日本一早いマラソンレポート「北渋RunRunフェスタ・北渋マイル」

日本ではまだマイナーな競技である「1マイルレース」。でも世界中で楽しまれている競技で、たった1.6kmという距離ですが、そこには技術や駆け引き、メンタルの強さなど陸上競技の魅力がギュッと詰まっています。それを日本でも開催したいということで、渋谷とニューバランスがタッグを組みました。

北渋RunRunフェスタは渋谷区の北側、北渋エリアで開催されるランイベントで、メインは1マイルを走る北渋マイル。さらに田中希実選手のスペシャルイベント「NOZOMI MILE」も開催され、渋谷に新しい波が誕生しました。

目次

国内初の本格的なマイルロードレースがスタート

北渋RunRunフェスタは渋谷区の北側、初台を拠点とした北渋エリアで開催されるランイベントです。「北渋マイル・北渋リレー・北渋ひよこレース」の3種目からなり、さらに日本を代表するランナーである田中希実選手のスペシャルイベント「NOZOMI MILE」も同時開催されました。

42.195mを走る「北渋ひよこレース」を除いて、いずれも1マイル(1609.344m)のコースを走ります。北渋マイルはワンウェイの部門と途中で折り返す部門の2種目。そして北渋リレーは1周1マイルのコースを、仲間と襷をつなぎながら1時間走ります。

渋谷というと坂があって、曲がり角だらけのコースをイメージするかもしれませんが、北渋エリアには、フラットで直線の水道道路があります。ワンウェイコースはスタートしてすぐに左折したら、あとはひたすらまっすぐ走るだけ。

左折手前の直線が小さな窪みになっているため、スタート直後は一気に坂を下って、その勢いで上りきったらすぐに曲がることになります。それ以外はほぼフラットなので、ペース配分もしやすく、絶好の1マイルレースコースになっています。

地元の中学生や小学生の姿が目立ち、地域で盛り上げている雰囲気にどことなく懐かしさがあり、居心地のよさを感じます。イベントとしては第1回開催ではあるものの、知った人がたくさん集まっているのでしょう。あちこちで挨拶を交わされており、会場はアットホームな空気に包まれていました。

スタート前のドキドキが止まらない

私が出場したのは折り返しのあるコースで、一般の部門だけでなく地元の中学生も一緒に走ります。小学生も同じく折り返しコースを走りますが、そちらは別ブロックになっていて大人と子どもが混じり合わないように、しっかりと配慮されています。

でも1マイルというひとつのコースを小学生から大人まで、同じ条件で競い合うというのは1マイルレースならではです。私も中学生と抜きつ抜かれつのレースをするのは久しぶりで、若いエネルギーに負けないようにと、いつも以上に気持ちが入ります。

私はマラソン大会では基本的に緊張しないタイプなのですが、今回はスタートラインに立ってから走り出すまで、心臓のドキドキが止まりませんでした。10分もかからずに終わってしまうわけで、フルマラソンのように前半のミスを後半に取り返すとかできないと思うと、変な汗が流れてきたり。

しかも沿道にはたくさんの人がいるわけです。スタートエリアは地元の人たちで溢れかえていて、まさにお祭り状態。走り出してからも、ワンウェイコースを走り終えて戻ってくるランナーや、家族や友人を応援する人たちが大勢いて、ずっと声をかけてくれます。

折返しコースの部なので、他のランナーを見れるというのもいいですね。中学生がチームメイトを応援しながら走っていて、青春をちょっとだけおすそ分けしてもらえました。この大会の参加者が増えても、できることなら中学生と大人を混ぜてもらいたいところです。

そして1マイルですが、スタートブロックのやや後ろ側にいたので、スタート直後にロスが発生しましたが、すぐにバラけて自分のペースになりました。ただ本格的な1マイルレースは初めてで、どこまでスピードを出していいのかわからず、想像以上に頭を使う競技だと感じました。

そして、やや余力が残ったままゴール。経験不足がはっきりと出たレースになってしまいました。1マイルレースは私が思っているよりも、はるかに奥深いものなのかもしれません。このレースでオールアウトできるようになったら、フルマラソンなどの長距離レースもワンランク上のランナーになれるような気がします。

次世代につなぐ北渋マイルとNOZOMI MILEの役割

今回は一般のランナーが走ったあとに、田中希実選手の特別レース「NOZOMI MILE」が開催されました。「NOZOMI MILE」は陸上競技に対する熱い想いをもった中学生〜高校生の女子のためのレースで、田中希実選手と競い合って1マイルを走ります。

ただ、普通にヨーイドンでは田中希実選手が勝つのはあたり前。ですので、10秒のハンディが与えられました。田中希実選手を除く全員がスタートしてから、10秒後に田中希実選手がスタートするので、それに追いつかれないように逃げるようにして走るわけです。

結果的には全員が抜かれてしまいましたが、それもいい経験です。追い抜かれても必死に付いてこようとした人もいたようで、トップアスリートが持つ特別な空気感をしっかりと肌で感じながら走れたはず。きっと彼女たちのランニング人生において、大きなターニングポイントになったはず。

ただ、人生においてとても重要なイベントになるというのは彼女たちだけでなく、大人に混じって1マイルを走った中学生や42.195mを走った小さな子どもたちも同じで、陸上競技会とはまた違ったお祭りのような大会を走ったことで、「走るって楽しい」と感じたことでしょう。

部活で走っていると、つい「走るのは楽しいこと」という原点を忘れがちですが、1年に1回でも北渋RunRunフェスタに参加して、応援される楽しさ、自分の走りで会場が盛り上がる楽しさを味わうことで、陸上競技をもっと好きになってくれるはず。

その先にあるのは競技力の向上であり、このイベントが続いていけば、いずれ北渋RunRunフェスタやNOZOMI MILEを経験した中学生の中から、日本を代表するトップランナーが現れるかもしれません。そんな選手たちが世界で活躍し、そしてゲストランナーとして北渋に戻ってくることを期待しています。

渋谷の新しい文化になる予感

ランナーの多くが「1マイルなんて身近すぎる」と感じるかもしれませんが、1マイルにはフルマラソンにはない面白さがあります。そして1マイルレースで学んだことは、フルマラソンに活かせることも多く、1マイルを上手く走れることは、間違いなくフルマラソンのレベルを上げてくれます。

ただ、現時点では日本には1マイルレースがほとんどないのが実情です。北渋RunRunフェスタはそこに新しい風を吹き込んでくれるランニングイベントです。もしかしたら、北渋RunRunフェスタをきっかけに全国で1マイルレースが始まる可能性があります。

そして北渋RunRunフェスタそのものは、間違いなく渋谷の新しい文化になるはずです。少なくとも今回参加した地元の人たちや、応援にやってきた地元の人たちは、ランニングしかないこのお祭りを全力で楽しんでおり、毎年開催していけば、北渋になくてはならないイベントへと成長するはずです。

今後、どのような大会に育っていくのか、そもそも来年以降も開催されるのかは現時点ではわかりませんが、これはRUNNING STREET 365としても追い続けたい大会でした。もちろん選手としても参加したいですし、できることならラン仲間とリレーにも出たいところ。

1マイルの魅力が多くの人に伝わるのには時間がかかるかもしれませんが、数年後には渋谷が1マイルレースの聖地として国内はもちろん世界中からランナーが集まり、地元の中学生や高校生と競い合う日が来るのを楽しみにしています。

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