日本一早いマラソンレポート「第32回大山登山マラソン」

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フルマラソンだけが挑戦すべきマラソンではない。フルマラソンよりも短い距離だからこそ、楽しめるマラソン大会がある。第32回大山登山マラソンはそんなことを教えてくれるマラソン大会です。

ただ速いだけでは攻略しきれず、なおかつ敵は同じコース上にいるライバルたちではなく、あくまでも自分自身。何度もこの大会に出ているランナーたちは、過去の自分と競い合うことになります。

そして過去の自分を超えていくために、ランナーたちはここに集まります。

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2017年の大山登山マラソンは、全国から2700人を超えるエントリーがありました。マラソンシーズンの真っ只中にも関わらず、10kmにも満たないこの大会に全国からランナーが集まる理由は、1時間前後で走り終えるにも関わらず、そこで得られる達成感が大きいからかもしれません。

全長9kmのコースをただひたすらに上ります。600mを超える高低差。そして今年は天気が良かったこともあり、昨年を遥かに上回る沿道の声援がランナーたちに送られる、日本中探しても他では見つからない大会がここにはあります。

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30回を超える大会に共通しているのは、古きよき時代の日本を感じることができる大会運営と、そして運営者たちの寛容さです。表面上はルールなど厳格に設定されていて厳しいのですが、実際にそれぞれのスタッフが柔軟すぎるほど柔軟に対応してくれます。

清濁併せ呑む運営という言葉がしっくりくるのが、大山登山マラソンの特徴です。最近のマラソン大会は、四角四面にガチガチにルールを決めて、とにかくトラブルが発生しないようにする方向がありますが、大山登山マラソンはルールを設定するものの、現場での対応に柔軟性があります。

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その結果として大きな不満も出ず、走り終えた後に「また走りたい」と思えるような大会に仕上がっています。32年の歴史というのは決して小さなものではありません。

コースはすでに紹介しましたように、全長9kmで、徐々に傾斜が厳しくなるコースで、7km以降はまさに壁を上っているような感覚になり、なおかつそのあと1kmのトレイルコースはランナーに残された最後のエネルギーをすべて奪い去ります。

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手を抜けばどこまでも楽に走ることができるものの、追い込めば追い込むほど自分を苦しめることができます。ランナーは本質的に挑戦することが好きで、厳しければ厳しほど楽しくなってきます。それの象徴が大山登山マラソンです。

レースは50代、40代、30代といったようなウェーブスタートを行うため、片側1車線のコースでもそほど窮屈さを感じません。もちろん十分広いかというと、コース幅の狭さは否めませんが、それではコース幅が倍あればタイムが数分速くなるかというとそうでもありません。

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結局のところ、自分のペースでコツコツ走ることができる人が、力を発揮して最後まで走り抜くことができます。

それは敵はライバルではなく、自分だと紹介した理由でもあります。

誰かよりも速く走ることではなく、自分をしっかりとコントロールして、スピードを上げすぎず、かといって抑えすぎずに絶妙なバランスを保って走る必要があり、精神力の強さや、走力の高さ、ランナーとしての質の高さが求められます。

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そうやってたどり着いた大山登山マラソンのゴールでもある阿夫利神社下社では、ミシュランガイドの二つ星に認定された絶景を堪能することができ、そして温かいぜんざいとお粥で疲れを癒やすことができます。

全力を尽くして、力の一滴も残していないランナーはケーブルカーで下山をして、まだまだ余力があるランナーは、上ってきた道よりも険しい男坂を駆け下りて、9kmの道を逆走してスタートに戻ってきます。

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もしかしたら、大山山頂にまで走っているランナーもいるかもしれません。幅広い楽しみ方ができるのも大山登山マラソンの魅力のひとつです。

ゴール後には大会会場で生ビールを300円で買うことができ、伊勢原のB級グルメも販売されていますので、その場で仲間と打ち上げするもよし、商店街にあるお店で打ち上げすることもできます。

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ただし、2700人を超える参加者に対して、伊勢原の居酒屋のキャパが足りていませんので、もし来年以降に仲間と参加する場合は、打ち上げ会場を予約しておくほうがいいかもしれません。レース後には街のあちこちに居酒屋難民が発生していました。

とはいえ、そういうことは些細なことで、とにかく走ることを楽しみたい。もっと自分を追い込みたいという人には、大山登山マラソンは本当におすすめです。温かい沿道の声援と、間違いのない運営。そして他に類を見ない上り坂コース。

まだ味わったことのない人は、ぜひ来年以降の参加を検討してください。

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