGです。

アウトソールが均等に削れているなら問題ありませんが、まず間違いなく、1〜2ヶ所だけが集中して削れているはずです。多いのは踵の外側が削れてしまっているケースですが、この状態で走り続けると、足に必要以上の負荷がかかります。

場合によっては足やフォームに、変なクセがついてしまうこともあります。アウトソールが削れすぎたランニングシューズを履き続けると、当然ケガを誘発します。そこまでいくと削れというよりは変形ですので、そうなる前に買い替えてください。

ランニングシューズを買い替えるタイミング

ここまでの説明ですと、結局いつランニングシューズを買い替えるべきか判断できないかと思いますので、最後にもう少し踏み込んで買い替えのタイミングについて説明します。

●シューズにクッション性を感じなくなった
●アウトソールが削れてミッドソールが表面に出てきた

基本的にはこの2つを基準としてください。難しいのはシューズのクッション性です。クッション性はゆっくりと低下していくので、実際にクッション性がなくなったかどうかは自分ではなかなか判断できません。

しかも足を鍛えるという視点で考えると、クッション性が低下しても実はトレーニングにおいてはなんら問題はありません。そう考えると、トレーニング用のランニングシューズはアウトソールが削れてミッドソールが顔を出すまではOKと考えておくのが妥当です。

ミッドソールが少しくらい見えても構いませんが、そこからは足に必要以上に負荷をかけているという意識だけは持っておいてください。そのうえでどのタイミングで買い替えるかどうかはお財布と相談して着ましょう。

レース用シューズを1年に1回購入するサイクルがおすすめ

月間走行距離が300kmや400kmにもなる人の場合には、トレーニングシューズは2〜3ヶ月で買い替えることになるはずです。でも、月間走行距離が100km以下というようなランナーさんですと、シューズは1年以上使えたりもします。

ランニングシューズは経年劣化すると言われていますが、ゴムとソール材の接着剤でも3〜4年は持ちますし、アウトソールのゴムそのものもそれくらいは使えます。ただし、EVA以外のソール材がどれくらいで経年劣化するかは未知数です。

発泡しているものほど寿命が短いような感覚はありますが、あくまでも感覚ですので、実際には分かりません。ただ、4年も5年も使えるということはありません。

メーカーも買い替えてもらわないと商売になりませんので、4〜5年も使えたら完全にオーバースペックです。かといって1年でダメになったのではクレームが来ます。そう考えると最新素材でも2〜3年がいいところでしょう(あくまでも推定です)。

それらを踏まえて、RUNNING STREET 365としては、あまり走らないランナーでも1年に1足の買い替えをおすすめします。新しく購入したものは、足に馴染むまで履いてからレース用にして、前年度レース用にしたものとトレーニング用にしましょう。

もしトレーニング用になったランニングシューズが寿命になったと感じたら、トレーニング用に1足買い増ししてください。

ただし、これはあくまでもそれほど距離を走らないランナーの話です。フルマラソンをサブ2.5で走るようなシリアスランナーですと、選ぶべきレースシューズとトレーニングシューズ、リカバリーシューズと意図的な使い分けが必要です。

そうではなく、トレーニングもレースもペースが変わらないというランナーなら、1年に1足購入して、それをレース用に使って、お古をトレーニングに使うというローテーションがおすすめです。

ちなみにシューズの購入は毎年ランニングマガジン・クリールさんが主催しているシューズトライアルで試し履きしてからの購入がおすすめです。シューズトライアルについてはまた別途お知らせしますが、今年は9月28日開催です。

気になる人は先にこちらをチェックしておいてください。