ランニングパフォーマンス向上のためには、「練習・食事・休養」の3本柱が重要というのは、RUNNING STREET 365でも何度もお伝えしています。特に休養では睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠の質を高めることが求められますが、睡眠の質を高めるというのは意外と大変だったりします。
ところがエアウィーヴとスタンフォード大学との先行研究で、「エアウィーヴでの睡眠が運動パフォーマンスを向上させる」ことが発表されました。その発表を踏まえて、睡眠の質がランニングにどのような影響を与えるのかを考察していきます。
エアウィーヴが運動パフォーマンスを上げる
これまでの研究では、エアウィーヴで寝ると低反発マットレスで寝たときに比べて、入眠時の深部体温が下がり、深い睡眠を得られることがわかっています。ランナーによって寝具の好みの硬さが違うものの、眠りの深さや質を高めるということにおいては、高反発マットレスのエアウィーヴが優れています。
ただ眠りの質が良いからといって、運動パフォーマンスが上がるかどうかは別問題かもしれません。そこで、今回はエアウィーヴで寝ると、どれくらい運動パフォーマンスが上がるのかをチェックする研究が行われました。
研究は2種類あります。
- 研究Ⅰ:エアウィーヴと低反発マットレスの比較
- 研究Ⅱ:エアウィーヴありとエアウィーヴなしの比較
それぞれの条件で被験者チームを2つに分け、エアウィーヴとそれ以外の寝具を4週間もしくは6週間ごとに入れ替えています。運動パフォーマンス種目は40m走・立ち幅跳び・スタードリルの3種類で、いずれも有意にエアウィーヴで寝たほうが有意に優れているという結果が出ました。
研究Ⅱでのエアウィーヴありとなしでの運動パフォーマンスの違いは下記のようになっています。
僅かの差と思うかもしれませんが、寝具を変えるだけで例えば40m走で0.06秒も速くなります。立ち幅跳びも、スタートドリルも記録が向上していますので、これは決して無視できる結果ではありません。
睡眠が調和の取れた筋肉の協調性をもたらす
なぜ質の高い睡眠が運動パフォーマンスを高めるかというのは、「筋肉の協調性」が影響しています。ランニングに限らず、あらゆるスポーツにおいて結果を出すにはコンディショニングが重要ですが、このコンディショニングを高める要素のひとつが筋肉の協調性で、それを高めるにはメンタルの向上や質の高い睡眠が求められます。
睡眠というと疲労回復ばかりが注目されがちですが、実は睡眠は疲労回復だけでなく筋肉の協調性を高める効果もあります。しっかりとした睡眠を確保することで、自分の思い通りに体を動かせるようになり、運動パフォーマンスが上がるというわけです。
もちろん協調性も疲労も睡眠だけが影響するわけではなく、様々な要素が重なってレース結果となります。睡眠の質だけを高めても、他が悪くなると運動パフォーマンスは落ちてしまいます。でも質の高い睡眠がいい結果につながるなら、やらないのはもったいないですよね。
この理屈で考えれば、質の高い睡眠ができればマラソンタイムも向上します。競技時間の長いマラソンであれば、睡眠の差がもっと大きなタイム差になることも考えられます。睡眠の質を高めることで、疲労回復と筋肉の協調性を高まる。だとすれば、寝具を変えることで過去の自分を超えていける可能性もあります。
高反発マットレスを選ぶことでワンランク上を目指せる
人によって寝具の相性があるとは思いますが、今回の調査結果からは高反発マットレスのエアウィーヴを選ぶことで、睡眠の質が高くなり、好記録を出しやすくなることがわかりました。ではランナーはどうすればいいのか?わかりやすいのは、寝具をエアウィーヴにすることです。
エアウィーヴはトップアスリートも使っていて国立スポーツ科学センターにも導入されている寝具ですので、信頼性も高いので間違いのない寝具のひとつです。ただ品質が優れているので、価格はやや高めで簡単には手が出ないという人もいるかと思います。
そういう場合には、品質が少し下がるかもしれませんが、「高反発マットレス」をキーワードにしてAmazonなどで検索してみましょう。リーズナブルな高反発マットレスがいくつも見つかります。ただ品質はピンからキリまでありますので慎重に探しましょう。
また、これまで低反発マットレスを使っていた人は、寝心地が変わることで最初は寝付きや眠りの深さが悪くなることも考えられます。体が適応して馴染むまでは運動パフォーマンスも上がってきませんので、しばらくは睡眠の質が下がる可能性があることも頭に入れておきましょう。
そういう意味でも、やはり間違いないのはエアウィーヴです。良質な睡眠は仕事でのミスも減らす効果がありますので、そろそろ寝具を買い換えようかなと考えているなら、思い切ってエアウィーヴを試してみてはいかがでしょう。