新型コロナウイルスの影響で全国的にマラソン大会が中止になりました。日本ではウイルスの拡大は防げている状態ですが気が抜けませんし、世界的な流行はここからさらに進みそうですので、しばらくは収束が見えそうにありません。
そんな状況でも、秋マラソンのエントリーが始まりつつあります。ここで悩ましいのはエントリーするかどうかということです。さすがに秋には収束していると思いたいところですが、絶対に大丈夫とは言えません。じゃあ私たちランナーはどうすればいいのか。
今回はそんなお話をしていこうかと思います。
秋に収束しているかどうかはわからない
1番大事なことから話しておきましょう。新型コロナウイルスが今年の秋に収束しているかどうかは誰にもわかりません。暖かくなるとウイルスの活動が弱くなるという噂もありますが、明確な根拠があるわけではありません。
もちろん収束しないという根拠だってありません。
だから「わからない」が実情です。それ以上でもそれ以下でもありません。ということは、今エントリーをして秋に開催されない可能性は十分にあります。そう考えるとエントリーするのに躊躇しますよね。それは無駄にお金を払うことになりますから。
でも大前提として頭に入れておかなくてはいけないことです。反対に「どうなるかわからない」ことを前提にしておけば、自分がどうすべきかということが見えてきます。
秋大会が中止になったときに考えられること
もし秋になっても新型コロナウイルスが収束していなかった場合どうなるか。この場合考えられるのは3つあります。
- 返金されず参加賞だけ送られてくる
- 返金される(一部返金もしくは全額返金)
- 2021年度にスライド
規約に従えば、今回のように返金されないというのが当然の流れです。ただ、今回中止になった大会の多くは、返金されないことに批判がありました。それが背景にあるので参加者を募集する大会は、中止されたときの対策を考えてくるはずです。
ただ、保険に入るという選択肢はありません。現状ではリスクが高すぎて保険会社が加入させてくれませんので。そもそも大会運営側が返金保証のある保険に入れば、間違いなく参加費は上がってしまいます。
そう考えると中止になった場合には、2021年大会にスライドするという対応が考えられます。返金すればいいじゃないかと思うかもしれませんが、数万人の口座に返金するのにかかる労力を考えると現実的ではありません。
ただ、返金を受けるか翌年へのスライドかを選択ができる大会も出てくるはずです。いずれにしても無策な大会はないはずです。ただ、それも希望的観測ですので返金されない可能性だって十分にあります。こういう場合には最悪の状況を想定して考えましょう。
返金されないことを前提にエントリーする
私たちランナーはどうすればいいのか?その答えはそれほど難しくありません。これまで通り、出たい大会にエントリーすればいいだけです。ただ、これまで以上に中止になるリスクが高いことを頭に入れておくことです。
これまで中止になるリスクはそれほど高くありませんでした。ここ数年は秋に台風が上陸しているのでそこそこリスクはありましたが、現時点ではそこに新型コロナウイルスの影響も加わるので、中止になる確率は50%以上あります。
こういう場合にはシンプルに考えてください。
- 中止なる可能性は高い(現時点では)
- 中止になったら返金されない
エントリーするかどうかを検討するときに、この2点を頭に入れておいてください。それでも走りたいならエントリーすればいいんです。お金が戻ってこないのは困ると思うならエントリーせず、そうなっても仕方がないと思えるならエントリーするだけのことです。
エントリーをギリギリまで遅らせる
おそらく多くの人がマラソン大会の申込みを躊躇するはずです。このため、先着順のマラソン大会は定員に達するのにそれなりに時間がかかるはずです。ですので、慌てて飛びつく必要はありません。ギリギリまでエントリーしないというのもひとつの手です。
もしそれで定員が埋まったら仕方のないことです。損をしたわけではありませんし、マラソン大会を走らなかったからといってランニング人生が終わるわけでもありません。
ただ長崎平和マラソンだけは、どうも世の中での注目度が高いように感じます。県民優先枠はなんと1時間で埋まってしまいました。長崎平和マラソンだけは出たいと思っているならエントリー日である3月25日の20時ちょうどに申込みましょう。
中止になったら、それはもう運が悪かったと思うしかありません。長崎平和マラソンは被爆75周年という節目に開催される大会ですので、来年の開催があるかどうかもわかりません。気になる人は先送りせずに申し込みしてください。
思い入れのある大会だけに絞ってエントリーする
返金されないことよりも、開催されているのに走れないほうが自分にとってダメージが大きい。これが現時点で秋マラソンにエントリーするかどうかの基準になります。返金されないのは嫌、開催されているのに走れないのも嫌というのは残念ながら通りません。
すでにお伝えしましように、返金やスライドといった選択肢が出てくるかもしれませんが、公表されていないことを期待すべきではありません。これまで通り「中止になったら返金されない」と考えておきましょう。
そういう意味では「10年出場続けている」「この大会だけ走っている」というような思い入れのある大会だけに絞るのがおすすめです。秋に1レース、冬に1レースくらいで考えておきましょう(ほとんどの人がそうでしょうが)。
1レースに絞って、そこでベストを尽くすために準備をする。そういうスタンスでのマラソンに挑むのも面白いものです。
また中止になっても観光に行きたい。そういう場所もエントリーしていいのではないかと思います。秋までこの状況を引っ張っていたら観光地はかなりのダメージを受けています。お金を使わないと経済は回りませんし、観光業で食べている人たちは生活ができません。
そういう人を支援するというほどではありませんが、走らなくても行ってみたいという場所へのエントリーをしておけば、中止になっても精神的ダメージは小さくなります。むしろ観光の時間が増えるのでちょっと嬉しかったりするかもしれません。
まとめ
マラソン大会を走れなくてもランニング人生が終わるわけではありません。この国には整備された道がたくさんあり、歴史ある街道も残されているので、走る場所なんて無数にあります。マラソン大会ではなく、そういう場所を走るのも面白いものです。
ただ、マラソン大会はモチベーションアップになりますし、それが自分のレベルアップにつながります。ですので、目標を設定するという意味でも1つくらいはエントリーしておきたいところです。自分にとっての希望にもなりますし。
とはいえ絶対に開催されるわけではないので、返金されないリスクもきちんとわかった上でエントリーしてください。中止になったときに返金やスライド対応してもらえればラッキーくらいに考えておくといいでしょう。
反対に返金されないことは納得できないというのであれば、秋マラソンのエントリーは控えましょう。ただ、マラソン大会というのはそういう仕組であり、平時でも必ずそのリスクが伴います。
落ち着いたら保険に加入して返金される大会も増えるでしょうが、しばらくは保険会社も加入させてくれないでしょう。加入できても新型コロナウイルスの影響での中止は支払対象外になるはずです。そしてマラソン大会の参加費も上がってしまいます。
結論としては「どうしても走りたい大会なら損を覚悟でエントリーする」ということになります。あたり前のことを大げさに書いてしまいましたが、あれこれ考えずにこれだけ頭に入れておけば、迷うことなく自分で判断できるはずです。