日本一早いマラソンレポート「ハルカススカイラン(HARUKAS SKYRUN)」

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高さ300m1600段を超える階段。2016年の時点で日本で一番高いビル「あべのハルカス」を駆け上がるレース、ハルカススカイラン(HARUKAS SKYRUN)が2016年12月11日に開催されました。

関東の人はあべのハルカスの大きさをイメージできないかもしれませんが、横浜のランドマークタワーよりも少し高いと言われると、その高さをイメージできるのではないでしょうか。あべのハルカスの最上階からは大阪だけでなく、神戸までも一望できるとてつもない高さになります。

そんな高さまで誰が一番に上れるかを競うレースがハルカススカイラン(HARUKAS SKYRUN)です。

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正気の沙汰とは思えないこのレースに、全国から1000人もの参加者が集まります。大会はエリートランナーの部、一般の部に分かれて開催されましたが、一般の部は参加者が多いため、午前と午後の2回に分けてのスタートになります。

エリートランナーの部はヘリポートまでの1670段、一般の部は60階の1610段になります。エリートランナーの申込条件はかなり厳しく、エントリー後に選考が行われ、男女各15人でのスタートになります。

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エリートランナーエントリー条件

男子
フルマラソン 2時間45分以内
ハーフマラソン 1時間20分以内
女子
フルマラソン 3時間15分以内
ハーフマラソン 1時間35分以内

これだけでもエリートの部にエントリーするのがいかに難しいかが分かるかと思います。

このハルカススカイラン(HARUKAS SKYRUN)は世界中で階段レースを行っている、Vertical World Circuitのエキシビションマッチという位置づけで開催されました。このためエリートランナーの部は1位から3位まで賞金が授与される、日本では珍しい賞金レースになっています。

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レースは5人1組のウェーブスタートで1分毎に行い、あべのHoop1階オープンエアプラザから、あべのハルカス非常階段を駆け上がり、一般の部は60階の最上階、エリートの部はヘリポートがゴールになります。

スタートでいきなりダッシュをする人もいれば、マイペースで歩くように1段ずつ確実に上がっていく人もいます。

300mを駆け上がるのは、国内で誰もが初めての経験ですからペースがまったくわかりません。飛ばしすぎないように、それでも自分なりの計算で、探り探りペースを上げたり下げたりしながらアジャストしていくのですが、そうはいっても時間とともに徐々に疲労が溜まっていきます。

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自分の疲労具合も考え調整するのですが、それに失敗したランナーは、もう一歩も上がれない状態になって走るのをストップしてしまいます。

途中の17階と25階でエイドステーションがありますが、少し奥まった場所にあるため、エイドに寄ったランナーは大きなロスタイムとなってしまいます。これだけは参加者にとっての想定外。来年以降に改善されて欲しいという声も聞こえました。

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大会の思惑もあったのでしょうが、エイドはもっと階段の近くにあるべきかもしれません。とはいえ、このような点は開催を重ねることで改善されていきますので、今後に期待するといったところになります。

ウェーブスタートですので、同じブロックの選手であれば駆け引きができるのですが、眼の前にいるランナーが自分より前でスタートしたランナーなのかもわかりません。上位争いをしている選手でも50階を超えると余裕のない状態になっていきます。

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力のある選手はガンガン上っていけばいいのですが、走力に自信のないランナーは常に頭をフル回転させて、自分で判断していくしかありません。ただ階段を上がるだけのシンプルなレースですが、実は奥が深いのがハルカススカイランの面白さです。

とはいえ、やはり強いのは地力のあるランナーです。海外での階段マラソンで連覇をしているランナーや、トレイルで実績のあるランナーが最終的には良い記録を出していきます。

男子のトップランナーになると優勝するには9分を切るタイムが求められます。

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普通の人が歩いて30分かかる階段ですから、それを8分台というのは驚異的なタイムです。エリートの部の優勝はすでに大会2連覇をしている外国人ランナーです。女子の部は日本のトレイルランニング界で話題になっている、大阪が地元の吉住友理さんが優勝しましたが、2位と3位は外国勢でした。

日本人の力はこんなものではないはず。

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少なくともVertical World Circuitの上位は日本人が独占という時代が数年後にはきてほしいところです。それぐらい走りに自信のあるランナーにも注目されるべきレースになります。ただ、それ以上にこれを機に、日本国中で階段垂直マラソンの大会があちこちで開催されるようになると、マラソンとは違った「走る楽しさ」を多くのランナーが感じることができます。

42.195kmを完走するのとは違った満足感を、ハルカススカイランでは得ることが出来ます。長い距離を走ることは確かにすごいことですが、高いところまで駆け上がることも、フルマラソンの完走に負けないほどの達成感があります。

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「もうダメだ。でももう1歩がんばろう」「次の階段は走って上ろう」自分に言い聞かせて限界の壁を超えていく間隔。これはハルカススカイランだからこそ得られる感覚です。

ハルカススカイラン(HARUKAS SKYRUN)は世界的にも注目度も高い大会ですので、来年以降正式にVertical World Circuitに組み込まれ、世界中からランナーが集まってくるはずです。今年はエントリーギリギリまで枠が残っていましたが、来年は争奪戦になる可能性があります。

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マラソンでは勝てないかもしれないけど、階段なら自信があるという人はぜひ挑戦してみてください。

とにかくきつく、もう無理だと思うところまで自分を追い込んで、それでもまだまだゴールが遠いという絶望感。止まってしまいそうになる足。それを乗り越えてたどり着くゴールは他では味わえない達成感があります。

ハマってしまった人はVertical World Circuitの世界ツアーに参戦なんてこともあり得るかもしれません。自分の中にある新しい可能性を信じて300mを駆け上がる。ハルカススカイランは、自分の限界を超えていこうとするランナーたちにとってハルカススカイランはとてもオススメしたい大会です。

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念のため言っておきますが、ものすごく速いランナーのための大会ではありません。あくまでも自分の限界を超えることができるかどうか。これがハルカススカイランのすべてです。

これはすごく重要な事です。ハルカススカイランは決してトップランナーのための、走力のある人のための大会ではないということです。自分を超えていきたい、自分の限界がここであると認められない、認めたくないすべてのランナーに門戸は開かれています。

今年の参加を「自分にはその実力がない」と躊躇した人は、ぜひ来年は参加してみましょう。決して簡単な競技とは言いません。でも自分を超えていきたい人にこれほどオススメしたい大会は他にありません。

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ただし、来年は参加枠の争奪戦になる可能性があります。どうしようか悩んでいる時間はないかと思いますので、今年出ようと思いながらも出なかった人、今年出て来年も出たいという人は、クリック合戦になる覚悟で出場権を確保してください。

ハルカススカイランは大阪マラソンや東京マラソンを超えて、そしてロードのランナーとトレイルのランナー、長距離ランナーと短距離のランナーといった従来の枠を超えて大人気の大会になるポテンシャルを持った大会です。

数多くのマラソン大会やランニングイベントを見てきたRUNNING STREET 365が断言します。

ハルカススカイランは日本で最も人気があるランニングイベントになります。年々出場するのが難しくなりますので、もしこの記事を読んでいるのが2017年大会のエントリー開始直前で、大会へのエントリーを躊躇しているなら即断即決でエントリーしてしまいましょう。

HARUKAS SKYRUN:http://japan-verticalrun.jp

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