暑い日のマラソン大会で大事なのは水分補給ではなく塩分補給

この週末にマラソン大会に出場したランナーさんは、暑さに苦しんだことと思います。5〜6月に開催される大会は、基本的に暑いか寒いかのどちらかで、快適なコンディションで走れるということはまずありません。

雨が降れば寒くなり、そうでなければ晴天と強い紫外線がランナーを苦しめます。そういうときに「しっかり水分補給しなくては」と意識的に水分を多めに摂るように言われていますが、ちょっと待ってください。

「水分補給が大切」と言われていますが、安易な水分補給は危険です。

ここではなぜ水分補給が危険なのか、それでは一体どうすればいいのかについて、分かりやすく説明をしていきます。

目次

足りていないのは水分はどれくらい

私たちランナーは、暑い環境の中で走ると体を冷やすために汗をかきます。汗は水分ですので、失われた分をきちんと補う必要があります。人間は体内の水分が2%失われると、運動能力が低下すると言われています。

3%失われると強い喉の渇きがあり、4〜5%失われると脱水症状が現れます。10%以上失うと、それは命を落とす可能性もあります。

体脂肪率が適正範囲であるときの体水分率は次のようになります。

男性が約55~65%
女性が約45~60%

もし、体重60kgの男性の体水分率が60%なら、体内の水分量は36kgということになり、1.44kg以上の汗をかくと脱水症状になるというわけです。ランニングをして1〜2kgくらいの体重は簡単に減る人も多いかと思いますが、思ったよりも危険な状態だと覚えておきましょう。

気温が25℃を超えるような環境でのランニングでは、1kmごとに一口の水分を摂るくらい、徹底して水分補給をしなくてはいけません。このため、この時期のランニングでは必ずドリンクを持って走ってもらいところです。

エイドがあるマラソン大会でも、基本的には5kmごとに設置されていますので、これでは水分をうまく補うことができません。

ちなみに体水分率はタニタの体組成計などで計測できますので、自分の体水分率をきちんと管理したい人は、体重計を購入するときに「体水分率」の測定ができるかどうかをきちんと確認しておきましょう。



水分だけを補うと体液がどんどん薄くなる

水分補給はとても重要ですが、汗で失われているのは何も水分だけではありません。汗をかいたあとの腕や顔には塩分が残っていますよね。汗は水分とともに老廃物やミネラルも一緒に体の外に排出します。

ナトリウム: 0.9 g/L
カリウム: 0.2 g/L
カルシウム: 0.015 g/L
マグネシウム: 0.0013 g/L

実測値は人によって変わってきますが、これだけの成分が汗とともに体外に排出されます。問題はナトリウムやカリウムなどのミネラルです。人間の体液は約0.85%の塩分濃度でその濃度はナトリウムやカリウムで調整されます。

このため水分だけを補給すると、体液中のナトリウムやカリウムの割合が減ってしまいます。そうなるとどうなるか。細胞の塩分濃度とその周りの体液の塩分濃度の差から、細胞内の塩分濃度を下げようと水分を細胞内に取り込みます。

細胞が取り込める水分を超えて、さらに取り込もうとすると、細胞は風船のように膨れて、最終的には破裂します。

本来、人間の体は過剰に摂取した水分はおしっことして排出されますが、マラソン中などは腎臓がきちんと機能せずに、排出が間に合わなくなって、このような減少を体内で引き起こしてしまいます。

マラソン中は経口補水液がベスト

 

冬のマラソン大会ならそれほど汗をかかないため、まだ水による水分補給でも大きな問題にはなりませんが、春先や秋の暑い日などは、水ではなくスポーツドリンクをエイドで摂る必要があります。

スポーツドリンクは好き嫌いがありますが、これに関しては苦手を言っている場合ではありません。あまりに多くの汗をかいている状態で、水による水分補給をするというのは自殺行為だと認識してください。

喉の渇きは潤せても、それは脳への信号をごまかしているに過ぎません。目に見えない体の部分では、かなり危険な状態になっています。ですので、好き嫌いに関係なく、スポーツドリンクを摂りましょう。

ただし、スポーツドリンクというのは万能ではありません。理想の水分は経口補水液です。OS-1など名前くらいは聞いたことがありますよね。体にいいと分かっていても、入手性が悪くて、さらに味も苦手という人もいるかと思います。

そういう人におすすめなのが、タブレットタイプの経口補水液「O.R.S 経口補水塩タブレット」です。

O.R.S 経口補水塩タブレットをおすすめする理由

水に溶かして経口補水液を作れるタブレットですが、もちろんそのまま食べることも出来ます。脱水症状が出ているようなときにはそのまま食べて、水を飲むだけでかなり症状は改善されます。

ただ、通常の使い方は500mlのペットボトルに1タブレットを入れるだけ。それで市販の経口補水液と同じように使えます。

おすすめしたい理由は、飲みやすさにあります。薄いレモン味で甘さもないため、通常の水と同じように飲むことができます。実際にプロサッカーチームの給水にも使われている実績があります。

水さえあればどこでも経口補水液を作ることができ、緊急時の塩分補給もできますので、トレランやウルトラマラソンとの相性もバッチリです。普通のランナーにおすすめしたいのは、レース後の水分補給です。

すぐにビールを飲みたいという人もいるかと思います。それはそれで止めませんが、汗を大量にかいたあとには、まずは経口補水液での水分補給をしておきましょう。完走後に水をもらえる大会も多いかと思います。その水にタブレットを入れて、打ち上げまでの時間に飲むだけでOKです。

とてもお手軽な経口補水液タブレット。高齢者がいる家庭でも脱水症状予防に役立ちますので、ぜひ1本だけでも家に常備しておくと何かと安心です。Amazonで購入できますので、お守りだと思ってぜひ購入しておきましょう。



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