【リーニンのランニングシューズって走れる?】LI-NING「SUPERLIGHT 23」でハーフマラソンを走ってみた

RUNNING STREET 365は万里の長城マラソンの日本事務局も兼ねていることもあり、毎年春と秋の2回は北京で日本人参加者をサポートしています。大会翌日には無料の北京ガイドをしているのですが、今年の春大会翌日に中国のスポーツブランドが集まるショッピングモールも案内してきました。

そこでリーニン(LI-NING)のショップでランニングシューズを見ていたら、デザインも軽さも好みの「LI-NING SUPERLIGHT 23(李宁超轻23)」にひと目惚れ。その場では購入しませんでしたが、やっぱり欲しくなって帰国後に購入。さっそくトレーニングとハーフマラソンで履いてみたので、中華シューズの現在地をレポートしていきます。

目次

ほのかに中国を感じられるデザインにひと目惚れ

日本人の多くが、いまでも中国メーカーのランニングシューズに対して「安くて品質が劣る」といった印象を持っているのではないでしょうか。そんな中で日本のトップランナーである大迫傑選手がリーニンと契約し、リーニンのシューズで日本記録を更新したというのはちょっとした衝撃だったはずです。

実際に、中国メーカーが力をつけてきたのはパンデミック後のことで。トップレベルのテクノロジーを手にしたのは本当にこの数年のことです。その中でも急激に力をつけてきたのがリーニンで、すでに世界中で注目される存在となっています。

その性能の高さは大迫選手がすでに証明しているので、あえてここで長々と述べる必要はありませんが、「でもそれってフラグシップモデルだけでは?」と疑っている人もいるかと思います。私たちが手にしやすい1万円台前半のランニングシューズになると、性能はまだまだではと思いたくなる気持ちはわかります。

毎年何度も中国を訪れている私でも、中国メーカーのランニングシューズを購入するときは「見た目」重視で、機能面までは考えていません。今回購入したLI-NING「SUPERLIGHT 23」も、北京のリーニンショップでひと目惚れし、手にしたらあまりにも軽かったので、これなら走れそうと感じて購入しました。

もし思ったようなスペックを備えていなくても、このデザインなら普段履きにもできそうです。中国デザインを主張しすぎることなく、ほのかに中国らしさを感じられるのは、和の心に通じるものがあります。

そして興味深いのが前後に分割されたミッドソール。これはリーニンのお家芸ともいえるミッドソールのスタイルなのですが、それがまたデザイン面での魅力となっています。とにかく美しい。私としてのLI-NING「SUPERLIGHT 23」の魅力はそれに尽きます。

SUPERLIGHT 23の軽さがすべてを解決してくれる

「SUPERLIGHT」の名前からもわかりますように、「SUPERLIGHT 23」の機能面での強みは「軽いこと」にあります。25.5cmの実測値が180gしかありません。私の場合、ランニングシューズは220gを切るくらいで「軽い」と感じますが、それよりも約40gも軽量です。

ただ、特徴的な強みはそれだけで、軽さに全振りしたシューズという位置づけになります。ソール厚さの公式情報はありませんが、おおよそ35mmなのでアディゼロ タクミよりも少し厚い程度。薄底というほどではありませんが、ソールにクッション性がそれほどありません。

もちろんノンカーボンなので、強い推進力が生み出されることもありません。軽さを利用して、自力でスピードを出すオールドタイプのシューズになります。

アッパーもトレンドとなっている、足の指の自由度が高いタイプのものではなく、昔からある「前足部を拘束して力を集中させて出力を上げる」タイプ。最近になってランニングを始めた人からすると、少し窮屈に感じるかもしれません。

薄底シューズが正統進化した結果、完成したのがLI-NING「SUPERLIGHT 23」と伝えれば、理解しやすいかもしれません。ただ、シューズによる助力がないかというとそうでもなく、ソールが前後で分割されているので、踵で反発させて推進力を生み出すことができます。

最初のジョグで気になったのは安定性の低さ。接地面積が少ない感じがあり、それなりのスピードを出して、着地時に足裏で圧をかけないと走っていて不安定さを感じます。ただ、どんなネガティブな要素も「軽さ」がすべてをなかったことにしてくれて、かなり気持ちよく走れました。

ジョグペース
レースペース

この画像はジョグペースとレースペースで、それぞれRunmetrixを使って走ったランニングフォームの計測結果です。走りやすさを感じたのはジョグペースでしたが、実際に評価が高かったのはレースペースで、スムーズな重心移動以外の項目はスピードを出したときのほうが高くなっています。

それも、動きの力強さ以外は目指すフォームの点数を上回っており、効率のいい走りができているのがわかります。このデータからわかるのは、LI-NING「SUPERLIGHT 23」が走れるシューズであるということです。

自分の感覚としても「問題なく走れる」でしたが、データがその裏付けになっています。LI-NING「SUPERLIGHT 23」のAmazonでの定価は約1.6万円ですので、他のメーカーのスタンダードモデルと同じ価格帯か少し安い程度ですが、データとしてはそれらよりもよい評価になりました。

ちなみに、私はLI-NING「SUPERLIGHT 23」を割引価格の約1.2万円で購入しています。この価格なら間違いなく「買い」。履き潰したとき用に、もう1足買っておいてもいいかも……なんて考えています。

