ROAD TO HARUKAS SKYRUNは連載として書いているのですが、前回から1ヶ月近く間があいてしまいました。8月前半までは階段向けのトレーニングが出来ていましたが、その後、中山道540kmを走りに行ったりしたのもあって、ようやく先週からトレーニングを再開しました。
その結果、以前は中2日くらいで回復していた内容のトレーニングなのに、3日4日経過しても筋肉痛が抜けません。やっぱり練習は継続が重要ですね。筋力がかなり落ちてしまったようです。
ただ、1週間前の24時間リレーマラソンで1.8kmを何回か走ったのですが、過去にないくらいに良いスピードで走ることができました。1.8kmならすべてキロ3分台のペースですので、こんなことは過去にありません。
540kmを9日間で走ったことで、3kg体重が落ちたのが一番大きいのですが、筋力も間違いなくアップしています。先日1kmのタイムトライアルをしましたが、こちらも2秒くらいですが自己ベスト更新しました。
こう考えると、1〜2kmくらいの短い距離ならやはり筋力が物をいうのが分かります。おそらくハルカススカイランも重要なのはパワーです。もちろん軽いに越したことはありませんが、軽すぎてもパワーがないのはNGです。
トラックを走るロードレースなら、パワーよりもテクニックと軽さで走れますが、上に走っていく階段垂直マラソンでは、地面をしっかりと押す力が必要になってきます。ロードのように体重移動をいくら上手くやっても押し上げるのはやっぱりパワーです。
ただ、そのパワーというのは一瞬の瞬発力だけでなく、ハルカススカイランを10分で完走するつもりなら、10分間継続できるパワーでなくてはいけません。1分間だけ速くても意味がありませんので、ここが短距離との違いでもあります。
3000mや5000mを走るような安定感。でもフルマラソンを走るよりも力強さが必要になります。
そこを目指してトレーニングをしてきたわけですが、それがある程度の形になっているというのを確認できました。確実に過去2年よりもいい走りができるのは分かっています。問題は何分縮めることができるのかということだけ。
正確には、歩い上る時間をいかにして減らすことができるのかということです。結局の所トップとの違いは歩くか歩かないかという点にあります。歩いたら10分というタイムはまず無理です。
2回の大会で取材の試走も含めて、4回もあべのハルカスを駆け上がった結論がそこにあります。ゆっくりでも歩かなければ15分以内で走り切ることができます。歩いてしまったら15分以上、人によっては20分以上かかってしまいます。
だから、ハルカススカイランにエントリーした人は、10〜15分間は走り続けられる体力と、力の配分の仕方を身につければ、それなりの結果を出せます。でも初挑戦の人は力の配分が分からずに撃沈します。
1本勝負という難しさがそこにはあるのですが、自分でどれくらいのペースが正解なのかが分からないという人は、1610段を3分割して考えましょう。最初の500段は様子見で、8割くらいの力で上がります。
次の500段は最初の500段をベースに「まだ上げられる」「ややオーバーペース」などを判断して微調整します。残りの610段は気合と根性です。力が余っているなら徐々にペースアップして、限界が近いならギリギリまで粘りましょう。
それで完璧だとは言いませんが、大失速は防げるはずです。
毎年階段の踊り場で動けなくなっている人を見かけます。かなり運動神経も良さそうな人なのに、オーバーペースで潰れています。過信というわけではないかもしれませんが、自分に自信がある人ほど潰れます。
とはいえ潰れるのが怖くてペースを上げないという選択肢はありません。普段の練習から10〜15分で全力を尽くす練習を行って、そのときの感覚を体に染み込ませましょう。心拍数や体温の上がり方をしっかり感じて、自分なりの体の状態を意識して把握してみましょう。
レース中にその感覚と照らし合わせて、オーバーペースやローペースにならないようにコントロールできるようになることが、満足できる走りにつながります。
まだまだ時間はありますが、本番にベストを尽くせるように、自分の目標タイムに合わせて追い込む練習を行って、その時間の感覚と体の感覚を磨いていきましょう。そして最後まで歩かないという強い意志を持つことです。
精神論はあまり好きではありませんが、メンタルが弱い人が結果を出せるタイプのレースではありません。最後は酸欠になりながらも気合で乗り切らなければいけない瞬間が出てきます。それをいかに普段の練習で体験しておくか。
簡単ではありませんが、結果を出すためにここから練習の質を1段上げていきましょう。
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