和倉温泉観光スタンプラリーを使って能登を走ってみた!【2日間で65kmの旅ラン】

毎年夏に2〜3日程度の旅ランをしているのですが、今年の夏は緊急事態宣言中であり、さらに仕事が山のように積まれた(積んだのは自分)ので旅ランを断念。秋になったのでどこかに走りに行きたいなと思っていたら、知人から「和倉温泉でスタンプラリーあるよ」との情報あり。

SSTRというバイクのイベントに合わせた、バイク向きのスタンプラリーなんですが、七尾と和倉温泉を中心に10ヶ所を巡ることができ、それぞれをぐるっとまわるといずれも40km程度になるので、ダブルフルマラソンと命名して走ってきました。

目次

和倉温泉観光スタンプラリー旅ランスケジュール

急に決めたランイベントだったので、一緒に走ってくれる人として手を挙げてくれたのはウルトラマラソンを走るラン仲間1人。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、少人数のほうがフレキシブルに動けるので、結果的には2人の旅ランで良かったです。

2人とも関東からの参加でしたので新幹線を使うつもりでしたが、夜行バスがあまりにも安く、往復で約1万円という料金に負けて往復夜行バス。金曜日の夜に出発して月曜日の朝に帰ってくるスケジュールを組みました。

10月8日23:30新宿出発・夜行バス移動
10月9日7:35金沢駅到着
8:00朝ごはん・近江町市場
11:15七尾駅到着・ランニングスタート
17:00ランニング終了
18:00和倉温泉ホテル到着
10月10日8:00和倉温泉スタート
14:30終了
15:30和倉温泉総湯
21:30金沢駅出発

大雑把なスケジュールはこんな感じです。

ランニングコースプラン

Google Mapでチェック

こちらが初日のコース。Google Mapだと38.4kmとのこと。バイクでのアクセスに不向きということでスタンプラリーには石動山が含まれていませんが、このエリアで見ておいたほうがいい場所と聞いていたので、七尾駅から時計回り、七尾城址の次に回りました。

Google Mapでチェック

2日目は和倉温泉を拠点にして、七尾西湾を1周する予定。2日目は朝から走れるので43.8kmの距離。能登和倉万葉の里マラソンのコースを大回りにしたようなコースになりました。バイク用のスタンプラリーですが、ランニングでもこのように2日かければちょうど巡れます。

この2つのコースで重要なのは途中でエスケープできるということ。「予定は未定」が旅ランの基本。予定通りに走れなかった場合の選択肢を用意しておくことで無理することなく旅ランを楽しめます。マラソン大会じゃないので、電車やバスを使ってはいけないなんてルールはありませんから。

和倉温泉観光スタンプラリーについて

今回利用した和倉温泉観光スタンプラリーは、和倉温泉観光アプリ内にあります。iPhone版Android版それぞれありますので、それぞれの端末に合わせてアプリをダウンロードし、事前にログインと参加登録をしておきましょう。

アフターSSTRのお楽しみ|SSTR
和倉温泉観光スタンプラリー|わくらづくし

和倉温泉へのアクセス

和倉温泉へのアクセスについても説明しておきます。鉄道は金沢から特急を使って和倉温泉まで1本、鈍行なら七尾で乗り換えて和倉温泉駅に向かいます。温泉街のホテルなら七尾駅からバスで和倉温泉に向かうという方法もあります。

関東からアクセスする場合、2人以上で移動するなら富山で新幹線を降りて、富山駅からレンタカーでアクセスするのもおすすめです。ラン仲間との会話を楽しみたいならレンタカー、2日目の打ち上げでお酒を飲みたいなら金沢経由の電車がいいかもしれません。

詳細:和倉温泉観光協会HP

初日は七尾の山を駆け抜けた31.6km

初日は七尾駅を拠点に38.4kmのコースです。スタンプラリーのチェックポイントは5ヶ所あります。各チェックポイントやランニングコースの特徴について、順を追ってコースをご紹介していきます。

スタートは七尾駅。駅を出て左側にトイレとコインロッカーがあります。まずはコインロッカーに走るのに必要ない荷物を預けます。ちなみに駅にある七尾駅観光案内所でも荷物を預かってくれて、1,000円でホテルまで配送してくれます(受付時間9時〜12時)。

荷物をコインロッカー預けて身軽になったので、まずは最初のチェックポイント「花嫁のれん館」へ。ゆっくりと見て回りたいところですが、それをするとランが終わらないので、今回はランニングに徹します。気になったところは後日また来るというスタンスで。

ただし食事は旅ランの重要ポイントなので、スタート直後なのに早くも昼ごはんにしました。今回伺ったのは「まいもん処 いしり亭」さん。七尾に伝わる魚醤「いしり」を使った料理を出してくれるお店で、1番人気の「いしりを使った豆皿膳(1,320円)」をいただきました。

