路面の硬さを考慮してランニングコースを選ぶ

ランナーの多くが、普段の練習でアスファルトの上を走っているかと思います。あたり前といえばあたり前のことで、日本で未舗装の道は20%程度しかなく、私たちの生活圏内でアスファルトで舗装されていない道はほとんどありません。

でも、海外ランナーのトレーニング動画をYouTubeで見ると、トップランナーでもアスファルトの上を走っているケースは少なく、多くのランナーが普段のトレーニングを土の道で行っています。

おそらく動画を公開しているランナーがケニアなどのアフリカ系ランナーが多いというのもその理由かもしれませんが、ケニアからのある留学生は、日本のアスファルトでのトレーニングを嫌っているという話もあります。

それではランニングはどのような路面で行うのが理想なのでしょう?そもそもアスファルトは本当に良くないのかも含めて、ランニングと路面の関係について解説していきます。

アスファルトは硬いけどシューズのクッションで補える

ランナーにとって最悪の路面が2つあります。それが石畳とコンクリートです。これらの路面で走るときの衝撃はとても大きく、負荷の高いトレーニングをすると簡単にケガをしてしまいます。

その次に良くないのかアスファルトです。アスファルトとコンクリートは同じくらい硬いと思われていますが、実際には7倍くらいの硬さの違いがあります。コンクリートよりもアスファルトのほうが断然柔らかく、関節への負担が小さくなります。

私は裸足でフルマラソンを走ることがあるので、アスファルトが柔らかいという感覚がよく分かります。きれいなアスファルトはとても柔軟性があり、きっちりと足を受け入れてくれます。

ただし一般的なランナーにとって、アスファルトは決して柔らかくありません。ソールの薄いランニングシューズで走れば、ケガのリスクがかなり上がってしまいます。

ところが最近は厚底シューズが注目され、厚底でなくても多くのランニングシューズが独自開発のクッション材を使って、着地時の衝撃から足を守ってくれます。このため、最新のランニングシューズを履いていれば、実はアスファルトでもそれほどケガのリスクは高くありません。

ただし、すべてのアスファルトで大丈夫かというとそうでもなく、世の中にはおそろしく硬いアスファルトもあります。例えば、北京の道路のアスファルトはかなり硬くなっています。北京オリンピックで土佐礼子選手が、硬い路面に悩まされたのは有名な話です。

なんでも、北京の大きな道はすべて戦車が走れるような仕様になっているとかで、そう考えると硬くて当然です。そのような硬いアスファルトが日本でも時々あります。そういうアスファルトはできるだけ避けるべきです。

ただし、普通のランナーはきっとアスファルトの硬さなんて分からないかとおもいます。だから「硬いから避ける」という判断もできません。そこでおすすめするのが次章でご紹介するトレーニング方法です。

できるだけたくさんのマイコースを持つ

硬いアスファルトから足を守りたいなら、毎日同じコースを走るのではなく、できるだけたくさんのコースを走りましょう。そうすることで硬いアスファルトを繰り返し走るリスクは回避できます。

またアスファルト以外の路面もできるだけ多く走るようにしましょう。

・未舗装の道
・芝生
・トレイル
・農道
・公園や競技場のウレタン舗装路
・ウッドチップ
・砂浜

探せばアスファルト以外の路面は、思ったよりもたくさんあります。河川敷に行くと未舗装の土の道が残っていたりしますし、農道も土の道があります。山が近くにある人なら、トレイルランニングもおすすめです。

理想なのは公園や競技場のウレタン舗装されたランニングコースです。ウレタン舗装されたコースは弾性があるのでスピードが出しやすく、関節への負担が小さくなるというメリットがありますので、トレーニングには最適です。

このようなランニングコースを組み合わせて、足にかかる負担を散らすことで、ケガのリスクは大幅に下がります。決まったコースを毎日同じように走っていると、同じ筋肉と関節だけが消耗していきます。それがケガに繋がります。

普砂浜やトレイルなどを走れば、不規則な力が足にかかるので関節周りの筋肉に負担がかかり、その筋肉が強くなることで関節を守ってくれるというメリットもあります。

マラソンは正しい動作を継続することがタイム短縮に繋がりますが、それだけでは強い足ができません。関節周りの筋肉も鍛えておかないと、ちょっと足が滑っただけで大ケガをしてしますことにもなりかねません。

そうならないためにもできるだけ、様々な路面で走ることをおすすめします。

たまにはシューズを脱いで裸足になろう

私は裸足で走ることがあるとお伝えしましたが、足を守るという意味では裸足になることもとても有効です。フルマラソンを裸足で走るというのは、普通ではない感覚だと思いますのでおすすめしませんが、普段のトレーニングで数kmを裸足で走るのはおすすめです。

裸足で走ると、シューズのときのような荒い着地をしなくなります。足裏が痛くなるので、できるだけ柔らかい着地を体が心がけるので、たとえ硬い路面であっても、自分で緩衝できるようになります。

もちろんいきなりできるようになるわけではなく、何度も繰り返しているうちにコツが分かってきます。それを普段のトレーニングにフィードバックすることで、シューズでも優しい着地を意識できるので、どんな路面でも関節に負担をかけることなく走れるようになります。

気をつけてほしいのは芝生で裸足にならないということです。芝生を裸足で歩くととても気持ちいいのですが、芝生は障害物を隠してしまいます。そこに石が転がっているのに気付かずに踏んでしまうこともあります。

安全性という意味では、芝生が裸足に適していないので、できるだけ、ウレタン舗装の道や土の道、アスファルトなどの安全性を目視で確保できる場所でシューズを脱ぐようにしましょう。

また、いきなり長い距離を走るのも避けてください。最初は100mでもかまいません。徐々に距離を伸ばして、気がつけばフルマラソンくらい走れるようになるのが理想ですが、そこまで追求する必要はありません。

まずはできる範囲で、様々な路面を走り込むのと同じ感覚になって裸足で走ってみましょう。「柔らかく、柔らかく」と何度も繰り返しつぶやきながら走れば、より効果的です。ぜひ無理ない範囲で試してみてください。

まとめ

アスファルトは路面が硬くてトレーニングに適してないと言われることもありますが、クッション性の高いシューズを選ぶことで、路面の硬さによる膝の故障を防ぐことができます(別の理由で故障することはあります)。

ただし、同じ路面ばかり走っていると同じ部分ばかり消耗しますので、それを回避するためにもできるだけ道を走って、毎コースを増やすようにしましょう。そのときにアスファルト以外の路面も織り交ぜることで、ケガを抑えて補強のための筋肉をつけることもできます。

また、関節に負担をかけない走り方を身につけるために、1週間に1回くらいは裸足で走ってみることをおすすめします。最初は距離が短くても構いません。徐々に長い距離を走れるようになったら、裸足の走りをシューズの走りにフィードバックして、普段から柔らかい走りができるランナーを目指しましょう。