春が近づくと気温が一気に上がり、夏でなくても25℃を超える気温の中でのマラソン大会を走ることも珍しくありません。そういうときに必ずといっていいほど問題になるのがエイドのコップ不足や水不足です。
5時間以上かけての完走を目指す人が、後半に水分が不足して力尽きるというようなケースも珍しくありません。ここではそんなトラブルが起きても完走するための対策をご紹介します。
エイドの水は足りなくなる前提で用意する
4時間台で走る人の水が足りなくなるようなことはまずありません。ところが「想定外の暑さ」で5時間台や6時間台で完走する人の水やコップが足りなくなることがよくあります。
これだけ多発してしまうと「想定外の」という言い訳は大会側の怠慢でしかありませんが、走っている途中でそれを口にしても水が天から降ってくるわけではありません。春マラソンは基本的に水不足が起きる前提で準備をしましょう。
後半に水が足りなくなると、春でも脱水症になることもあります。むしろ体が暑さに慣れていないこの時期だからこそ、水が足りない状態で走っていると、命の危険に晒されます。
マラソン大会では自分の身は自分で守らなくてはいけません。もちろん救護班はいますが、救護班はセーフティネットであって、最初から頼るべき存在ではありません。しっかりと自分で準備をしてスタートラインに立ちましょう。
マイカップを用意してコップ不足に備える
コップは足りなくなるもの。その対策としてはマイカップを持って走ることです。最近はシリコン製で折りたためるコンパクトなコップが売られています。それをひとつポケットに入れたり、カラビナを利用してウエストポーチにぶら下げて走ってください。
マイカップを持って走るというのは、春や夏のマラソンでなくてもエコの観点から多くのランナーに実施してもらいたいと考えています。マイカップ持参がフルマラソンの
スタンダードになれば、マラソン大会はもっと素敵なものになるはずです。
サブ4を狙うようなランナーにまで「マイカップを持参」なんてことは言いませんが、エイドで立ち止まる余裕のあるランナーさんは、マイカップに水やスポーツドリンクを入れてもらいましょう。
小銭や電子マネーを持って走る
コップが足りないだけならマイカップで対応できますが、大会によってはドリンクそのものが足りなくなるケースもあります。これは本来絶対にあってはならないことなのですが、現実に起きています。
そういうケースを想定して、500円くらいの小銭やSUICAやICOCAのようなコンビニで利用できる電子マネーを持って走りましょう。地方の大会の場合、コンビニがない可能性もありますので、理想は500円玉1枚持っておくことです。
小銭が増えるとポケットの中で音がして気になる人もいると思います。500円玉1枚だけお守りとして持っておけば、何かあったときのトラブルにも対応できます。昨年のいわて奥州きらめきマラソンではコンビニでアイスを買ったという人もいたようです。
お金があるのとないのとでは、心の余裕が違いますし、対策としてできることが違います。エイドに水がないことを怒るのはゴールしてから。走っているときには平常心でいられるように、小銭をしっかり持っておきましょう。
500mlくらいの水を背負って走る
これはサブ3を狙うようなランナーでも実行していることですが、ハイドレーションに水やスポーツドリンクを入れて、走るという対策もあります。
速い人たちはエイドでのロスを防ぐためにこれを行っていますが、5〜6時間台で走る人は、自分の安全のために水を背負って走ることも考えてください。2リットルも背負うと大変ですが、500mlくらいならなんとかなりますよね。
ハイドレーションバッグは高いから…そう思っている人もいるようですが、有名ブランドのものでもなければ、3000円以下で購入できます。スポーツ店ではなかなかてにはいりませんが、amazonで「ハイドレーションバッグ」と検索してみてください。
安さの理由はとにかく安い部品を使っているということにあります。縫製もかなり雑ですが、価格を考えればむしろ「この価格でこれが買えるの?」と驚いてしまいます。
500mlをエイドの水が足りなくなる残り30kmくらいから、ゆっくりと飲んでいけば後半の失速を防ぐことができます。入れておくのは水ではなくスポーツドリンクがいいのですが、O.R.S経口補水塩タブレットで、経口補水液を作っておくのもおすすめです。
陽射しが強い場合はサングラスとキャップを着用する
女性ランナーは日焼け対策もかねて、ランニングキャップを使っている人も多いのですが、男性ランナーではキャップを使うのは少数派です。サングラスになると「そんな速いわけでもないのに」と着用率がグッと下がります。
髪の毛は黒色ですので、光を吸収しやすく、頭がすぐに熱くなってしまいます。気温が25℃以上あって、雲ひとつない晴天ならできるだけキャップをかぶるようにしてください。それだけで体感気温がだいぶ下がります。
また、春は紫外線も強いのでサングラスをしてください。完走まで時間がかかるランナーほどサングラスは必須です。疲労感は目からやってきますので、光を遮るだけでも後半の失速幅を減らすことができます。
光を減らすことで集中しやすく、なおかつリラックスできるという効果も期待できます。こちらもamazonなら2000円台で売られています。ZoffやJINSでも5000円程度で購入できます。
上の画像にあるサングラスはamazonで2240円(2018年2月13日時点)で売られています。なんと交換レンズ5枚入りでケースまでついていてこの価格です。
オークリーやSWANS、アディダスなどのサングラスも魅力的ですが、高価ですしオーバースペックです。1年に数回しか出番がないサングラスにそこまで出せないという人は、低価格のサングラスを活用しましょう。
調子が悪くなったらリタイアすること
エイドの給水が足りなくても完走する方法をご紹介してきましたが、それでも体調が優れなくなったら、潔くリタイアすることも考えておきましょう。
普段のマラソンは、ゴールするイメージだけを持ってスタートラインに立つべきです。ただ25℃を超えるレースの場合は、最初からリタイアする可能性を頭に入れて走り始めてください。
「頑張らなきゃ」の意識が強すぎると、限界を超えて体を酷使してしまいます。調子が悪いと思ったら、スピードを落としてみたり、歩いてみたりして、それでも戻らないようならリタイアを選びましょう。
それは決して恥ずかしいことではありません。その日がたまたま悪い流れだっただけのことで、それを見極められた自分を誇りに思うことはあっても、悔やむ必要はまったくありません。
マラソン人生はまだまだ先まであります。最善の準備をしたのであれば、必要以上の無理はせず、きちんと体の声を聞いて進むか止まるかの判断をしてください。
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