日本一早いマラソンレポート「いわて盛岡シティマラソン2022」

3年前に第1回大会が開催されたものの、2回目以降は中止が続き、ようやく3年ぶりに第2回の開催となったいわて盛岡シティマラソン。参加者数が4,000人ちょっとで定員割れしてしまいましたが、それでも秋の盛岡を多くのランナーが笑顔で駆け抜けました。

歴史が浅いということもあり、どのような大会なのか気になっているけど、まだ出場したことがないという人のために、今回は実際にコースを走って感じたことをレポートしていきます。来年以降に出場したいという人は、ぜひ参考にしてください。

目次

ゼッケンの受け渡しは前日受付と事前送付(有料)を選べる

いわて盛岡シティマラソンは前日受付ありのマラソン大会で、基本的にはランナーは前日に盛岡タカヤアリーナで受付を行う必要があります。ただし、事前に前日受付ができないことがわかっている場合には、申し込みをするときに、500円で事前送付に切り替えてもらえます。

盛岡タカヤアリーナは盛岡駅から約2kmのところにあり、徒歩なら30分くらいで行けますが、受付のためにシャトルバスが出ています。ホームページでは15分おきに出発と書いてありましたが、実際には参加者が予定よりも減ったのもあり、30分に1本になっていました。

私が到着した時点で出発したばかりだったので、待っている時間がもったいなかったのもあり、歩いて移動してみました。前日に少し体を動かしておきたいという人は、ジョグで行くと15分くらいなので往復30分でちょうどいいかもしれません。

遠征組はホテルにチェックインして、そこから受付まで走るのがおすすめ。エネルギーを少しでも残しておきたいなら多少待ってでもシャトルバスを利用しましょう。ただ距離感を掴んでおくと、レース後にバスを使うか歩いて戻るかの判断がしやすくなります。

そう、盛岡タカヤアリーナはいわて盛岡シティマラソンの大会会場になっており、ゴールした後の更衣室として利用できます。飲食ブースも充実しているので、走ったあとにしっかりと栄養補給できます。それも岩手や盛岡ならではの料理も多くかなり楽しめます。

コースは小さなアップダウン&前半上りの難コース

大会のコースは盛岡城跡公園北側の道路をスタートし、市内を走りながら御所湖を目指します。御所湖手前まではそこまでは緩やかな上り基調ですが、フラットではなくアップダウンが繰り返されるのでペースを掴みづらい難コース。

しかも御所湖の手前、25km地点から約1kmの上り坂は勾配がきつく、ここをどう走るかでタイムが大きく変わります。後半に差し掛かったところなので、強引に登ると体力を消耗するので残り数キロで大失速する可能性もあり、多少のロスはあっても心拍数を上げずに走るのがコツ。

今回はA〜Dブロックに分けられており、私はCブロックからのスタート。当初5時間で走る予定でしたが、いろいろあって、サブ3.5を目指すことになったのもあって、最初の2kmの渋滞はかなり精神修行になりました。

前に行きたいけど、道が狭すぎるので耐えるしかありません。2kmを超えたところで道が一気に広くなるので、最初の2kmは2分くらいのロスになると考えてください。またCブロックの後方からのスタートで、スタートロスは3分25秒ありました。

全体的に道は狭いところが多いのですが、参加人数が少ないのもあり1度バラけてしまえば、そこまで狭さを感じることはありません。むしろ沿道との距離が近くなるという利点があり、なおかつ他のランナーと近いので引っ張ってもらいやすいというメリットも。

ただし、路面に穴が空いている場所がいくつかあり、もしかしたら足を引っ掛けてしまった人もいるかもしれません。マラソンのために直すというのは難しいのかもしれませんが、一時的に塞ぐなどの対応をしてもらえるとありがたいですね。

自分の走りに集中できるけどポイントごとの声援もあり

都市マラソンとくらべると、沿道の声援は決して多いとは言えません。途切れない声援でもないのですが、それでも自宅から出て応援してくれる人もいれば、車でスポットを巡って応援している人もいて、寂しいという感じはありません。

