金沢マラソンのスタート時の気温18℃。金沢はすでに紅葉が始まる季節ですが、少し肌寒いくらいで、昨年の雨の中のスタートに比べると抜群のコンディションです。天気予報は曇り後雨でしたが、スタート前から太陽の光がランナーを照らします。
金沢マラソンは1万3千人の定員ですが、スタートラインに並んだのは1万人ちょっと。抽選倍率は2.3倍ですので、3000人近くのランナーが走らなかったことになります。来週の富山マラソンに流れてしまったのでしょうか。
1万人ちょっとのランナーがスタートを通過するまで約17分。制限時間が7時間の大会ですので、問題ない時間ですが昨年のように気温が低い場合、後方のランナーはちょっと辛かっただろうなと容易に想像できます。
とくに混乱することなくスタートし、そこからは延々と沿道からの声援が続きます。金沢マラソンは第2回の大会とは思えないくらい、街全体がランナーを暖かく迎えてくれます。
繁華街はもちろんのこと、コースが上手に住宅地周辺を選んでいるので、ほとんど声援が途切れません。子どもたちが大声でランナーの背中を押してくれるので、ちょっとのアップダウンはあっという間に乗り越えていけます。
前半は山側を走るため、あまり応援がないのかなと思いましたが、トンネル内以外は、こんなところにも人がいる!って思うくらい声援が続きます。
ところどころ街路樹が黄色くなり、景色もどんどん変わるので、ランナーは飽きることなく走り続けられます。山側から市街地に戻る途中で旧街道を走るため、一部狭い区間もありますが、それだけ沿道とも近いため、ハイタッチを何度も行えます。
スタートから2時間半くらい経過したところで雨が降り始めます。通り雨でしたので、ランナーにとっては恵みの雨だったかもしれません。気温が20℃以上に上がっていたので体温が上がりすぎたランナーにとってはベストなタイミングの雨でした。
金沢マラソンのすごいところは、昨年は雨で寒かったにも関わらず、今回はかけ水ゾーンを何ヶ所か用意していたところです。10月ですので、想定外の高温になることも想定していたのです。
何度も開催している大会ならわかるのですが、まだ2回目の開催で多くのことを想定しているのはトップがしっかりしている証拠です。昨年は雨の予報になったことで、急遽事前に簡易合羽を配布していました。
こういう目に見えないところが、金沢マラソンが高い評価を受けている要因なのかもしれません。
沿道の声援がランナーを支え続けるのは、20km前後で一旦終わります。ここからはランナーが自分と向き合うための時間です。楽しいだけではなく厳しいところもきちんと用意しているのも金沢マラソンの魅力です。
ただ苦しいだけでなく充実したエイドがランナーの足を前に向けてくれます。和菓子やお汁粉や洋菓子。30km地点には、なんとカツカレーが用意されています。金沢といえば金沢カレーです。美味しいエイドがランナーのエネルギー源となり、ランナーは着実にゴールへと近づいていきます。
32km地点くらいで金沢駅西口を通過するので、ランナーが一番苦しくなるときに、また大きな声援を受けることができます。本当によくできたコース設定です。
35km以降は沿道の声援だけではなく、直線の折り返しになっている場所が2ヶ所あるため、ランナー同士もすれ違います。それぞれの頑張っている顔が視界に入ってくるため、自分も頑張ろうという気持ちが湧いてきます。
そしてゴールは石川県西部緑地公園陸上競技場。ランナーが次々とゴールに飛び込んでいきます。ゴールする前にオールアウトしてしまい、足を引きずってゴールする人もいれば、最後の力を振り絞って全力疾走するランナーもいます。
すべてのランナーの表情は満たされていて、金沢マラソンを楽しんだことが伝わってきます。
ゴール後には完走証を受け取るのですが、そこが少し渋滞するくらいであとは動線もきれいで、混乱なく荷物を受け取ることができます。何から何までよくできている。金沢マラソンはそんなマラソン大会です。
金沢は観光地としても魅力的な場所ですから、金沢マラソンは旅ランとしてとてもおすすめの大会です。ランナーなら一度は走っておきたい、RUNNING STREET 365としても間違いなくおすすめの大会です。
来年はさらに進化していることでしょう。抽選というのが悩ましいところですが、金沢マラソンは秋マラソンの候補のひとつにしてほしい大会です。
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