日本一早いマラソンレポート「万里の長城マラソン2024」

毎年5月1日に開催される万里の長城マラソン。コロナ禍も毎年続けて開催していましたが、日本事務局が参加者を募集再開したのが昨年の秋大会から。ということで、今年は5年ぶりに日本事務局が春大会を募集。大会事務局スタッフも含めて3人の日本人が参加しました。

参加者は世界35ヵ国から集結。信じられないかもしれませんが、ロシア人とウクライナ人、イスラエル人とイラク人もいるという国際色豊かな大会になっています。今回はそんな万里の長城マラソン2024について大会事務局という立場でレポートしていきます。

目次

日本からの参加はハードルが高い

コロナ禍以前には100人のランナーが日本から参加したこともあるのですが、今回はすでにお伝えしましたように、3人の参加となりました。その最大の理由は中国に入国するのに、観光でもビザが必要になったことにあります。

ビザの申請は平日に限られており、対応する施設も全国にそれほど多くありません。たとえば関東なら東京で申請できますが、宮城県の人は新潟で申請しなくてはいけません。しかも書類に不備があると門前払いされてしまいます。

ビザの受け取りも平日。そこまでして中国に行きたい人がどれくらいいるかというと、2019年と比べれば激減しているのは間違いありません。それに加えて円安と中国の物価高で、かつてゲストハウスは1,000円以下で泊まれていましたが、今は最低4,000円です。

普通のホテルも2倍近く値上がりしており、少なくとも北京は日本と物価が変わらないか、むしろ高い状態にあります。本当はそういうのも含めて、今の北京を体験してもらうのに万里の長城マラソンをきっかけにしてもらいたいのですが、そのハードルはかなり高いのが現状。

世界から85名のランナーが集結

参加者が85名と大会の規模が小さいということもあり、大会受付はホテルのロビーで行っています。そこではボランティアの大学生が中心になって受付を行いました。語学大学の生徒が中心ですが、年々スタッフがしっかりしていくのを感じます。

かつては細かく指示を出さないと動いてくれなかったこともありましたが、昨年から手伝ってくれて、春秋と経験したことで、こちらから何かを言わなくてもテキパキ動いてくれるのですが、こういうことを感じられるのも万里の長城マラソンの面白さです。

あたりまえですが英語対応は問題なく、日本語対応は日本事務局がいるので、受付は滞りなく行えます。大会の代表も日本で暮らしていたこともある中国人なので、日本人に対するサポートは特に力を入れています。だからこそもう少し集めたいところですが。

結果的に日本人が少ないこともあって、バランスよく国際色豊かな大会になっています。いろいろな国の人同士がコミュニケーションをとり、親しくなっていくきっかけにもなるのが万里の長城マラソン。久しく英語を話していないという人も、ぜひ参加してもらいたいところです。

青空が広がる絶好のコンディション

北京は空気が悪いというイメージがあるかもしれませんが、以前のように空が連日霞んでいるということはありません。とはいえ今年は4月25日から4月28日まで空気が悪く、太陽が出ているのに空が白んでいるコンディションでした。

ところが大会2日前に雨が降り、前日から青空が広がり始めました。そして迎えた当日の朝、見事な快晴。気温も想定していたほどは高くなく、走りやすいうえに景色も抜群というコンディションとなりました。ただ、中国は労働節で休日。

事故渋滞に巻き込まれて、バスの到着が1時間も遅れてしまいます。とはいえ、時間どおりにスタートしたこともないのが万里の長城マラソン。胸を張るようなことではありませんが、海外の小規模なマラソン大会ではよくあること。

とにかく舞台は整い、85名が走り出します。正確には5kmだけロードの部分がなく、万里の長城に通じるトレイルの入り口まで車で送ってもらえるのですが。いずれにしても、万里の長城マラソン史上最高のコンディションでのスタートになります。

万里の長城は短いけど苦しさは同じ

以前の万里の長城マラソンのコースは、そのほとんどが万里の長城だったのですが、規模の大きな万里の長城は観光地化してしまい、大会を開催するのが難しい状態になってしまいました。そこで地元の人が管理している小さな万里の長城を舞台にしています。

このため万里の長城部分は3kmくらいしかありません。それでは走りやすくなったのかというとそうでもなく、制限時間は10時間のまま。それでも制限時間までに完走できない人が出ています。それくらいきついので、種目選びは重要です。

おすすめはハーフマラソン。追い込まれるほど気持ち良くなる人にはフルマラソンをおすすめしますが、そうでないならハーフマラソンで十分に万里の長城を満喫できます。ただレースに集中すると絶景を見逃しがち。なのでハーフマラソン後に万里の長城に戻るのがベスト。

ただ結果的に、30km走ることになるのですが。そしてハーフマラソンを選んだ人はクタクタになって、そのまま北京市街地に戻ってしまうんですが。それくらいタフな大会に粘り強い日本人が少ないのは少し寂しいところ。今年の秋大会(10月27日)には今回の倍以上の日本人が参加することを期待しています。

万里の長城マラソン:https://greatwallrun.com

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