嬬恋高原キャベツマラソンでSUPERLIGHT 23を履いてみた

雨で汚れて悲しい……

軽さに全振りしたLI-NING「SUPERLIGHT 23」を履くうえで、1番気になったのは長い距離を走ったときの足へのダメージです。最新のテクノロジーによって、多くのランニングシューズがクッション性を備えていますが、LI-NING「SUPERLIGHT 23」には柔らかさはありません。

硬いというわけではないのですが、衝撃を吸収してくれるわけではないので、長い距離は苦手だというのは容易に推測できます。そこで、アップダウンが厳しいことで有名な、嬬恋高原キャベツマラソンで履いてみることに。

ただ、大会レポートですでにお伝えしましたように、この大会のスタート時間に間に合わず遅刻するという大失態。このため、周りの流れに乗って走るというよりは、ずっと単独走をしているような感じで21kmを走りました。

この日の天気は曇り時々小雨。ただ、前日から雨が降っていたので路面は濡れていて、下り坂はかなり危険な状態です。それでも、LI-NING「SUPERLIGHT 23」が高いグリップ力を発揮してくれたので、転倒リスクを感じることなく、思い切って着地できました。

そして、上り坂ではシューズの軽さが強みになります。15分遅れでのスタートでしたが、上り坂になるたびに多くのランナーを抜いていけます。嬬恋高原キャベツマラソンの残り1kmからはかなりの激坂になるのですが、分割されたミッドソールの踵部が走りのリズムを生み出してくれるので、淡々と走り続けることができました。

走っていて気になったのは、スイートスポットが過去に履いたシューズの中でも激狭であること。そもそもトレーニングの段階ではスイートスポットを感じることもできなかったのですが、下り坂でソールに圧をかけたときに「ここで着地すれば走りがスマートになる」ポイントがあるのに気づきました。

ただ、そのポイントがかなり小さく、そこに乗れたときにはキロ4分台で走れましたが、スイートスポットを外すと簡単に5分台に戻ってしまいます。このあたりは、もっと慣れていけば変わるのかもしれません。

少しクセがあるけど、むしろそのクセが走りを楽しくしてくれる。それがLI-NING「SUPERLIGHT 23」でハーフマラソンを走った感想です。21kmをこんなに短いと感じたのははじめてのこと。手元の時計で1時間59分もかかっているので、むしろ普段よりも時間がかかっていますが、感覚としてはあっという間に走り終えました。

「これから相棒にしたいシューズ」というのがハーフマラソンでLI-NING「SUPERLIGHT 23」を履いた私の結論です。50代になって、明らかに筋力が低下しており、厚底&カーボンプレートの恩恵を受けたいところです。ただそれよりも、いつの間にか失っていた走る楽しさを、LI-NING「SUPERLIGHT 23」で取り戻していくことにします。

大迫傑選手も履いているモデルならアルペンで購入できる

ひと目惚れして購入したLI-NING「SUPERLIGHT 23」ですが、個性的ではあるので誰にでもおすすめというわけではありません。それでも性能不足ということもなく、コンセプトは明確で、しっかりトレーニングすれば、最高の相棒になってくれるポテンシャルは感じました。

そして、これからのランニングシューズ選びとして、リーニンは間違いなく選択肢になります。次に購入するのが、同じ「SUPERLIGHT 23」なのか、次世代の「SUPERLIGHT 24」なのかはわかりません。もしかすると他のモデルにするかもしれませんが、デザインが気に入れば飛びつくはずです。

ただ、SUPERLIGHTシリーズは日本国内での取り扱いがほとんどなく、基本的にAmazonで購入するか、中国で購入するしかありません。サイズは普段履いているランニングシューズと同じで問題ありませんでしたが、やはりランニングシューズを購入するときには実際に足に合わせてからにしたいところです。

そうなると中国を訪れたときに購入するか、もしくはリーニン(LI-NING)の取り扱いのあるアルペンで購入するかになります。

あまり知られていませんが、Alpen TOKYOではリーニン(LI-NING)の「FEIDIAN 6 ELITE」や「FEIDIAN 6 ULTRA」、「RED HARE 9」などを取り扱っており、実際に試し履きしてから購入できます。

ちなみに、2026年6月26日にAlpen TOKYOで開催されたリーニンのトークイベントで、大迫選手はリーニンのシューズを使い分けていると話しており、日本記録を樹立した「FEIDIAN 6 ELITE」だけでなく、「RED HARE 9」なども履いているとのこと。

これらのシューズだけでも、簡単に購入できるのはありがたいことです。私のようにデザインに惹かれて購入する人もいるでしょうし、私ももう少し財布の紐が緩かったら、トークイベントを取材したあとに購入していたかもしれません。

ただ、やはり個人的な好みは「SUPERLIGHT」。反発力やクッション性よりも、シューズが軽くてコントロールしやすいことが私にとっては大切。また、ひと目惚れしたら購入してシューズレビューするかもしれませんが、とりあえずしばらくは「SUPERLIGHT 23」とランニングを楽しもうと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

重松貴志のアバター 重松貴志 ランニングトレーナー

東京・神奈川エリアを中心に「走れるためのカラダづくり」をベースとしたパーソナルトレーニングを実施。ランニングを始めたいという初心者から、自己ベスト更新を狙うシリアスランナーまで幅広くサポートしています。

目次