数時前の雨の予報からの曇り空へと変わり、絶好のマラソン日和となった下関海響マラソン。昨年まで2年連続で雨だったのですが、これで雨の大会というイメージは払拭出来たでしょうか。
選手更衣室は足の踏み場もないほどの混雑で他にも更衣室が用意されていたみたいですが、少しでもスタート地点に近い場所がいいので多くのランナーがそこを使います。
スタート前のトイレはそれほど数があるようには思えないのですが、行列もすぐにはけたので問題なしです。ただスタート15分前にはきっちりと各ブロックの入り口を封鎖するのでギリギリにトイレに行った人は最後尾からのスタートに。
スタートからは関門大橋側に向かいます。下関海響マラソンのコースは前半フラットで後半がアップダウンのある設定になっていて、この前半で飛ばして後半に潰れてしまうランナーが多いようです。実際に多くのランナーが気持ちよく走っていました。
山口出身の芸人さんのネルソンズ岸健之助さんだけは苦しそうに走っていたのですが、彼は結局26kmでリタイアでした。センスは悪くなさそうなので来年以降にしっかり練習して下関に戻ってきてもらいたいですね。ゲストランナーの波田陽区さんは余裕の走りでマイペースを保って5時間台で完走。こちらはお見事。
お見事といえば参議院議員の江島潔さんは苦痛の顔をしながらも一歩一歩確実に後半の上り坂を上がっていたのが印象的でした。下関市長も山口県知事も走っているのでみんなで盛り上げるという姿勢がすごく伝わってきます。
猫ひろしさんはいちいち声援に応えていたのではきりがないからでしょうか。「にゃー」と周りに言われても苦笑い。走り始めたら彼は芸人ではなくただの小さいおっさんです。
さて問題の後半です。ちょっと笑ってしまうぐらいのアップダウンです。ぎりぎりランナーが走れそうな傾斜の坂が続くので走りながら上がるランナーもいるのですが、そこが罠。繰り返すアップダウンで最終的に潰れてしまうランナーが続出です。
ただ大阪マラソンのように抽選であたって初フルマラソンですという人が少ない分、スピードは落ちてもほとんどのランナーが足を止めずに進み続けます。後半がきついということを知っているランナーも多いのでここが耐え時と上りは歩き、下りは走りに切り替えてゴールを目指します。
沿道の声援は途切れないということはないのですが、人がいる場所での盛り上がりは素晴らしい。東京や大阪のように途切れない声援もいいのですが、こういうメリハリのある大会もいいですね。マラソンは自分と向き合うスポーツなので声援がない区間も大切だったりします。
下関海響マラソンは全国の人気マラソンランキング4位だそうです。その理由はきっとこの変化に富んだコースとメリハリのある応援なのではないかと感じながら走りました。ボランティアの人たちの声援あり気弱になりそうになたっと気に「よし頑張ろう」と力が湧いてきます。
ゴール前2kmぐらいからは沿道の声援が増えていきます。もう少し沿道とコースが近いほうが最後の盛り上がりがワッとなっていい気もします。1万人規模の大会でもゴール時に渋滞はありえないので、ゴールの道幅を2車線にし観客との距離を縮めるような工夫があると面白いのですが、安全に厳しい日本ではそういうことは難しいのかもしれませんね。
それでも満足度の高い大会でした。何が飛び抜けているわけではないのですが、逆にストレスは一切ありません。タイムもあまり出そうにないコースなので全身で下関を感じながら走ってもらいたい大会です。
ランナーが一度走っておくべき大会のひとつとしてRUNNING STREET 365は下関海響マラソンを強く推奨します。
下関海響マラソン:http://kaikyomarathon.jp