
最近ランニングを始めた人は、ストップウォッチ機能だけの腕時計や、スマホのアプリなどを使っているかと思います。でもマラソン大会に出ると、自分のペースが分からずに「調子がいいかも」とオーバーペースになることも珍しくありません。
周りのラン仲間に相談したら「GPSウォッチを買うといい」とアドバイスされたものの、種類が多すぎてどれを買っていいのか迷いますよね。ランニングウォッチは決して安い買い物ではありませんので、慎重に選びたいところです。
ここではそんなGPSウォッチ選びで迷っている人のために、どのようにして選べばいいのか、分かりやすく説明します。
高級モデルと安価なモデルはどう違うの?

GPSウォッチを調べていると、10万円以上するようなモデルと1万円台で買えるようなモデルがあって「どこが違うんだろう?」と不思議に感じますよね。GPSで計測できればいいだけなのに、1万円のモデルはちゃんと計測できなかったりするのでしょうか?
GPS計測に関しては、高級モデルと安いモデルで計測精度に大きな違いがあります。従来のランニングウォッチであれば、両者の計測精度に大きな差がありませんでしたが、現在は「2周波対応」しているかどうかで精度が大きく異なり、高額なランニングウォッチの多くが「2周波対応」で高精度な測定が可能になります。
ただ初心者であれば「2周波対応」にこだわる必要はありません。東京の新宿や銀座などのビルが多い場所を走る機会が多いなら「2周波対応」は必須ですが、そうでなければそこまでこだわらず、リーズナブルな価格で購入できるランニングウォッチのほうがおすすめです。
まずは、4万円くらいまでの予算で購入し、使っているうちに精度に不満を感じるようになったら高級モデルに乗り換えましょう。
また、高級モデルと安いモデルでは利用できるトレーニングサポート機能が違います。価格帯が上がるほど高度なトレーニングサポート機能がついており、モデルによってはパーソナルトレーナーのようにトレーニングメニューを提案してくれたりします。
いくつものメーカーからGPSウォッチが発売されていますが、各メーカーが力を入れているのも、独自のトレーニングサポート機能です。これが必要なのかどうかによって、選ぶべきGPSウォッチが変わります。
トレーニングサポート機能って何が出来るの?

GPSウォッチの価格に影響するトレーニングサポート機能。それではその機能を使うとどんなことができるようになるのでしょう。
- ランニングフォームをチェックできる
- トレーニング負荷のチェックできる
- コンディションのチェックできる
- トレーニングメニューを提案してくれる
高価格帯のGPSランニングウォッチでできるのはこの4点です。また、別売りのセンサーを使うことで、ランニング中の上下動やブレなどを高精度にチェックできるようにもなります。
すべてのランニングウォッチにある機能は「心拍数計測」で、トレーニング負荷を簡単に確認できます。これにより高度な心拍トレーニングができ、追い込む練習やリカバリーなど、メリハリのある練習ができるようになります。

さらに、目標設定をすることで、それに合わせてトレーニングメニューを組んでくれるサービスなども受けられます。
最新のモデルですと、体のコンディションも分かるようになっています。詳しい説明は省きますが、これによってオーバートレーニングを防ぐことができ、無駄のない効率的な練習が可能になります。ただし、将来的にサブ3やサブ3.5を目指すのでなければ、これらの機能はいりません。
GPSウォッチも長く使っているとスマホと同じように電池がヘタってきますので、数年後には買い替えることになります。そういう意味では最初の1台としては、このような機能はなくても問題ありません。
むしろサブ3で走るようなランナーでも、これらの機能を使いこなしている人は、ほとんどいません。そういう意味では初心者の場合、「ペース」「距離」「心拍数」の表示ができれば、他の機能はなくても困ることはありません。トレーニングサポート機能の必要性は自己ベスト更新を狙うようになってから検討しましょう。
初めてGPSウォッチを選ぶときのポイント

それでは、初めてGPSウォッチを選ぶ人は、どのような点に注意して選ぶべきかご紹介します。
- 連続稼働時間が完走予想タイム+1時間
- 心拍計測機能付き
初めて選ぶときは、これだけ気にしておいてください。まず大事なのはフルマラソンの完走予想タイム+1時間は電池がもつものを選びましょう。とはいえ、これをクリアしていないGPSランニングウォッチはほとんどありません。
念のために、どれくらいの稼働時間なのか見ておきましょう。基本的には6〜7時間使えればOKです。
ただし、ウルトラマラソンを走る可能性がある人は、稼働時間はできるだけ長いものを選びましょう。完走予想タイムによりますが、14〜15時間は稼働しするランニングウォッチを選びたいところです。
しばらくウルトラマラソンを走る予定がない人は、稼働時間はそれほど気にしなくてもかまいません。
これに加えて心拍計測機能が付いているものを選びましょう。胸バンドではなくGPSウォッチ本体で計測できるモデルにしてください。胸バンドでの計測のほうが正確に計測できますが、面倒になって使わなくなります。
心拍計測機能なんていらいないよと思うかもしれませんが、この機能はいずれ欲しくなる可能性がとても高いので、付けておくようにしましょう。
初めてのGPSウォッチを選ぶ場合は、これだけで十分です。あとは見た目で好みのものを選びましょう。
初めてのGPSウォッチとしておすすめのモデル
選び方は分かったけど、実際にどれが上記に該当するのか分からないという人のために、初めてのGPSウォッチとしておすすめのモデルをご紹介します。
GARMIN(ガーミン)


ForeAthlete 265がスタンダードなモデルだと考えてください。このため、おすすめはForeAthlete 265ですが、機能面で言えばForerunner 165で問題ありません。あまり予算が潤沢ではないという場合には、Forerunner 165を選びましょう。
SUUNTO(スント)

SUUNTOの初心者向けおすすめランニングウォッチは「Suunto Run」です。軽量かつ高性能で、SUUNTOのランニングウォッチとしてはリーズナブルな価格設定になっています。デザインもシンプルで美しく、普段使いしやすいのも魅力です。

POLAR(ポラール)

シンプルなランニングウォッチが好きだという人におすすめなのが、ポラールのPolar Pacerです。一切のムダがなく、それでいてGPSの精度も高くて機能も充実しています。価格も2万円台で購入できるため、初めてのランニングウォッチとして購入しやすいといったメリットもあります。
まとめ:ランニングウォッチを手に入れてランニングを可視化しよう
初心者のランニングウォッチは高機能である必要はなく、さらに測定精度もそこまで高いものを選ぶ必要はありません。むしろ大事なのはモチベーションアップするようなデザインであったり、使いやすさのほうが重要になります。
始めてランニングウォッチを購入のであれば、まずは「GARMIN(ガーミン)」「SUUNTO(スント)」「POLAR(ポラール)」のいずれかから選びましょう。ちなみにApple Watchなどのスマートウォッチでも問題ありません。スマートウォッチを持っているならそれを活用しましょう。
ランニングウォッチを使って、自分のペースや走っている距離、心拍数を把握できるようになると、ランニングとの向き合い方が変わってきます。これまで以上に走ることが楽しくなりますので、気になるという方は迷うことなく購入することをおすすめします。