春のマラソンはどう挑む?自己ベスト更新を狙える条件と安全に走るための注意点

静岡マラソンのフィニッシュエリア

春のマラソン大会は気温が高くなったり、天候が荒れたりしやすく、マラソンコンディションとしては自己ベスト更新を狙うのがかなり難しくなります。ただ、それを理解せずにスタートから飛ばして脱水症で倒れてしまう人も少なくありません。

そこでここでは、なぜ春マラソンで自己ベスト更新を狙うのが難しいのか、安全に走るためにどのような準備をすればいいのかについてわかりやすく説明していきます。安全にマラソンを楽しむための知識として、しっかりと頭の中にいれておいてください。

目次

春マラソンで自己ベスト更新を狙いにくい理由

マラソン大会で海沿いを走るランナー
  • 気温が高くなりやすい
  • 自分のコンディションを作りにくい

マラソンに最適な気温は10℃前後といわれています。ランナーは走ることで体内で発熱しますが、その熱を取り除くのにそれくらいの気温が最適だと考えられているためです。10℃よりも低い場合には体温を奪われるのでエネルギー消費が大きくなり、10℃よりも高い場合には体内に熱がこもってオーバーヒートします。

もちろん厳密に10℃というわけではなく、その日の湿度や風の強さなども影響します。でもひとつの目安が10℃なんだと覚えておきましょう。ちなみに10℃というのはレース時の気温であり、最高気温ではありません。昼過ぎに走り終わる場合、最高気温が12〜14℃という条件が理想です。

また、春マラソンを走るランナーの多くが冬マラソンも走っています。12〜2月の間にフルマラソンを走っている場合、3〜4月は疲労がまだ抜けきっておらず、もし疲労が抜けていたとしても十分な練習ができていないため、自己ベスト更新を狙いにくくなります。

春マラソンで自己ベスト更新できる条件

東京マラソンを走るランナー
  • 最高気温が15℃以下
  • 風の弱い曇り空
  • 冬マラソンを走っていない
  • コースの難易度が低い
  • マラソンをはじめて3年以内

春マラソンでは上記のような条件に当てはまらないと、なかなか自己ベスト更新は難しいと考えてください。まずはコンディションですが、最高気温が15℃で、なおかつ太陽が出ていたり、強い風が吹いていないことが大切です。気温がそれなりにあるなら、小雨というのも理想のコンディションです。

次に自分自身のコンディションで、春マラソンで結果を出したいなら冬マラソンを走っていないことが重要になります。たとえば2月のマラソンで思うようなタイムが出なかったから、4月のマラソンで自己ベスト更新を狙うというのは無謀なチャレンジになります。3〜4月のレースで結果を出したいなら、最初からそこに向けて調整しておきましょう。

もちろんコースの難易度も重要です。できるだけフラットなコースでないとそもそも季節に関係なくタイムを出すことは困難です。具体的な大会名を挙げるとすれば、静岡マラソンのコースくらいフラットなら自己ベスト更新も狙えます。

SNSを見てると春マラソンでも自己ベスト更新できたという人がそれなりにいて、それを見ていると春であることは関係ないように思えますが、その人の走歴が短かったり、それまで練習量が少なすぎたりした結果の自己ベスト更新というのがほとんどです。他の人ができているから自分もできるという考えは捨てましょう。

春マラソンでいい走りをするためにやっておくべきこと

汗をかいてトレーニングするランナー
  • 暑さに慣れるために昼過ぎから走っておく
  • 1ヶ月前から練習量を徐々に減らす
  • 秋にしっかりと走り込んでおく
  • 身体を絞り込んで体重を落としておく

春マラソンでどうしても自己ベスト更新を狙いたいなら、このような準備をしたうえでスタートラインに立ちましょう。それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

暑さに慣れるために昼過ぎから走っておく

まず大事なのが暑さに慣れておくことです。2月くらいから気温が15℃を超えるような日がでてきますので、そのような日は最高気温になる14〜15時くらいに走って暑さに慣れてください。ただし、長い距離を走って疲労が残らないように気をつけてください。

1ヶ月前から練習量を徐々に減らす

1ヶ月前から練習量を徐々に減らして、1週間前からは1日5km程度のジョグだけにしておいてください。春マラソンは消耗しやすいので、体力を温存して体内のエネルギー貯蔵庫を満タンにしておく必要があります。合わせて1日7時間以上の睡眠時間を確保してください。

秋にしっかりと走り込んでおく

もっとも大事なのが、レース本番の半年前の2〜3ヶ月にしっかり走り込むことです。本気で取り組むなら1週間に160kmというのが理想です。ただし、現実的ではないという人もいますし、そんなに走ったら故障するという人もいますよね。なので自分のできる範囲で構いません。ただし、ここでの走り込み量が春マラソンの結果に直結すると考えてください。

身体を絞り込んで体重を落としておく

1ヶ月前から練習量を減らすとお伝えしましたが、そうなるとこれまでと同じ食事をしていると体重が増えてしまいます。春マラソンで結果を出したいならむしろ体重は落とさなくてはいけません。ランオフにしても水泳や軽い筋トレなどを行って消費カロリーを増やし、食事もやや減らして体を絞り込んでください。

タイムではなく満足感を重視しよう

沿道の学生とハイタッチするランナー

半年以上かけてしっかり準備してきたとしても、当日の気温が20℃以上になった場合、それはもう自己ベスト更新を狙うべきコンディションではありません。せっかく準備をしてきたからと当初の目標ペースで走り出したら、30kmで大失速するというのがありがちなシナリオになります。

それを回避する方法はひとつしかありません。それはタイムを追うことを諦めるということです。「半年も準備してきたのに?」と思うかもしれませんが、条件が悪いのに挑戦するのは無謀でしかありません。その結果、とんでもない疲労を背負ってしまう可能性もあります。

ですので、春マラソンに出場すると決めたときに、「しっかりと準備はするけどタイムは気にしない」というスタンスをとりましょう。結果的にコンディションがよくて、自己ベスト更新できるかもしれませんが、基本的なスタンスは「ベストを尽くす」こと。

失速することなく上手く走ることができるかどうか。タイムというのは評価としてわかりやすいものですが、永遠に自己ベスト更新を続けられる人はいません。いずれ加齢で思うように走れなくなるわけで、そうなってから大事なのは出し切れたかどうかになります。

春マラソンも同じことです。できないことをやろうとして失敗するのではなく、できる範囲でベストを尽くすことだけを考えて最高の準備をしてください。

▼春マラソンの走り方については下記記事をご参照ください

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