ご飯以外はすべて「いしり」を使っているということで、濃い味付けかと思ったら、むしろまろやかで優しいお味。おかずも美味しいのですがご飯とお漬物がまた美味しい。初めてのいしり体験でしたが、こういう地のものを食べられるのも旅ランの醍醐味です。

食事を終えた足で、散歩しながら2番目のチェックポイント「食祭市場」へ。こちらは海の幸がいっぱいで、一緒に走る人数が多い場合はこちらのフードコートで食事するのがいいかもしれません。もれなくビールを飲みたくなるという問題が発生しますが。

ここまではウォーミングアップ。食祭市場を後にして、次は七尾城址へと向かいます。室町時代に建てられたお城ということで、江戸時代のような平地にあるお城ではなく山の上の砦。本丸は標高305mにあり、もちろん坂道を駆け上がります(ほとんど歩いていましたが)。

本丸まで上ると絶景が目の前に広がります。実際に見てもらいたいので、あえて七尾城址からの写真は載せませんが、能登島やその周りの海が美しくて見事。七尾城は100名城のひとつですので、建物はなくても必ず訪れたい気持ちのいい場所です。

ここから次のチェックポイント「能登国二ノ宮 天日陰比咩神社」へは、1度下山して行く方法もあるのですが、途中にある石動山が美しい場所と聞いていたので寄り道。ただ、この道がとんでもないアップダウンで、夜行バスでちゃんと寝れていない体には堪えます。

石動山は山岳信仰の地であり、最盛期には360近い坊があったのだとか。今は復元された建物が1つと、残りはほぼ跡地になっていますが、当時を思い浮かべるととんでもない規模だということが無数にある跡地から容易に想像がつきます。ランニングで周るならぜひ訪れてみてください。

ちなみに七尾城址の手前から天日陰比咩神社まで自動販売機はありませんが、石動山で水汲みができ、石動山資料館ではペットボトルのお茶なども売られています。ただコースがハードなので、十分な量の水分と塩分を持って走ってください。

石動山から天日陰比咩神社までは一気に下り。途中路面が濡れていて、足を滑らせそうになる箇所がいくつかありましたので、バイクや自転車の通行は止めておいたほうがいいかもしれません。ランニングなら飛ばし過ぎなければ大丈夫ですが、濡れた路面は慎重に走るのが吉。

山道に手こずったのもあって、最終チェックポイントから七尾駅には走って戻らず、この日は終了ということにしました。それでも30kmオーバー。アップダウンを考えれば、フルマラソンと同じくらいの疲労感。こうやって途中で終了できるのって旅ランならではです。

同じルートを走ろうと考えている人は、6時間くらいのスケジュールで組んだほうがいいかもしれません。旅ランの楽しみである夕ごはんが待っているので、遅くまで時間をかけて走るのはおすすめしません。楽しい旅ランは「食事>ラン」が基本ですから。

ちなみに宿泊したのは源泉かけ流しの湯がある「花ごよみ」さん。和倉温泉の中では小さなお宿ですが、掃除が行き届いていて心地よい宿でした。何よりも温泉が気持ちよかったので、また利用したいお宿。予算が限られている人にもおすすめです。

2日目は能登島の海を眺めながらの35km

2日目は8時スタート。部屋から見える空が真っ青で、嫌な予感しかしません。10月の能登だというのに最高気温は30℃近くまで上がるのだとか。金沢マラソンでは雨が多かったのもあり、雨も覚悟していたのですが、雨どころか熱中症対策が必要な暑さ。

最初のチェックポイントである和倉温泉お祭り会館は、泊まった宿のすぐ近く。まずはウォーミングアップも兼ねて散歩でテクテクと。さすがに体は重めなのですが、それは決して前日のランの影響ではなく、美味しすぎた居酒屋さんで楽しみすぎたせい。

カウンターで隣になった2人組と意気投合し、余計にお酒を飲んでしまいました。こういうことがあるのも旅ランの魅力です。なので2日目に体が重たいのは織り込み済み。走ることなんていつでもできます。一期一会を楽しまなくちゃ旅ランではありませんから。

和倉温泉お祭り会館(営業時間:9:00~17:00)で「スタンプラリーポイント画面」をスタッフに見せると、下記のお得なクーポンセットをプレゼントしてもらえます。走りながら観光もするという人は、クーポンセットをもらっておきましょう。

  1. 和倉温泉お祭り会館入館割引券
  2. 和倉昭和博物館とおもちゃ館入館割引優待券
  3. のとじま水族館入館割引優待券
  4. 道の駅のとじま売店買い物10%割引券(有効期限あり)
  5. 石川県能登島ガラス美術館入館割引券
  6. 花嫁のれん館入館割引優待券

