日本一早いマラソンレポート「天童ラ・フランスマラソン2024」

これまで何度も天童ラ・フランスマラソンのレポートを書いてきましたが、すべてのエイドでラ・フランスを食べるなど、基本的にはファンランの視点でレポートしてきました。それはそれで楽しいのですが、1度くらい本気で走ったらどんな景色が見えるのか知りたくて、初めて全力で走ってきました。

天童ラ・フランスマラソンは前半に上り基調のコースとなっていて、タイム狙いが難しいコースとされていますが、キロ4分台で走っても厳しいのか、それとも楽しいのか、自分の足で走って試すことに。シリアスランナーでも参加する意味があるのかという視点でレポートします。

目次

前日の雨が嘘のように青空が広がる

天童ラ・フランスマラソン2024の前日、東海道新幹線が運休するほど、日本全国で大荒れの天気でしたが、大会当日は何もなかったかのように青空が広がりました。多少の雲があるので、青空なのに直射日光を避けられる時間帯も長く、レースとしてはベストコンディション。

走っていて、強めの向かい風が気になるところもありましたが、コースそのものが変化に富んでいるので、少し耐えれば向かい風が追い風になるなど、タイムに大きな影響を与えるほどではありません。こういう爽やかな秋空の下を気持ちよく走れることが、天童ラ・フランスマラソンの大きな魅力のひとつです。

種目は3kmと5km、そしてハーフマラソン。メインはもちろんハーフマラソンですが、体力に自信がない人でも気軽に走れるのも天童ラ・フランスマラソンのいいところ。でも、10km以上歩くことなく走り続けられるなら、おすすめはハーフマラソンです。

決して簡単なコースではなく、トレーニングを積み重ねていない人を跳ね除ける厳しさはありますが、それだけ挑戦しがいがあります。でもフルマラソンほどは大変ではありませんし、走れなくなったとしても、残り距離はそれほど長くありません。

速く走ればアップダウンはそこまで厳しくない

天童ラ・フランスマラソンのコースはアップダウンがあるので、難易度が高めです。実際にこれまでファンランとして走ったときは、上り坂の傾斜に苦しみ、それもとても長く感じていました。でも、キロ4分台で走ると、その景色はまったく違いました。

あれほど長く感じた上り坂も、テンポよく駆け上がるので、あっという間にに終わります。もちろん心拍数は上がりますが、どうにもならないレベルではありませんでした。苦しくてきついとなったときには坂道の上にたどり着いていました。

そして、上りのあとには必ず下りがあります。しかも下りが1km以上続くので、上りのロスは下りできちんと取り返せます。さらに目に飛び込んでくる風景がどんどん変わっていくので、コースに飽きるということなく淡々と走り続けることができます。

そして10kmを過ぎれば、そこからはスピードに乗って走れます。前半は抑え気味に入って、10kmからペースアップ。もし天童ラ・フランスマラソンでタイムを狙いたいなら、その作戦がおすすめ。無理して坂道を駆け上がると、後半失速することになりかねません。

もっとハーフマラソンなので、突っ込んで潰れても笑い話で済みます。前半抑えるのは、あくまでも上手く走りたい、気持ちよく走りたい人へのアドバイスということで。どのように走るかは自由ですし、楽しみ方だって自由。良い走りをするだけがマラソンではありませんから。

速く走る人もゆっくり走る人も楽しめる

天童ラ・フランスマラソンは速く走っても楽しいですし、ゆっくり走っても楽しめるようになっています。速さを求める場合には、難コースと向き合う楽しさがありますが、ゆっくり走ると、充実のエイドを満喫できます。天童ラ・フランスマラソンはハーフマラソンなのにエイドが6ヶ所もあります。

ハーフマラソンなのにすべてのエイドでフードが用意されており、第3エイドと第4エイドではラフランスが振舞われます。ちなみに、マラソン会場ではランナーに対してラフランス食べ放題イベントを開催しています。さらに芋煮も無料でいただけるなど、至れり尽くせりです。

ただスピードを出して走ると、エイドで何かを食べる余裕もなく、美味しいものを逃してしまいます。ここが本当に難しいところで、ランナーは究極の選択を提示されるわけです。食べたいけどタイムロスは避けたい。速く走るとなると、その葛藤を何度も繰り返すことになります。

速く走っても、ゆっくり走っても同じなのは、沿道の声援を受けられるということです。それほど大きな街でもなく、前半は山側を走るので応援に来ている人はそれほど多くありません。それでも、家の前に出てきてくれる人もいますし、声を出して応援してくれる人もいます。

ボランティアスタッフも一生懸命で、ずっと笑顔でサポートしてくれます。山形のマラソンは天童ラ・フランスマラソンに限らず、地元の人たちやボランティアスタッフのサポートが素晴らしく、今回もそれをいかんなく発揮してくれました。

走る楽しさを感じたい人におすすめ

天童ラ・フランスマラソンは天候に恵まれているのもあり、秋の山形を気持ちよく走ることができます。気温は年によって多少の違いはありますが、あまりに暑すぎたり、寒すぎたりすることもなく、肌寒さを感じられる程よいコンディション。さらに青空が広がるのもあって、明るいイメージがあります。

そしてハーフマラソンなのに、イベントが充実していて、参加賞にラ・フランスを3つももらえます。関東エリアからならアクセスも良く、美味しいごはんもあって、それでいてハーフマラソンだから体力にも余裕があるので観光も楽しめます。

記録を狙いたいなら、もっと走りやすい大会はいくらでもあります。でも、天童ラ・フランスマラソンでしかできない体験があります。苦しいだけではなく、達成感もあります。そして、走る楽しさを取り戻すことができる大会でもあります。

マラソンは初心者の頃は、走れば走るだけ速くなるので楽しくてしょうがないものですが、伸び悩むようになってくると、楽しいはずのマラソンが苦しさに変わってくることがよくあります。天童ラ・フランスマラソンはそんなときに走ってもらいたい大会です。

どのレベルのランナーも「マラソン大会ってやっぱり楽しい」と思えるはずです。

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