筋トレが走力回復の鍵!夏のうちに走れる体を取り戻そう

  • 2021.08.10
  • (更新日:2021.08.09)
  • コラム
筋トレが走力回復の鍵!夏のうちに走れる体を取り戻そう

20代や30代から走り始めた人は、40代以降は記録が伸び悩むだけでなく、目に見えて完走タイムが落ちてきたと感じているのではないでしょうか。月間走行距離はそれほど変わらないし、ポイント練習もしているのになぜかタイムに結びつかない。

それを加齢のせいにするのは簡単ですが、実は筋トレをするだけで走力がかつてのように戻ってくる可能性があります。筋トレはとても地味なトレーニングで、前に進んでいる感覚もなく苦手という人もいると思いますが、走力を取り戻したいなら、この夏は真剣に取り組んでみてはいかがでしょう。

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筋力は1年で0.5〜1%程度低下していく

まず頭に入れておいて欲しいのが、私たちの筋力は20代がピークで、そこからは1年に0.5〜1%程度ずつ減っていきます。20歳の筋力を100だとすると、40歳には80〜90くらいまで下がります。もちろん個人差がありますが、10%も落ちていたら、かつてのように速く走れなくて当然ですよね。

学校で「F = ma」という公式を習ったのを覚えているでしょうか。ニュートンの運動方程式です。Fは力、mは質量、aは加速度です。この公式を変換すると「a = F/m」になります。加速度aはスピードに影響しますので、スピードは力に比例し、体重に反比例します。

力が大きければスピードを出しやすく、体重が重いとスピードは落ちます。体重に関しては今は置いておくとして、シンプルにパワーがないとスピードを出せないということが重要です。これは物理的に決まっていることで、スピードは筋力で決まります。

マラソンは持久力のスポーツだから筋力なんて関係ないと思っているかもしれませんが、トップランナーはキロ3分で走ります。これは100mを18秒で走ることになります。このときフルパワーでなんとか18秒で走れるのと、70%くらいの力で18秒で走れるのでは持続力がまったく違うのは容易に推定できますよね。

筋力が高いほど足に余裕ができるわけです。なのに加齢とともに筋力が落ちている。記録を出せなくなる理由のひとつはここにあります。逆に考えれば、筋力を10〜20%上げれば、20代の頃のように走れることになります。さらにそこに経験が加わるので50代でも60代でもまだまだ自己ベスト更新は狙えます。

スクワット・ダッシュ・ジャンプを週2回

筋トレをすると言ってもジムに通う必要はありません。ランナーの筋力アップは筋肉をできるだけ太くしたくないので、器具を使わずに自重でトレーニングするのがおすすめです。もちろん器具を使ってもいいのですが、それにはきちんとした知識を持ったトレーナーにメニューを組んでもらう必要があります。

  • スクワット
  • ダッシュ
  • ジャンプ

基本的にはこの3つをバランスよく行えば筋力は回復します。特に効果的なのがスクワットで、これはトップランナーでも定期的にトレーニングとして取り組んでいます。スクワットにはいくつも種類がありますので、3〜5種類を組み合わせるのがおすすめです。

ダッシュは短い距離を全力で走るだけ。50mもあれば十分です。もし近所に坂道がある場合には、上り坂を利用してダッシュしましょう。坂道で行うことで心肺機能の向上も期待できます。坂道がない場合には平地でも構いません。普段のランニングとは違い、しっかりと地面を蹴ることを意識しましょう。

そしてジャンプですが、これは縄跳びで十分です。縄跳びにもいろいろありますが、おすすめなのは片足跳び。片足で飛ぶことで、前足部での着地となるので、足裏の柔軟性も手に入れることができ、そして筋持久力もアップします。ちなみに縄跳びはランニングよりもダイエット効果があると言われています。

これらのトレーニングを週2回行ってください。最初は週1回でもいいのですが、かつての筋力を取り戻したいなら週2回、かならず中2日を開けて行ってください。スケジュールが組めず2日連続になるというのは避けてください。日曜日に行ったら、次は水曜日か木曜日です。

リカバリーの期間を設けるのが筋トレの基本です。回復しているときに筋力があが上がりますので、できるだけ回復を促せるように、たんぱく質の摂取と十分な睡眠を心掛けてください。これを3ヶ月程度続ければ、スピードの回復を実感できるはずです。

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合わせて取り入れたいサボリ筋トレーニング

せっかく筋トレを行うのであれば、最近話題のサボリ筋トレーニングも取り入れていきましょう。サボリ筋というのは、使われずにサボっている状態にある筋肉のことです。詳しくは下記書籍を参考にしてもらいたいのですが、これを行うことで、頑張りすぎて硬くなった筋肉が柔らかくなります。

体のバランスも改善されるのケガの予防にもつながります。これまでサボっていた筋肉ですので伸び代が大きく、さらに短期間で使える筋肉になり、結果的に出力がアップします。実際に取り入れてみるとわかりますが、脚の形がまったく違ったものになります。

これまで頑張りすぎていた筋肉が緩み、その筋肉の出力が下がるので最初は一時的にスピードが落ちてしまう可能性がありますが、継続することでトータルの出力はアップします。こちらは筋トレというよりはストレッチに近いトレーニングですので、毎日行うのが理想です。

1つのトレーニングは10秒で完結しますので、スキマ時間を見つけて実践してみてください。サボリ筋を使えるようになると、走力が戻るだけでなくプラスアルファのスピードが手に入ります。かなりおすすめですので、伸び悩んでいる人はぜひ導入してみてください。

すぐには効果が出なくても確実にタイムが伸びます

筋トレはとても地味でなかなか効果を実感できません。筋力がアップしてもそれを使いこなせないと、レースではオーバーペースになって後半に失速するようなこともあります。でも継続していれば自然とタイムは上がっていきます。むしろタイムが上がらない理由がありません。

大事なのは週2回の筋トレを継続していくこと。これをやらなくなると、筋力はまた下降線をたどっていきます。まずは騙されたと思ってこの夏のトレーニングは筋トレをメインにしてみましょう。週2回の筋トレにジョグを組み合わせるだけ。

取り入れる前に1kmのタイムトライアルをしておき、1ヶ月経過したときにどれくらい伸びているかチェックするといいでしょう。ただし1ヶ月ではタイムとしては現れない可能性はあります。でもスピードを出せる感覚は身についているはずです。

「こんなにも走れたっけ?」と不思議に感じるかもしれません。その状態で満足せずにしっかりと筋トレを続ける。十分に筋肉が付いてきたと感じたら、そこからポイント練習などを導入しましょう。まずは筋トレで走れる体を作ることが先です。これをせずにポイント練習をしても効果は限られています。

筋トレはとても面倒なトレーニングですが、40代50代のランナーでこれほど手っ取り早く結果を出せるトレーニング方法はそう多くありません。出費も縄跳び1つ分で済みますので、すぐにでも100円ショップに向かって縄跳びを購入し、週2回の筋トレを始めてみてください。

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