2ヶ所目のチェックポイントも和倉温泉内なので、すぐに到着。問題はここから先の能登島に入ってから。コースがどのようになっているのか想像もできませんし、ちょっと移動しただけなのにすでに汗をかいています。和倉温泉を出る前にコンビニで補給して能登島に向かいます。

能登島へは能登島大橋を渡ります。この橋がかかったことで、能登島がリゾート地になっていったのだとか。でも走っていてリゾートという感じはなく、むしろ秘境。途中でコンビニはひとつだけで、平地がないから農地も少なく人にもあまり出会いません。

でもそれがいいんです。都会とはまったく違う環境で、青い海や緑の山に囲まれて走れる贅沢がここにはあります。能登島で暮らせるかと聞かれると、ちょっと悩みそうですが、旅ランとしては好きな場所のひとつ。ただし、こちらも前日と同じでアップダウンだらけ(足が強くなりそう)。

海はとても穏やかで波がなく、空の色がそのまま海の色になっている感じ。子どもが絵の具で色を塗ったかのような青い海。ところどころに釣り人がいましたが「今日はフグしか釣れない」と嘆いていました。海を覗いたら大きな魚も泳いでいるんですけど、なかなか釣れないそうで。

3ヶ所目のチェックポイントは「道の駅 のとじま」。あまりの暑さに耐えきれずソフトクリームを購入。こうやって写真を撮っているうちに溶けてくるほどの暑さでしたので、美味しくないわけがなく。「道の駅 のとじま」にはガラス工房もあるので、家族連れなどで賑わっていました。

次は少し先にある「のとじま水族館」。ここではイルカやジンベイザメが見られるということで水族館も楽しみたかったのですが、暑さでペースがまったく上がらずだったのもあり、また次に来たときの楽しみにとっておきました。

ランも和倉温泉まで戻らずに、次のチェックポイントである「なかじまロマン峠」で終了することに。能登中島は牡蠣が有名なので、牡蠣とビールという黄金の組み合わせで締める予定。もうモチベーションはそれだけ。頭の中の90%は牡蠣とビールが締めている状態。

もちろん景色も満喫しました。ずっと海が青くて、本当に現実なのかと疑いたくなるような美しさ。どこを切り取っても画になる風景。暑いながらも爽やかな風に助けられてなんとか「なかじまロマン峠」に到着。ここまでくればあとは2kmちょっと坂道を下るだけ。

あと少しでビールと牡蠣が待っている……

待っている……

待って……

え?

コロナの影響か普段は食事も食べられる直売所は販売のみ。直売所で教えてくれたお店は定休日。日曜日に定休日って……それも牡蠣はこれからが旬なのに。残念ながら大きすぎる宿題を残してしまいました。いずれ能登の牡蠣を食べに来なくてはいけません。

仕方がないので運良く近くにあったコンビニで乾杯。こういう失敗も旅ランならではです。いや、でも牡蠣は惜しいことをしました。ツインブリッジ のとを渡った先にある公園で焼き牡蠣を売っていたのに、スルーしてしまったのが残念でなりません。

この日は結局36.2kmでフィニッシュ。荷物をピックアップしに和倉温泉に戻りました。

和倉温泉観光スタンプラリーは11月30日まで

和倉温泉で宿に預けていた荷物を回収して、共同温泉の総湯に向かいます。共同温泉とはいえ立派な建物で、浴槽も洗い場も広くてきれい。宿に温泉がついていても、総湯にも来ておいたほうがいいです。ただし中ではビールは売っていないので、お酒好きランナーさんはその点だけ注意です。

トータルの走行距離は67.8kmと最初の予定よりも短くなりましたが、スタンプラリーは全制覇できました。そして何よりもこれまでに見たこともない景色を満喫し、自分がランナーでよかったなと。フルマラソンを走れることも素晴らしいのですが、こうやって旅ランできるというのもランナーならではの遊び方。

今回利用した和倉温泉観光スタンプラリーは11月30日までできるそうですので、秋の旅ランをしたくなった人は、ぜひ参考にしてください。

ちなみに和倉温泉は東洋大学陸上競技部が合宿をしていたそうです(現在はどうなのでしょう?)。和倉温泉周辺や能登島のコースがトレーニングに適しているとか。総湯に柏原竜二選手のシューズが飾られていました。旅ランだけでなくラン合宿の拠点として、本格的に走る人にもおすすめです。

まだ訪れたことがないという人は、ぜひ走りに行ってみてください。もちろん走らなくてもいいですけど、ランニングのスピードだから見える景色があります。ラン仲間を誘って、もしくは家族サービスで和倉温泉に行き、ちょっとだけ空き時間に走るというのもおすすめです。

和倉温泉|わくらづくし

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