日本一早いマラソンレポート「台北マラソン2022」

2022年10月に台湾が外国人観光客を受け入れると発表があり、「もしかして」と思って調べてみたら、台北マラソンが参加者募集中でした。フルマラソンの枠はすでに埋まっていましたが、ハーフマラソンはまだエントリーできたので悩むことなくクリックしました。

日本国内はまだまだ海外旅行という雰囲気ではありませんが、すでに海外マラソンに参加する人も徐々に増えてきましたので、今回は日本からもアクセスしやすく、仕事を休むことなく出社できる台北マラソンをレポートします。気になっている人はぜひ参考にしてください。

目次

現時点では台湾入国よりも日本入国のハードルが高い

まず海外マラソンの現状ですが、参加するためのハードルは開催される国ごとに大きく異なります。ただ、中国のように入国することが難しい国もありますがオープンになっている国も多く、台湾も陰性証明やワクチン証明などなしで入国できるようになっています。

ハードルはむしろ日本に入国(帰国)するときのほうが高く、ワクチンを3回以上打つか、もしくは出国(今回のケースでは台湾を出国する)72時間以内の陰性証明が必要になります。すでにワクチンを3回接種している人だと問題ありませんが、そうでない場合には帰国できないなどのリスクがあります。

また、現時点では職場や家族などの理解も必要になるケースもあると思いますので、誰でも気軽に参加できるというわけではないのも事実です。それでも門戸が完全に閉じていた状況は終わり、条件がつくケースがあるとはいえ、すでに開かれたものにはなっています。

ひとつ気をつけなくてはいけないのか、航空券代が高いということ。燃油価格の上昇もあり、サーチャージ費用が高騰しており、地域によっては以前の倍くらいの料金になっています。幸い台湾にはLCCが飛んでいて、比較的安く行けます。ただLCCはフライトキャンセルなどもあるので、弾丸で行く場合には使いづらいのでご注意ください。

コースはワンウェイに変更

かつて台北マラソンを走ったことがある人はわかるかもしれませんが、台北マラソンは前半のしかもかなり早い段階で見どころがなくなります。かなり退屈なマラソンになるので、あえてハーフマラソンを選ぶ人もいるくらい。東京マラソンのような沿道の声援も期待できません。

そもそもフルマラソンのスタート時間は6時半。ハーフマラソンも7時と早く、フルマラソンのスタートは薄暗いなか始まります。台北101が目の前にありますが、暗いので写真映えはせず。ハーフマラソンのスタート時にはだいぶ明るくなりますので、景色を楽しむという意味でもハーフマラソンがおすすめ。

ちなみに早朝スタートですが、ちゃんと地下鉄が動いています。市政府からあまりにも離れていたり、地下鉄が近くにない場合にはアクセスで困ることになりますが、台北駅周辺や西門などにホテルを確保しておけば問題ありません。もちろんスタート地点の台北101周辺でも構いません。

コースそのものはアップダウンが数ヶ所ありますが、少なくともハーフマラソンはベタフラットに近く、道幅も日本では考えられないくらい広いので、その気になれば自己ベスト更新を狙えます。ただ、ハーフマラソンは参加者が多いので、前方のブロックからスタートする必要があります。

今回は最後方からスタートしましたが、スタートするまでに14分ほどかかっており、こうなると記録を狙うことはできません。ただ、シリアスに走るのではなく、ポイントポイントで写真を撮るなど立ち止まって楽しむのが台北マラソンの魅力です。

また、以前は台北101に戻ってくるコースでしたが、数年前から台北小巨蛋(台北アリーナ)がフィニッシュエリアになるコース設定に変更されています。過去に参加したことがある人は間違いないように注意してください。

雨になりやすい台北マラソンで晴れ間が広がる

台北マラソンといえば「雨」になるのが定例なのですが、今年も天気予報は雨。前日には曇りに変わっていましたが、最高気温が12℃ということで日本の冬と変わらないコンディション。実際に朝になって気温は9〜10℃で、寒い中でのスタートです。

