愛媛マラソンにも本人確認とリストバンドが導入されました。昨年の大会で、代理出走したランナーが倒れたことが原因ということので、これは当然の措置ですし、この代理出走についてはまたコラムでお話しします。
今日は愛媛マラソンのレポートです。このリストバンドですがなぜこうなったのか、小1時間問い詰めたいくらいに不便なものでした。固定した後に余った部分がヒラヒラとします。
これをカットしてもいいのかどうかも説明がなく、前日の食事でソースに浸してしまった人も。そういう私も、何度も醤油皿にダイブさせそうになりました。レースでは多くの人が、カットしておらず、前日に不便な思いをしたかと思います。
リストバンドの導入は必要な措置ですが、もう少し別の方法がなかったのかでしょうか。東京マラソンや大阪マラソンと同じスタイルを、あえて選ばなかったのはなぜなのでしょう。おそらく、このリストバンドだけで評価がかなり下がるような気がします。
その割にチェックが厳密かというと、ややゆるい感じがします。ちなみに、切らずに自分で外せたという人もいました。ケチをつけているのではなく、改善の余地があるのではというだけの話です。
レースは最高気温が10℃の予報。空には久しぶりの青空が広がっていました。悪天候に悩まされやすい愛媛マラソンでは、滅多にないベストコンディションでした。
前日に東京からのフライトが軒並みキャンセルになったことで、9時間くらいかけて陸路で移動したというランナーさんもいたようでしたが、それだけして伊予路までやってきた甲斐があるというものです。
実在に10kmくらいからは強い向かい風に悩まされますが、往路の向かい風は復路の追い風。ここでうまく集団を利用したランナーは、後半の失速を防げたかもしれません。逆に集団の最前線に立ってしまったランナーさんは……
愛媛マラソンは今年も豪華なゲストランナーが揃っています。高橋尚子さん、土佐礼子さん、お笑い芸人コンビの和牛。前日のフライトが運休になったことを考えると全員集まったのはちょっとした奇跡です。
コースは小さなアップダウンが続きます。走りにくいというほどではないのですが、時計を見てペースを決めている人にすると、ペースが安定しないという難しさがありますが、晴れていれば瀬戸内海も視界に入ってきます。
この景色の素晴らしさが愛媛マラソンの魅力のひとつですが、愛媛マラソンといえば、途切れない沿道の声援です。2年前の川内優輝さんが走ったときの盛り上がりこ超えることは難しいのですが、今年は天候が良かったこともあり、それを彷彿させる賑わいがありました。
途切れない声援に支えられたランナーは多かったはずです。
そして、愛媛マラソンの魅力は銘菓やポンジュースが並ぶエイドにもあります。地元の銘菓をこれだけ楽しめるマラソン大会もそう多くはありません。そのエイドでは地元の学生さんが、ランナーさんをサポートします。
ただドリンクやフードを用意するだけでなく、とにかく楽しそうにエイドでの作業と声援をしてくれるのが、強く印象に残りました。それは今回だけでなく、もう何年も継続されているのが、この大会の素晴らしいところです。
愛媛マラソンが地元に定着し、それに関われることが素敵なことであるという文化があることが感じられます。もしかしたら、お遍路文化が影響しているのかもしれませんが、学校の教育や自治体の活動も影響しているのでしょう。
人のために何かをすることが素晴らしいこと。言葉だけでなく、本心からそう思える人たちがこの大会には集まります。
冒頭で書きましたように、リストバンドには改善点があるかもしれません。でも、それが小さなことに思えるだけの魅力が愛媛マラソンにはありますし、走り終えたときの満たされた感覚は他の大会で味わうことができません。
3連休の開催で、地元の人や観光できた人には多大な迷惑をかけているかとは思いますが、レース後はどこに行っても「お疲れ様でした」と声をかけてくれる人がいる、心温まる街が松山です。
繰り返しになりますが、コースは思った以上にタフです。自己ベスト更新を狙うには正直なところ、高いハードルがあります。
でも。限られたランナー人生で走っておくべき大会があるとすれば、その候補に愛媛マラソンは確実に挙げることができます。こう書くと、来年以降の倍率がさらに上がりそうでこわいのですが、そうなってもいいと思える大会です。
旅ランとしても道後温泉やしまなみ海道があります。内子の古い町並みもなど、まだまだ全国的には知られていない魅力がある地域でもあります。
おそらく、実際に初めて愛媛マラソンを走った人は、「また走りたい」と思ったのではないでしょうか。あんなにも苦しいコースだったのにも関わらず。来年はまた天候の悪い愛媛マラソンが戻ってくるかもしれませんが、それでも走りたいですよね。
どれだけ素晴らしい大会であったかは、書いても書き尽くせないくらいの魅力があります。普段はRUNNET評価のリンクを貼ったりはしませんが、今回は実際に走った人の声を読んでもらいたいので、あえてリンクを貼ります。
RUNNET評価:第57回愛媛マラソン
これの評価やレポートを読んでちょっとでも気持ちが動いたなら、来年はぜひ愛媛マラソンを走ってみてください。きっと言葉足らずなこのレポートの伝えたいことを理解できるかと思います。
どれくらいに大会情報が公表されるのかはまだ分かりませんが、2019-2020年シーズンのメインレースとして、しっかりチェックしておきましょう。