ハルカススカイランに向けてのカラダづくりをしてきましたが、思わぬところでケガをしてしまいました。このため、カラダづくりは一時中断で、練習メニューの見直しをしているところです。
あべのハルカスの階段1610段を駆け上がるために必要なのは「筋力」と判断して、ジャンプ練習を取り入れてきました。このこと自体には問題がないのですが、問題は膝周りの小さな筋肉にあります。
ここまでまっすぐ進むことに関しては強化できましたが、少しでもひねりが入ると、筋力アップしたことでこれまで以上に可動しようとします。これにより靭帯や腱がこれまで以上に引っ張られることになり損傷してしまいます。
靭帯や腱はトレーニングによって鍛えられるという考え方と、そうでないという考え方もありますが、現段階では「鍛えられるけど筋肉ほどは劇的には変わらない」というのが一般的な考え方です。
ランナーに限らず、スポーツ選手が膝を痛めやすいのは、筋力のアップが簡単なのに対して、膝周りの補強がとても難しいからです。
しかも筋力がアップすると、膝に外力がかかったときにその外力を逃がすことなく踏ん張ってしまうため、靭帯の損傷につながります。膝に外力がかかっても、体ごと吹っ飛んでしまえば靭帯は損傷しません。踏ん張れるからこそ靭帯を傷めてしまいます。
もちろん膝を傷める理由は他にもありますが、闇雲に筋力アップだけを行うと、今回のように膝を傷めてしまうことは身をもって学ぶことができました。
大事なのはここからです。必要以上に膝にねじれの力を発生させないカラダづくりも同時に行っていかないと、ちょっとした拍子に簡単に膝を傷めてしまいます。筋力アップは継続させながらも、きちんと補強運動も入れる必要があります。
もっともシンプルな補強運動はラダーを使ったトレーニングです。ランナーが普段行わない横への動きを入れることで、膝のねじれが起きにくくなるようなカラダづくりができます。
ラダーは1000円台で購入できますので、膝周りを鍛えたいランナーさんにもおすすめのアイテムです。トレランのように俊敏性や敏捷性を求められる競技の補強運動にも最適です。
実際にハルカススカイランのエリートクラスで2連覇している吉住友理さんも、練習会でラダーを使ったトレーニングを行っています。
ロードのマラソンを1秒でも速く走りたいのであれば、ラダートレーニングは無駄な筋肉を付けることになりかねませんが、健康に長く走りたいのであれば、もしものときのための補助的な筋力アップは重要です。
ラダートレーニングはあまり得意ではないという人は、トレランを走ったり、フットサルやバスケットボールのような横への動きのあるスポーツを練習に取り入れてみましょう。
私も膝をケガしてしまいましたが、そういえばハルカススカイラン向けのカラダづくりを始めてから、一度も山に入っていませんでした（走って5分のところに山の入口があるにも関わらず）。
それともうひとつ重要なのが筋肉の柔軟性です。いくら鍛えても、その筋肉がすぐに反応してくれなければ意味がありません。柔軟性というとストレッチを思い浮かべる人も多いかと思いますが、間違ったストレッチはむしろケガに繋がります。
・静的ストレッチ
・動的ストレッチ
ストレッチにはこの2種類があります。
静的ストレッチというのが、多くの人が頭に思い描くストレッチ方法です。その場に留まりながらゆっくりと筋肉や腱を伸ばします。これはリラックス効果もありますので練習後のストレッチとしては効果的ですが、静的ストレッチをした後は筋力が低下すると言われています。
靭帯や腱が伸ばされることで、関節周りが不安定になってしまうためです。靭帯や腱はある程度の緊張感がないとうまく機能しません。
トレーニング前に行うストレッチとして必要なのは動的ストレッチです。こちらは動きながら行うストレッチで、有名なマエケン体操なども動的ストレッチの一種です。動的ストレッチが分からない人はYouTubeなどで調べてください。
私は基本的にストレッチが嫌いなのですが、さすがにケガをすると反省します。これからはジャンプ練習の前には動的ストレッチを入れて、練習後や就寝前には静的ストレッチをして、ケガをしにくいカラダづくりも目指します。
ハルカススカイランへの道は思ったよりも険しそうです。6月になってまだ階段を1段も走っていない状態ですが、まずはカラダづくりが重要です。焦らずしっかりと階段レース用に体を整えていきます。