ただ徐々に明るくなるにつれて上空の雲が流されていき、途中には青空が広がるベストコンディションに。マラソンの楽しさは天候に左右されますが、2022年の台北マラソンはこれまでに経験したことのないくらいに、最高のコンディションとなりました。

これくらいの気温ならフルマラソンもハーフマラソンも自己ベスト更新を狙えます。私は撮影も兼ねてカメラを片手に最後尾から走りましたが、コース幅が広くて快適です。沿道の声援はポツポツとですが、私達ランナーの背中をしっかりと押してくれます。

私が日本人だとわかると「がんばって」と日本語で応援してくれますし、今は日本人が少ないからこそ、より強く歓迎してくれていることが伝わってきます。台北マラソンを楽しみたい人は、いつものウェアに日の丸を付けるなどして、日本人アピールするのがおすすめです。

台北マラソンは荷造りに困るほどのお土産がある

ただ、大会全体としては以前のようなパワフルさが薄れた感じがあり、走っているランナーはそれぞれが自分の内面と向き合いながらコツコツと走っている感じ。お互いに関与することもほとんどないのが、ちょっとさみしく感じたところ。

2年以上も国を閉じていたような状況なので、それは仕方のないことかもしれません。どことなく日本のマラソン大会のような、淡々と走る感じがあってもったいないなと。でも、そういうのも2-3年すれば、過去の姿に戻るはずです。

こういう変化を感じられるのも、海外マラソンならではの面白さです。台北マラソンに限らず、海外マラソンは気づきの連続で、イレギュラーなことが多々起きます。その国ならではの作法のようなものもあります。

たとえば台北マラソンは荷物預けをするのに、専用のバッグを使います。防水タイプのバッグが250台湾ドルで、1,000円以上するのですが、このバッグは他のマラソン大会でも使えます。台湾ならではの仕組みですが、台北マラソンはたくさんのお土産があるので、それを持って買えるのにも便利です。

そう、台北マラソンはとにかくお土産の量が多くて、預け荷物なしのLCCプランだと確実に重量オーバーします。往路は預け荷物なしでも構いませんが、復路はLCC以外を選ぶか、LCCでもオプションで預け荷物ありを選びましょう。

また、アフターレースを楽しめるイベントがフィニッシュエリアで開催されており、温かいラーメンやドリンクなどを無料で提供してもらえます。大会オリジナルのアイテムも販売されていますので、台北マラソンを満喫したいという人はすぐにホテルに戻るのではなく、会場のイベントも楽しみましょう。

台北マラソンなら週末弾丸でも観光もグルメも全部楽しめる

久しぶりの海外マラソン。久しぶりの台北マラソンでしたが、ハーフマラソンでもお腹いっぱいになるくらい楽しくはしれました。台湾を走れるようになる日がやってくるとは、ここ数年考えもしませんでしたが、少なくとも台湾はすでに過去とそれほど変わらない受け入れ体制になっています。

街のあちこちで日本語での対応をしてくれますし、そうでない人たちのホスピタリティも高く、ただただいい気持ちにしかなりません。台湾も日本と同じように、100%以前と同じ状態に戻ることはないのかもしれませんが、それでも日本人を歓迎してくれますし、私たちは以前と変わらないように台湾を楽しめます。

まだ日本帰国のハードルが高いため、誰にでもおすすめするというわけではありませんが、少なくともワクチンを3回以上摂取しているなら迷うことはありません。台北マラソンだけでなく、台湾全土で開催されているマラソン大会に参加できますので、ぜひ積極的に検討してもらいたいところです。

観光スポットも今なら観光客が少なくて、ゆっくりと見て回れますし、人気のお店も行列にそれほど並ぶ必要もありません。週末に効率よく台湾を楽しむなら今がチャンスです。そして、いつか海外マラソンを走ってみたいと考えていた人は、台北マラソンはとてもおすすめです。

観光もグルメも楽しみたいならハーフマラソン。やるからにはしっかり走りたいならフルマラソン。それぞれに魅力がありますので、ぜひ目的に合わせて台北マラソン2023にエントリーしてください。

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