本当はNGとされているのかもしれませんが、エイドでも若いボランティアさんが中心になって盛り上げてくれているところに優しさや温かさを感じました。マラソンの応援で「声出し」をどうするかというのは悩ましい問題ですが、ランナーとしてはやはり声援は力になります。

声援がない区間は自分と向き合うことになりますが、私はそれもマラソンの醍醐味だと思っています。沿道の人たちとの何気ないコミュニケーションも好きですが、マラソンはやはり孤独なスポーツです。だから体の声を聞きながら淡々と走る時間も好き。

いわて盛岡シティマラソンは、その淡々と走る時間が長いのですが、目の前の風景がどんどん変わっていくので、42.195kmを長く感じることはなく、むしろあっという間にゴールまでたどり着いた感じもあります(これは個人差があると思いますが)。

淡々と走りながらも、いいところで地元の方が背中を押してくれるので、気持ちが折れることがありません。この3年間ずっと閉じ籠もるような日々だったのだと思うと、胸が苦しくなる瞬間もありますが、こうやって迎えてくれることには感謝しかありません。

マラソンはランナーだけで成立しているわけじゃないんだなと、そんな当たり前のことを思い出させてくれる42.195kmになりました。今回で2回目の開催ですが、これが10回20回と続けば盛岡の新しい文化になり、盛岡ならではの温かい応援を求めてやってくる人も増えるような気がします。

5,000人規模の大会だからストレスなく走れるマラソン大会

走り応えのあるコースで、場所によっては道幅も狭くタイムを狙うのは簡単ではありません。1kmごとの表示も「本当に1km?」と思うようなところもありましたが、トータルで考えると2回目の開催とは思えないほど完成度が高い大会でした。

5,000人規模、今回の参加者が4,250名程度だったというのが良かったのかもしれません。1万人規模になると受け入れる側もキャパオーバーになって、ランナーを満足させることが難しいのですが、5,000人なら盛岡市の規模で対応できない人数ではありません。

スタート地点のトイレも、一見すると少ないように感じましたが、そこまで大行列になることもなく、ゴールしてから荷物を受け取り、更衣室にまで行くの動線もしっかりとしています。大会会場もローカルな雰囲気でアットホームな感じがあります。

第1回大会がどうだったのかわからないので推定になりますが、この3年間でかなり試行錯誤を行ったことが伝わってきます。ランナーに喜んでもらいたい、良い大会にしたいという熱意が感じられるので、これを継続すればきっと人気の大会になるはず。

参加する側も、関東圏からなら東北新幹線があるのでかなりアクセスしやすい大会です。それもスタート会場もゴール会場も盛岡駅から徒歩圏内。コンパクトに収まっていて、観光スポットや盛岡ならではのグルメもあって、そして何よりも紅葉が美しい季節。

課題があるとすれば、雨が強く降ったときの対応でしょうか。スタート会場の盛岡城跡公園は土の路面なので、大雨が降ると滑りやすくかなり危険です。預け荷物を受け取る駐車場は屋根もなく、ビニール袋に入れるにしても濡れてしまいます。

こういうのは実際に雨が降って問題が発覚しないと改善されないのでしょうが、参加する側はそれなりの準備をしておく必要があります。また、今回は事前の健康チェックがありましたが、あれも自己申告なのでほぼ意味がないことです。

対策としてやらなくてはいけないことはわかりますが、「形だけやる」はそろそろ終わりにしたほうが、手間もかけずに済むのでいいように感じます。もっとも今回は仕方ないところもあります。そういう部分は次回以降に期待するとしましょう。

にぎやかな都市マラソンが好きという人にはあまりおすすめしませんが、自分と向き合うマラソンが好きという人や、景色を楽しみたいという人はきっと楽しめる大会です。参加して失敗したというようなことにはならないかと思いますので、まずは1回参加してみてはいかがでしょう。

いわて盛岡シティマラソン:https://iwate-morioka-city-marathon.jp

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次