日本一早いマラソンレポート「パラカップ2016」

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パラカップは「世界の子どもたちに贈るRUN」をテーマに、「分かち合う感動」と「喜ばれる喜び」を大切にする日本を代表するチャリティーマラソンの大会です。

速く走ることだけではなく、感動を共有すること、応援する人たちが笑顔になることを喜びとします。

世の中にたくさんあるマラソン大会が「自分のために走る」ものだとすれば、パラカップは「誰かのために走る」をお題目ではなく、実際に形にしたチャリティーマラソンとも言えます。

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世界中の恵まれない子ども、支援することで力強く生きていくことができる子どもたちをサポートしたい。そんな思いを持ってランナーが集まるため、大会そのものに家族連れがとても多い大会です。

そして家族連れだけではなく、仲間と一緒に参加することを基本としています。もちろん1人で参加してもいいのですが、感動を共有する仲間がいるほうがパラカップを何倍も楽しむことができます。

大会運営者は否定するかもしれませんが、1人での参加はむしろ浮いてしまいます。普通のマラソン大会にでるノリで参加すると、ちょっと寂しい思いをするかもしれません。

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1人で参加するにしてもパラカップの本質に共感したから参加するというスタンスがないと、大会の雰囲気に馴染むことができないかもしれません。

パラカップはマラソン大会であって、マラソン大会ではありません。会場に訪れた人たちがひとつになるためのツールとしてマラソンがあります。

そのため大会会場は一般的なマラソン大会のようなピリピリしたムードは一切ありません。ポカポカの休日に公園に集まった人たち。せっかくだから走ろうか。そんなゆるい雰囲気が会場を包み込んでいます。

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勝ちにいくとか、自己ベストを更新するとか、そういう世界観とは真逆にあるランニングの世界観がパラカップにはあります。

おそらく普段走らない人がかなりの数いるのではないでしょうか。マラソン大会には出ないけどパラカップなら出ようかな、そんなランナーがリピーターとなり新しいラン仲間を誘って大会が育っていったのでしょう。

2005年に400人で始まったパラカップは、10倍以上の5000人規模の大会へと成長しています。

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会場内の物販や飲食の売上がすべて寄付になり、大会の収支もホームページ上で発表し寄付先と寄付金額も明確にしているなども他のマラソン大会とは一線を画し、それでいてリピーターが多い理由なのでしょう。

ランナーのゼッケンにはそれぞれニックネームを記入します。応援する人たちはそのニックネームで選手たちを呼び、声援を送ります。ニックネームで呼ばれると走っているランナーも嬉しくなり、ランナーと応援する人の距離が縮まります。

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そしてコース上ではハイタッチ。速く走ることよりも大切なことがある。一人ひとりは小さくとも繋がっていくことで大きな力になります。大人も子どもも一生懸命走る。それを応援する人たちがいます。

パラカップはきっとこの方向性でさらに大きくなっていくのでしょう。すでに十分知名度の高い大会ですし、参加者も多いのですが大会の趣旨に共感する人たちの数はこんなものではないはずです。

もう一回り、二回り大きな大会になれるだけのしっかりした運営があります。

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自己ベストを狙ったり、他の大会のための調整などに使うのは不向きですが、走ることを仲間と楽しみたいという人たちに向いている大会です。そして楽しみながらもハーフマラソンに初めて挑戦するのにも最適です。

制限時間3時間半のハーフマラソンは、きちんと練習を行えばほとんどのランナーが完走できる時間設定です。仲間と参加してゴールした人から、他の仲間をゴール前で待ち受けてあげましょう。苦しくても仲間が待っていると思えば早く走れないランナーや、初のハーフマラソンに挑戦するランナーも勇気が出るはずです。

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そしてすべてのランナーがゴールしたときに、仲間の絆はこれまでよりもずっと強いものになっているでしょう。

家族や仲間で感動を共有し、マラソン大会に参加したことで世界中の子どもたちに笑顔を届けていくことが出来るパラカップ。こんなマラソン大会の形もあるのだと気づかせてくれました。

日本には数少ない本物のチャリティーマラソン。今後の展開が楽しみです。

RUNNING STREET 365 重松貴志

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