日本一早いマラソンレポート「第3回 プロ・フィッツ杯 Presented by KYUMIN打破」

第3回プロ・フィッツ杯が舎人公園陸上競技場で開催されました。プロ・フィッツ杯はランニングを始めたばかりの人や、走力に自信がないという人に自己ベスト更新を目指してもらうための大会で、陸上競技場のトラックを使ってペースランナーが引っ張ってくれる大会です。

昨年第1回が開催されたときは、小規模での開催でしたが、リピーターも多く、3回目にして参加者が100人を超えています。それを祝うかのように空は青く、参加者はそれぞれに自分が設定した目標に向かって走り出しました。ここではそんな第3回プロ・フィッツ杯についてレポートしていきます。

目次

走力に自信がない人でも挑戦できる

マラソンの走力を上げるには、5kmや10kmといった距離をしっかりと走り切れること、そしてタイムを上げていくことが求められます。ただ5kmのマラソン大会だとコースによってはアップダウンがありますし、公園などのコースでは歩行者もいて、思うように走れません。

自分の走力をしっかりと把握するには、陸上トラックで走るのが理想です。ただ陸上競技場のトラックを使った記録会はキロ3分台のシリアスランナーが中心ということもあり、会場の空気もピリついていて、走力に不安がある人にとっては近寄りがたい雰囲気があります。

だったら、走力に自信がない人のために陸上競技場で記録会をしようと考えてスタートしたのがランニングタイツやテーピングなどを販売しているピップが主催するプロ・フィッツ杯です。ペースランナーが付きますが、1番速いペーサーでキロ4分30秒。ゆっくりのペースランナーはキロ7分。

種目は3000m、5000m、10000mの3種類で、今回は5000mだけ申告タイムごとに2部に分けられました。陸上トラックですので、多少の追い抜きはありますが、極端に速い人がいるわけではないので、それぞれが自分のペースで走れます。

しかも安定したペースを刻んでくれるハイレベルなペースランナーが引っ張ってくれるので、付いていけさえすれば自己ベスト更新を狙えます。まさに至れり尽くせりの大会なのですが、それだけでなく無料のランニングクリニックに参加できます。レース前のアップにもなるので、今回もほとんどのランナーが参加し、走り方のコツなどを学んでいました。

今回はSALOMONのブースもありシューズを借りて走ることもできました。

気温が高い過酷な環境でも自己ベスト更新

すでにお伝えしましたように、そして写真からもわかりますように、この日は見事な青空で開催されました。午後になると雲も出てきて、ときより陰になったり、涼しい風が吹いたりしましたが、5月とは思えない過酷な環境で自己ベスト更新を狙うことに。

ベテランランナーであれば、ペースを調整できますが、そのレベルにない参加者も多く、ハイペースについていけず、リタイアした人もいました。前回までは見られなかった歩いてしまう人もちらほら。まだ暑さに順化していない時期のあるあるですが、これもいい経験になったはずです。

暑さ対策で給水所を設置し、さらには川内鴻輝さんが参加者に水をかけるサービス付き。ただ、想定外の暑さもあり最終種目の残りあと僅かというところでコップが足りなくなりトラブル。これもこの時期の大会やイベントではあるあるです。運営も次回は十分な量のコップと水を用意してくれるはず。

そういう状況だから、自己ベスト更新が難しかったかというとそうでもなく、「こんなタイム出したことない」と喜んでいる人もいましたので、陸上トラックをペースランナーが引っ張ってくれるというのは、やはりかなり大きなメリットになるようです。

私も空き時間に1kmだけトラックを全力で走りましたが、フラットであるというだけでペースを安定させやすく、初めてトラックを走ったという人ほど、走れる自分に驚いたかもしれません。いずれにしても厳しい環境ながら過去最高の走りをした人もいて、反対に歩いてしまう人もいるなど、明暗がくっきりとわかれる結果になりました。

ただ歩いてしまうことが悪いことではなく、大事なのはその経験をどう活かすか。思ったような結果にならなかったときに「仕方がない」とコンディションのせいにしないメンタルが大切。なので走り終わった後に、結果ついてどう受け止めればいいのかまでフォローがあれば完璧なのですが、流石にそこまでは求めすぎ。

でも求めてしまいたくなるくらい、プロ・フィッツ杯はステキな大会になりつつあります。

それぞれがベストを尽くせるイベント

プロ・フィッツ杯を取材していると、毎回感じるのは、タイムというのはそこまで重要ではないんだということ。走力を確認するための指標にはなりますが、それよりも大事なのはベストを尽くすということ。諦めずに走り抜くこと、失速を覚悟で速いペースに付いていくことでランナーは成長します。

普段の練習から自分を追い込てるのがベストですが、そういう人は限られています。誰だってどこかで自分に甘くなりますし、いろいろ理由をつけて妥協することもあります。でも、レースとなれば話は別。競い合う人や、同じゴールを目指す仲間がいるから、いつも以上に頑張れます。

それも極端に速い人もいないから、「自分なんて」と自虐的にならずに済みます。参加者がみんな、苦しそうな顔をしながらも、しっかりと前を見つめているから、自分も負けずに頑張ろうと思える。初心者から中級者がそういう環境で走れる場所は少ないのですが、プロ・フィッツ杯はまさにそんな大会です。

まだ3回しか開催していないので、改善できるところはありますが、参加したことのあるランナーにとって「なくてはならない場所」になっています。運営が常に改善点を探していて、それでいて自分たちも全力で楽しんでいる。こういう大会は参加者も居心地がいいものです。

ただ、主催者は大きくしすぎるつもりはないとのことで、きちんと参加者1人ひとりの表情がわかる規模での開催を目指しているようですので、数年後には参加枠を確保するのが難しい大会になっているかもしれません。

速くなくても成長したいという想いがある人におすすめ

ランナーは「速い=すごい」「速い=偉い」と短絡的に考えがちですが、速さは個性であり、速いから偉いというわけではありません。もちろん努力をして速さを追求することは素敵なことですが、それは絶対的なスピードが遅い人でも同じことです。

今の自分を超えていく。その気持ちがあり成長にむけて努力を積み重ねているなら、タイムがどうであれその人は讃えられるべきですし、胸を張っていいんです。誰かと比べる必要なんてなく、ライバルはいつだって過去の自分。

走力が低い人にとってプロ・フィッツ杯は、そんな過去の自分を超えていくのにぴったりの大会です。会場はアットホームな雰囲気なので、緊張することなく日頃の成果を発揮できます。自分の現在地がはっきりと見えてきます。

プロ・フィッツ杯は本当の意味での「テスト」の場。まずは自分の実力を把握するために出場し、その結果を元にして目標を決めて、トレーニングを積み重ねる。それを繰り返せば、どんなランナーでも自分の理想に近づけます。

どんどん成長していく自分を感じたい。その気持ちが少しでもあるなら、ぜひ次回のプロ・フィッツ杯にご参加ください。同じ想いを抱えたランナーが大勢集まっているので、モチベーションアップにも繋がります。次回の情報はSNSなどで公開されますので、下記リンク先をフォローしておきましょう。

Twitter:https://twitter.com/ProFits_PIP
YouTube:https://www.youtube.com/user/PipSportsTaping/featured
プロ・フィッツ中の人ランニングチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCWdY71Wq02wgewqpeg0SMSA

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